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おかえりのすけBOOK

bookbar4のメインキャラクター、おかえりのすけのページ

CRAFT碧鱗堂Books

2005-03-01 | 製本
内澤旬子さん主宰のCRAFT碧鱗堂Booksによるワークショップで、溝なし、背バンド付きの小さな革手帖を作りました。革のあつかいにてこずるわたしにとって、趣味ではじめたはずのルリユールが修行のようになってしまい、その気分を払拭する楽しい一日でありました。
詳しくはウェブ水牛製本、かい摘まみましては(6)をどうぞ。

本のプラ函

2005-02-15 | 製本
横積みされた本のなかからそろそろ読もうかなと思って高畑勲が翻訳+注解したジャック・プレヴェール『ことばたち』を抜きとったら、これ二冊組みなんですけどそれを入れるプラスチックのケースの背中が無惨に割れて出てきました。買ったときからいやだなーと思っていたのだけれど、いよいよしょうがないからこのケースは捨てて、はばひろのゴムででもまとめておこうと思います。そうだ、M&CO.TRAVELING BOOKSELLERS が本を買うとつけてくれていたゴムバンドがちょうどよい。 BOOK BLESS YOU. 

 ……
 もうたくさんだ雑炊は
 やつの燕麦に入れるしかないぞ
 蓄音機の針を。
 そこでぼくの血は逆流しました
 まるで木馬の一周みたいに.
 そして厩舎を抜けだして
 森へと逃げました。

 いまでは戦争は終わり
 老将軍は死にました
 ベッドで死にました
 彼の美しい死を死にました
 でもぼくは生きています それが肝心なことです
 こんばんは
 おやすみなさい
 たんと召し上がれ将軍さん。

  (「馬物語」より一部抜粋)

熊谷守一作品集『無形』

2005-02-07 | 製本
先月、版画展にあわせてでかけた『熊谷守一美術館』で、うつくしい和綴じの本をみた。岐阜の青山知架夫さんというかたがおつくりになった私家版とのことで、熊谷自筆の日記や手紙を含めて収録し、美濃和紙に刷ってある。中紐・背張布に熊谷御夫妻の着物地をつかってあるあたりが過剰ですけど、欲しいなぁと思いました。でも少し制作の経緯をうかがってからと思って問い合わせ中なのですが……。写真は、発行元のウェブサイトsamu36.com/アトリエ青山から。全貌は直接ご覧下さい。

松葉里栄『10 ・ten』

2004-12-19 | 製本
コラージュを片面カラープリントして二つ折りしたものを32枚束ね、コの字厚紙でくるみ、さらにカバーでまいて125ミリ×90ミリサイズに仕上げた冊子。「一冊ずつ手製本したもの」とポップにあるが、見本を触ると開きが悪く、おそらく背の部分を強力な接着剤でつけただけなのでとたんにメリメリ壊れるだろうと思ったが、後付けにわざわざ製本終了日が記録してあるのが気になる。3000円は高すぎるが気になって買う。さっそくこころおきなく開く。メリメリいわない。みると奥に茶色の糸(写真右、見えるかな)、ぶっこ抜きかな、でも穴の数と位置が妙だ、なんか工夫してあるみたい、どうなっているんだろう。数カ所留めてあるカバーを剥がしてみるが糸は見えない。かがったあと表に出た糸を、一手間かけて隠してある。パチパチ! もう一枚剥がしてそれを見てみたいけど、内容も質感もひじょうに好きなのでこれ以上の解体はできませんでした。

女性たちのライフ・ポートレイト(2002年)参加時の松葉里栄さんのコメントをみると、「紙を縫う」はずっとテーマとしてお持ちのようです。そしてこれまた、協力:ART BY XEROX。なにをどう協力しているのか気になる。

グリコおまけ復刻ミニ本

2004-12-03 | 製本
江崎グリコから「タイムスリップグリコ」シリーズ<思い出のマガジン> 新発売。
富士プレゼンテックとの共同企画で、「月刊平凡」「POPEYE」「少年画報」「CAR GRAPHIC」「花とゆめ」「Olive」「ARENA37℃」「4年の学習」「鉄道ファン」ほか一誌を、記事のみならず広告や折込み付録まで再現、たとえば「月刊 平凡」なら付録のギターコード付“平凡ソング”もあり。これらのいずれか一冊とチョコレート2粒で315円とのこと。3粒でも1粒でもなく2粒に決まった議事録を読みたい。
それぞれ元の判型を尊重しているので復刻ミニ本も大きさが違っているのですがリリースにはサイズが明記されていたほうがよいわね、とにかく「かわいいサイズ」だそうです。




藤井敬子の、本の母子手帖

2004-11-10 | 製本
藤井敬子個展 交差する紙 ルリユールとエッチング
日時:2004.11.8ー13
場所:ガレリア・グラフィカ bis

   絵や言葉をまとった紙の立体への第一歩「折り」を中心に、
   さまざまな「本」のかたちをご覧ください。(作家ホームページより)

写真は《SAIUN 彩雲》。AlRneuf「金と銀」展(パリ 2003)出展作品で、ジャバラ仕立ての表紙は二重構造になっている。ほか全17点、折り本、プリーツとじ、表紙に綴じる、交差式、混合とじ、など、一枚の紙が折られてたちあがるその瞬間をつかんだ作品が並ぶ。会場でぜひ藤井さんに説明を乞うべし。きくほどに、楽しい。
作品別に制作過程を記したりその素材サンプルをまとめた小さい冊子「パスポート」がほかに4点。海外の展覧会に出した作品については「出国:○月○日 帰国:○月○日」と、パスポートであるのだからして記してある。藤井さんのこういう仕事がわたしまたことのほか大好きで、ベタですけど元祖「本の母子手帖」とこっそり呼んで親しんでいる。是非みるべしよ。製本とかルリユールとかでひっかけてこちらにいらしたかたこそ必ず。

山崎曜の機能

2004-10-31 | 製本
「オーダーメイドの本」手工製本人・山崎曜の機能 展
日時:2004年11月3日(水)~8日(月) 11:00~18:30(最終日は~17:00)
場所:アートスペースK 新宿区神楽坂2-11 電話03-3266-1137 (飯田橋)

 依頼者に応援されて山崎曜が作った本を展示します。
 手作りをすることで生まれた幸福な出会いの数々。
 みなさんにご覧いただきたいと思います。(展覧会DMより)

「手で作る本の教室」を主宰する山崎さんの個展。「BOOK DESIGN」(2号で終了)誌上で、著名人が妄想した夏目漱石本の装丁を手際よく制作したり、東京製本倶楽部のイベントでわかりやすくデモンストレーションされていたことも印象深い。わたしがルリユールの実際に初めて触れて驚きおののいたのが、大家利夫装丁の北園克衛詩集『重い仮説』(故・鳥居昌三による海人舎刊)でした。うかがえば、その頃、山崎さんは指月社の大家利夫さんのところにいらしたとか。それからずっと、依頼を受けて製本する機会を、自らの機能に昇華させてきたのですね。

・日仏会館図書室友の会 1998 より 山崎曜「物としての本──作り手の立場から」の報告 

・神田神保町・玉英堂書店目録より(2004.9.5)
 重い仮説 北園克衛
 限定30部 総革装 函 山本悍右宛鳥居昌三書簡1通付 昭61 海人舎私版
 120,000円

羽田野麻吏ルリユール展明日まで

2004-09-26 | 製本
きょうやっと見てきました、羽田野麻吏ルリユール個展「le greal」

おくればせながら、この展に寄せる羽田野の声をまず。

 タイトルの「greal」は古仏語で「容器」を指しますが
 世の中に容器の類は多々あれど、ことルリユールに関しては
 開く・閉じるという行為、構造が書物と言うものの持つ愉しみの
 大切な部分の一つと思います。
 一つ一つ手に取ってみていただくわけにはいきませんが
 それら全てを含んだ立体としてその佇まいを感じていただければと思っています。

展示作品のいくつかを先に写真でみていましたが、みな思ったより小さいのでびっくり。おそらくあれらがなにかの間違いですべて150%になったとしても、なんの違和感もないでしょう。技術的に虫眼鏡でみてもらっても大丈夫、ということ以前に、大きさを感じさせる作品なのですね。それは比率とかバランスの問題なのだろうか。

以下に展示作品のリストを記します。とくに■6の『銀河の棺』は、さまざまな白革が端正にまとわりついて、ためがきから入手経路の逸話の妙をみごとにくるみあげています。
またあの本(右上写真はその最初の姿)はいったいどうしあがっているのか、実物がみれます。これから徐々に、ウェブで紹介していくようです。今回の展は明日までとなりましたが、再来年また同じ会場で個展あり。羽田野麻吏、毎度の天晴。


■1
L'OREILLE DE LA LUNE
MICHEL BUTOR
木版8葉 ROBERT BLAMCHET
限定220部のうち146番
1973年 ROBERT BLANCHET

■2
A DEMEURER AINSI AU BORD D'UN SOIR
JOEL VERNET
銅版6葉 MARIE ALLOY
限定30部のうち25番
Universitaires de France

■3
LE TEMPS DE LE DIRE
ROBERT MARTEAU
銅版1葉
限定100部のうち31番
1999年 COMMUNE MAAESURE

■4
CHARME DE PARIS
GEORGES PILLEMENT
J.M.LE TOURNIER
限定950部のうち392番
1959年 L'edition d'art PARIS
箔押し:近藤 理恵
個人蔵

■5
マルドロオルの歌
ロオトレアモン著 青柳瑞穂訳
挿 画: 駒井哲郎 エッチング、アクアチント5葉
限定350部のうち96番
1952年 木馬社
個人蔵

■6
銀河の棺
柄澤 齋
著者木口木版装画2点 挿画5葉
限定70部のうち67番
1995年 小沢書店
個人蔵

■7
DAS ANTLITZ DES FRIEDENS(LE VISAGE DE LA PAIX)
PABLO PICASSO ・ PAUL ELUARD
1998年 Sechste Auflage

■8
動物詩集 寂しい猫
関根 九雀
銅版3葉 関野 準一郎
限定110部のうち25番
1952年 大雅洞

■9
菫色のANUS
稲垣 足補(著/挿画)
1972年 芸術生活社

■10
l'ombre interrog_e
FRAN_OISE H_N
BENOIT PORCHER
限定20部のうち19番
1998年 _COLE ESTIENNE MCMXCV?

■11
NEIGE DES NUITS
MARGUERITE CLERBOUT
J.J.J.RIGAL アクアチント3葉
限定40部のうち21番
1988年 Rougerie Mortemart

■12
月蝕領宣言
中井 英夫
1979年 立風書房

■13
D'une haie de fusains hauts
Antoine Emaz
銅版5葉 Marie Alloy
限定20部のうち14番
2000年 Le silence

ブログと製本/ウェブ・スクラップ

2004-09-23 | 製本
はてなダイアリーブックは、一日に一冊ペースでオーダーがあるとか。最近は上製本への注文もあるんだそうです。ほとんどが一人一回一冊オーダー(JAGAT技術フォーラム主催シンポジウム「10年後の『読者』像」より)。はてなにこのサービスを提供しているのはbook it!で、9月15日スタートの、teacupブログの書籍化サービスAutoPageもやってんのね。それぞれっぽい製本仕様を細かにつくりわけしている模様。
livedoor Blog が8月末まで募集していた製本モニターイメージステーションによるものだが、どんな仕上がりなのか実物写真が載ってないからわかんない。
自分のウェブサイトをプリントし、本のかたちにしておこうと試した ウェブ・スクラップ。一冊つくったっきりだけど、いまみるとけっこうおもしろいな。

ファンシーペーパー

2004-09-21 | 製本
こんばんわ。今そこにあるなにか本を手にしてみてください。青とか赤とか白だとかのなにかしら質感のある紙が、見返し、表紙、カバーや函として使われているでしょう。ファンシーペーパー、あるいはファインペーパーとわたしたちが呼んでいる紙です。その柄は、いったいどんなふうにしてつけられているのでしょう。
Tom Dietrich さんというひとが描いた迫力あって楽しい製紙現場の絵Tom Dietrich's Fox River Paper Paintings Exhibitが、 Paper Industry International Hall of Fame,Inc のウェブサイトにあります。これをご覧になったあとで、『季刊・本とコンピュータ』(トランスアート)の松田哲夫さんと内澤旬子さんによる「造本に恋して 第八回 装幀用の紙ができるまで」をお読みになると、なんだかだんだんわかってきて、もっと知りたくなって現場を見たくなります。抄紙工程においては、網やフェルト、熱や圧の具合を加減して紙を仕上げます。それぞれの過程に工夫を加えることが、ファンシーペーパーのバリエーションを生んできたのです。
あわせて『デザインの現場』2004.8号をお読みになるとよいでしょう。

メゾン・デュ・キュイール(革の家)

2004-09-18 | 製本
社団法人日本タンナーズ協会による国産皮革のアンテナショップ「Maison du Cuir/メゾン・デュ・キュイール(「革の家」)」が、9月7日(火)、東京・南青山骨董通りにオープン、だそうです。牛革中心に130種、一枚3,000円~50,000円程度。手製本につかう革さがしに出かけてみよう。定休日は、水、日、祝日。電話03-3499-8446。
日本タンナーズ協会のサイトには「なめし」工程の説明など少々あり。革をつかうなら都立皮革技術センター見学がおすすめ。

羽田野麻吏。テクストと「容器」と

2004-09-16 | 製本
羽田野麻吏製本工芸展「le greal」がいよいよ明日から。
この展によせた羽田野さんのことば。「副題は仏古語で『容器』を意味する言葉です。作品の一部はテクストのコピーも展示しますので、ルリユールと併せてご覧下さい。」
わたしは羽田野さんのルリユールは舞台作りだと思っている。立体的でぱっとみ過剰、なのに鬱陶しく感じないことをしてどう伝えればよいのか。技術や感性を「手段」として、先に在る理想のために「役割」を全うせんとするような態度、と言っておく。

なお会場は、古本屋である書肆啓祐堂併設のギャラリーです。

日時:2004年9月17日(金)-9月27日(月) 13:30-19:30(水曜日休廊)
場所:啓祐堂ギャラリー 東京都港区高輪台3-9-8 TEL 03-3473-3255

羽田野麻吏プロフィール。写真は羽田野さんの作品

ああいいかげん白バックにしたい。しかしよいテンプレがないのよ。ごくごくふつーのごくごくシンプルなやつでいいんだけど。どうもそれが難しいらしい。ちょっとのあいだ、新着のテンプレ、家具>素材>レザー、にしてみました今日から。家具カテゴリと名付けられたなかでもっともシンプルだったやつ。しかしなんなんだこのヘッダかつ地の柄は。どこがなにがレザ??不明。
あと、どう考えてももっとも各々のページにアクセスするのは書き込む当事者であるのだからして、左でも右でも冒頭に「BLOGの作成・編集」がくるべきではないか。レザーはかなり下になって不便です。しかしテンプレごとにその位置が違っているということがいっとうおもしろい。やっぱ、会議とかで決とるんですかね、テンプレごとの利用者マーケとか。

本と箱をめぐる冒険2

2004-09-09 | 製本
9月15日(水)~19日(日)世田谷美術館で、山崎曜さん主宰の「手で作る本の教室」作品展開催。今回の展にも出品されているかたの手作り製本Book Makingというサイトには、この教室やこれまでの展のようすが記されています。BOOK DESIGN誌上の「わたしの漱石」で山崎さんのサクサク手製本が見られましたが、この雑誌のvol.3は出るのかな。
実際の本が刷り上がる前に自分で手製本してみる書き手の話は楽しい。和田さんというかたの場合(アフィリエイト未来日記より)


羽田野麻吏製本工芸展

2004-08-28 | 製本
羽田野麻吏の製本工芸展が、来月17日~27日、東京・高輪の啓祐堂ギャラリーで開かれます。新作、旧作を含めた13点と、羽田野さんのアトリエで撮った製本工程写真を展示。どんな新作が並ぶのやら。うわさによると驚きの豪華逸品が。期日せまってその内容がもれきこえてきたころに、またご案内いたします。