英語で映画を見るのは難しい。僕のような20歳過ぎてちょろっと海外留学した程度の付け焼刃の英語力では、字幕ナシで見ても映画によっては半分も理解不能だ。セリフは速いし難しいし色んな方言や専門用語やストリートで話されている言葉が遠慮なく出てくるので日本で普通に生活している僕には無理。そこでよく言われるのが「英語の字幕をつけて見る」という方法で僕も普通はそうやって見るがそれでもたぶん8割くらいしか分からないことがしばしば。ましてやこれから英語を勉強しようという人にはそうとうハードルが高いと思われる。なのに「映画で英語を勉強!」とか教材売ってたり、いやいやそれムズイやろと思う。それでも、僕がたった一つだけ、「ああこれは最強の英語勉強方法だわ」「みんな英語勉強したい人はそうすればいいのに」と考える映画で英語勉強法がある。それはジブリ映画。

ポニョのケースがなくなって残念感満載。まあチビがいると仕方がない。。
ジブリ映画を英語で見る!
ご存知の通り、ジブリ映画はディズニーが英語版の制作と配給をしている。なので、すごく不思議なのだが北米版を見るとシンデレラ城のロゴ~トトロロゴ、という順で始まる。ディズニーというか、「ジョン・ラセターが英語版を制作している」と言ったほうがいいかもしれない。有名な話だがジョン・ラセター監督と宮崎駿監督は友人関係だ。
僕はジブリ映画は英語版ブルーレイしか買ってない。で、ウチに子どももいるのでもう死ぬほど見てる。それこそ繰り返し繰り返し。で、気づいてしまったんです。「あ~これは最強の英語勉強コンテンツだわ」と。
なぜ英語版でジブリ映画を見るのがいいのか、なぜ英語版のジブリ映画を見ると英語の勉強になるか。
1)繰り返し見ても飽きない
日本人とジブリ映画は切っても切れない関係にある(断言。もちろん嫌いな人はもうそっとこのページを閉じてもらったほうがいいと思うが、僕の観測範囲ではジブリ映画が嫌いとまで言い切る人はいない。しかも何度も何度も見ても楽しめるという、なんというか不思議な映画が揃っている。
外国語の勉強で重要なことは「反復練習」と「暗記」であることは論を待たないが、普通の映画だと数回見ちゃうとまた見るのが苦痛になる、、、ことが多いと思う。だけど、ジブリ映画だとなぜか見られちゃうんだよな~~何度でも。
なので教材としては最適なのだ。
正直、トトロとポニョとキキはセリフも覚えるくらいの勢いで見てる。そしてその「セリフを覚える」というのが英語学習では大切だと思う。
2)声優問題がない
ジブリ映画といえば専門の声優を使わず、有名人や時には素人を使うことでも有名で、時々その「え?なんで?」と思うような配役が物議をかもすこともある。英語版ははっきり言ってその違和感は一切ない。逆に、英語版のレベルの高さと言ったらほんと感心する。
もうね、愛がある愛が。
ジョン・ラセターが多くの場合エグゼクティブプロデューサーを勤めていて(ピート・ドクターがやってたりもする)、ハリウッドのトップ俳優が「宮崎映画なら声やりたいやりたい!!!」といってやってるんですわ。
いくつか例を挙げます。配役見るだけで英語版で見たくなるはず、、 あえて日本語版が誰が演じたかは書きません。
風立ちぬ |
堀越二郎 里見菜穂子
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ジョゼフ・ゴードン=レヴィット エミリー・ブラント |
ハウルの動く城 |
ハウル ソフィー
荒地の魔女 カルシファー |
クリスチャン・ベール エミリー・モーティマー ジーン・シモンズ ローレン・バコール ビリー・クリスタル |
崖の上のポニョ |
ポニョ 耕一 フジモト |
ノア・サイラス マット・デイモン リアム・ニーソン |
となりのトトロ |
さつき メイ |
ダコタ・ファニング エル・ファニング |
風の谷のナウシカ |
ユパ クシャナ アスベル |
パトリック・ステュアート ユマ・サーマン シャイア・ラブーフ |
天空の城ラピュタ |
ムスカ |
マーク・ハミル |
魔女の宅急便 |
キキ |
キルスティン・ダンスト |
どうですか、このそうそうたる面々。プロフェッサーXがユパさま、ルーク・スカイウォーカーがムスカですよ。シンドラーがフジモト、バットマンがハウルをやってるんですよ。見たくないですか??
いやもちろん、「やっぱ日本語版のほうがいいな~」というのも中にはある、確かに。ラピュタのパズーとか。でもさすがピクサーの監督たちがプロデュースしてるだけあって日本語版の雰囲気に忠実だし、外れはない。あのジブリ映画史上最強のトトロのメイちゃんも、エル・ファニングは負けてない。素晴らしいです。なんてったってサツキとメイは本物の姉妹が演じてるんだから。。トトロでいうとおばあちゃん役も完璧。
あと、最近のジブリ映画になればなるほど超有名ハリウッド俳優が配役されているという日本との逆転現象が起きているのもよい。アメリカで宮崎映画が無名時代、ナウシカなんかは理解がなくてぶった切りの再編集をされて悲惨だったそうだ。が、ディズニーと協力するようになってから英語版の質も向上、アカデミー賞も受賞してレジェンドと化したあと、宮崎映画にオファーされたらどんな超有名俳優も二つ返事で仕事を請けるようになったそうな。
3)ストーリーを覚えている
日本語版で見慣れているのでストーリー展開になじみがあり、英語オンリーでもなんのつまづきもなく見られる。むしろ「あの日本語のセリフはこんなふうに英語では言うのか!」といちいち日本語を確認しなくても気づきがある。例えば僕がpacifierとかdirigibleって単語を覚えたのは魔女の宅急便のおかげだし、親子の会話で子どもにこういうふうに語りかければ、、「走り回らないで座って食べなさい!」とかいうのはトトロのお父さんのセリフで学んだりする。
あと、たとえばポニョで問題になった「お母さんを名前で呼び捨てってどうなの?」も、英語だとフツーに「Mom」だし、日本語で引っかかるセリフも英語だと素直に見られちゃう不思議。
4)英語版安い
日本語版のジブリ作品は結構な値段がするが、アメリカのアマゾンからブルーレイ買えばめっちゃ安い。最近円安で残念な値段になってしまったが、そもそもの価格が全然違うのでやっぱ安い。あと米アマゾンだと送料も数ドルくらいなのでまとめて買えばほとんどかからないに等しい。ただしいつ届くか分からないので気長に待たないといけないけど。。
もちろん日本語版ブルーレイをすでにお持ちの方も北米版を買いなおす必要はなし。国内版にもちゃんと英語の音声、字幕も収録されているので新たに買いなおさなくても、今日から英語の勉強ができる!!!(カリオストロの城はないのでご注意。。まあルパンはあの声優陣を越えられるものが作れるとは思えないし。。)
 

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Kiki's Delivery Service
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クリスティン・ダンストがキキを担当。これ、見るたびに「13歳の女の子のパンツが見えるのはアメリカ的には大丈夫なのだろうか、、、」とドキドキする。。主題歌と挿入歌は日本語オリジナルのまま。
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5)北米版にも日本語は入ってる
アメリカから英語版を買ってもやっぱり日本語でも見たい!という場合もアメリカ版のブルーレイには日本語版も入っているので問題なし。
ただし、ブルーレイはリージョンコードがないので日本のブルーレイプレイヤーでかかるが、DVDはダメなので要注意。なのでDVDを買わずにブルーレイを買うべし。残念ながら千と千尋はまだディズニー版は発売されてない。
6)子どもが見る
これはお子さんがいらっしゃる家庭に限るが、子どもはやっぱジブリ映画大好き。で、言葉を覚える前の小さい子どもにとっては英語も日本語もないので、とにかく英語版を見せれば勝手にセリフ覚えてくれる。特にポニョはうちでは大人気で死ぬほどポニョ見た。
不思議だなーと。ポニョは大人には「意味わからん」ってあまり評判よろしくなかった記憶があるけど、「小さい子のために作った」という宮崎監督の思惑通り1歳児~2歳児には大人気でした。。今もラーメン食べるときは「no peeking, abracadabra!!」をやります。
最近は大きくなったのでキキが一番人気。
というわけで、、、
今回はあまり映像制作に関係ない話だけど、ジブリ映画を英語版で見るという英語勉強法。どうですか?明日から試してみてください。お勧めです!!
最近、英語に関して少しでも理解力が増すようにしなければと思っていたところだったのところ、ジブリ好きとしては、とてもありがたい記事でした。
さっそく魔女の宅急便を買おうと思います。
ブルーレイになって、リージョンコードが緩くなり
嬉しく思っています。(日本と北米は、両国とも、
リージョンコードがAで同じですね。)
今は、今年のアカデミー賞のオープニング「Moving Picture」
を歌詞を見ながら耳で追っかけています。
ほんとに言っているのだろうかと思うくらい早口で
しかも歌っています。
ジャックブラックの暴走や、
司会者が「活動写真は、数百万のピクセルで成り立つ
(Moving pictures, millions of pixels on screens.)」
と、歌っていたり…
とにかく気長に勉強します。
そういっていただけるとうれしいです!あまりネタが映像制作に関係ないんで、書くか迷ったんですが、お役に立てたときくと書いてよかった~!
実際英語版のクオリティは非常に高いので見ないのはもったいないと思いまして、、、特に「声優問題」がある映画は英語版で見たほうがいいかも!!
どもです!僕も自分の英語の基礎は中学の頃に覚えた英語の歌詞があるような気がしてます。歌い方を真似るということは英語の発音も勉強になるので良かったのかなあといま思い返したり、、、
同じようにセリフを演技と一緒に覚えるのはとてもいい気がしてます。うちのチビたちもキキのセリフ暗記し始めてるし(笑
僕もまだまだぜんぜんダメなんで頑張りましょう!!
僕もゆっくりシンプルにしゃべってもらえたら大体主旨は解りますが、しゃべるのがどうも、単語が出て来ないです。スペイン語も同じくらいのレベルなんですが,そのレベルではどっちもあまり役には立ちませんねぇ。youtubeとかで英語の映像見る様にはしてるんですが(汗)
どもです!そうですよね~ 今となっては基礎素養といってもいいかもしれないくらいにはなってきてるのかなあ~
今、成長しているチビたちを見ていてほんと思うのは「うらやましい」の一言です。昔は英語を耳に入れるのも困難でしたが、今やiPadで2、3タップすれば英語のコンテンツが流れますから、、
こんな便利な世の中利用しない手はない、、、
あとは「話す場所」だと思うのですが、仰るように撮影の現場でも英語を話す機会は多くなってるので、どんどんそういうところに突っ込んでいくですかね。海外で仕事してもいいし。
僕は「英語が話せますよ!」と結構宣伝しているので(実はそんなに自信はないのですが堂々と宣伝してます笑)、そういう引き合いがたまにあります。言ったもん勝ち(笑)
紅、フランス語版マルコは
ジャンレノでした。
すみません、要らん情報で。。。
それ、なにかで話題になったことある気がするなーなんだったっけ??英語版はマイケル・キートンですね。まだ出たばっかりで見てない、、、
そいやエントリ違いですがkimさんの将軍はSDIは音でます?今メーカーに問い合わせてますが、どうも僕のは初期不良っぽい。。
チェコやドイツの研究機関に質問を送る事があります。たどたどしい英語でも一応通じて、返事を貰えます。そういう時にありがたみを感じます。自分のアイディアを外国語で表現出来る事が大事。これが出来ないままオトナになってしまいました。
学生の頃、映画レーザーディスクから片面1時間のカセットテープに音だけ写して、聴きながらあちこちマネしたクチです。『ジェダイの復讐』特攻シーンの「う"あ"あ"ー!」のマネをしている内にコレ『トムとジェリー』のトムさんの悲鳴じゃないのかと思い出し笑いしたり。判る人がどれだけ居るか…
というヒアリングと発音の練習を繰り返した挙句、教科書音読は学年の誰にも負けなかったけれど、テストでは点数取れなかったな~。好みの映画が偏っていたらしく、授業で英国留学の経験がある先生に、「チミの英語は西部訛りがあるねい」(※多少脚色してあります)と言われました。
それ、でも、大事ですよね。意味も分からず真似をしていても、あるときふとそのセリフが意味を成して世界が開ける。。
僕は中学の時に英語の歌詞をただただ意味不明のまま丸暗記してました。留学してある程度英語能力が上がり、ふとした時にその歌詞を思い出して歌ってみたら全部意味が分かって感動したことがありました。
意味が分からないとつまらないですが、意味が分からなくても丸暗記することは「意味があるな」と思いました。
他言語を学んで思うのですが、言語とは理屈のない事実であり、どうこう考えても仕方がない、ただ覚え、繰り返し練習し、話してみる、それだけだと。楽器の練習と同じですね。
学校教育では反復練習をさせないのでダメなんだろうなと思っています。とにかく同じフレーズを100回口に出して言ってみるですね。僕は「No. I am your father」は300回くらい練習してます(笑