うちにはLogで撮れるカメラは1台もなくそもそもLogで撮る意義をそんなに見出していなかったのであまり考えもしなかったのだがひょんなことからLog収録をすることになったのでちょっと勉強してみた。そしたらもう「ちょっとでは済まない」膨大な知識を要求される領域であった。。。なんか知らない単語ばかりで何がなにやらチンプンカンプン。深みの深みにハマってしまい、、さてどうやって抜け出そうかと、、、そしてそれを放置してたらすぐに忘却の彼方に行ってしまいそうなので覚えたことをブログに書き記しておく。
Logとは何か?
Logとはいったいそもそもなんなのか?ログです、ログ。ログというとスタートレックを思い出す。。。「Captain's log」、、いやそのLogではありません。このLogはLogarithmの略で日本語では対数と訳される。Log収録とは「対数収録」と訳すということだ。ではいったい対数とは何か?対数で検索するとだいたい数学のページにいきつき、こんなカーブが出てくる。
で、このカーブが映像制作と何の関係があるのか???実はこのカーブを映像を録画する際の「明るさ」にあてはめ、このカーブに沿った明るさで収録することで、より広いダイナミックレンジを得よう、、、というのがLog収録の基本的な考え方。
こういう図を見たら横軸と縦軸の数値の意味は「10bitのレンジ」と「露出」
なんでこんなことをするのか?
それはとにもかくにも「デジタルの限界を超えるため」、、、だと思う。
どういうことかというと、明るさ0から明るさ100まで、普通はまっすぐな光量になるはず。が、人間の目は不思議で、暗いほうが光に敏感で、明るいほうは意外にいい加減、、、ということだ。電灯がつくかつかないかにはめっちゃ敏感だけど、60Wの電球か100Wの電球かはそんなに違いが分からん、といいますか、、、
なんとなく僕が思ったのは、子どもが0歳から1歳、そして2歳、3歳になるのはものすごく大きな成長だけど、まあだいたい50過ぎるとなんとなく惰性で、81歳と82歳ってほとんど誤差みたいなもん、、、という比喩って分かりますかね??81歳でも82歳でもどっちでもええやん、でも、1歳か2歳って大きな違いだよね、、その辺りは月刻みで物事を考えようよ!とかそんな話。
0歳と2歳と4歳は大きく違うが、80歳と82歳と84歳を並べても区別つかない
まあなんというかまとめると、1歳か2歳かということと81歳か82歳かということに同一のデータ量を押し込むのは無駄だ、、ということ。1歳1ヶ月1歳2ヶ月と細かく記録したほうがいいところは細かく記録して、81でも82でもまあそんな変わんないよね大まかでも支障がないよね、というところは大まかにすることによって、データ量を圧縮してデジタルの限界を擬似的に超えてしまおう、、、というのが対数記録。
違います?違ってたらご指摘を!!
どこから始まったの?
そもそもこのLog記録の歴史はけっこう古い。フィルムが全盛の時代、フィルムで撮影した素材をデジタイズしようとしたときに編み出されたのがこのLogである。僕のつたない理解によると、もともとはイーストマンコダック社が開発したデジタイズするためのシステム、Cineonが始まりということだ。
こちらの95年に書かれたホワイトペーパー(PDF)にLogのメカニズムについて詳しい。もう20年も前のホワイトペーパーだけど、僕が最近知ったような単語がバンバン出てきて、「あ~Logって言葉もそうだけど映画では昔からスタンダードな考え方なんだなあ」ということが分かる。
ざっと抄訳すると、、、
- 撮影素材であるネガフィルムは独特の色の特徴を持っている(図1)
- CGIは8bit、0-256のリニア、ビデオは16-235のビデオガンマを持っている。
- ネガフィルムには、白以上のハイライトにも黒以下のシャドウにも膨大な情報が含まれており、それをどう扱うかがシネマトグラファーの手腕
- 2048の濃度域があるためフィルムの全ラチチュード(許容範囲)が再現可能
- 10bitで取り込むためバンディングは見えない
- 通常、Cineonでは90%の白は、10bitの685となる
- 685以上の白はクリップされるのでリファレンスが必要
- 8bitのリニアカラーに変換するにはLUTをあてる
あ~どこかで聞いたことある話ばっかりだーー。。もう20年前ですよ。。Logって新しいようで古ーーい技術なんだね。
にしてもムズ過ぎて僕には手に負えない領域、、、、上記抄訳も間違っている可能性大なので、間違いあればご指摘ください。。。
良さそうだけど何が問題?
さてさて、そんな歴史があって便利なものは使わない手はない!だから今LogだLogだって全盛になってきたんだと思う。だけどいろいろ支障が出てくるのはやっぱり通常はまっすぐな明るさの段階を「無理矢理」対数を当てはめてるから。従来のビデオガンマと合わないという問題、、そしてもう一つの問題はその対数に規則性がない、、ということ。
Cineonのような「一つの定義」に沿って作業するのではなく、いまやS-LogだC-LogだV-Logだなんだかんだといろいろある。それぞれ特性を持っていて、それぞれ適切に対応しなければならない。しかもフィルムをデジタイズするという作業ではなく、「現場で」「即座に」「適切に」カラーマネジメントしなければならない。露出間違っちゃったらどうするのか。
ちゃんと理解しないとね。
今回戦ったのはこの人。いいカメラなんだけどなー、、、ブツブツ。。
さらに専門用語だらけ
そして、この世界に踏み込むともう大変。いや、当然映像制作者としては知っておくべきことなのだが、とにかく基礎がない僕にはいろんな資料を読んでても半分も理解できない。。。EI、ACES、IRE、ITU-R、ITU BT.2020、DCI-P3、などなど、知ってて当然ですよね、という感じで遠慮なく出てくる言葉に「ぜんぜんわかんねーーー」と思いながら色んな資料を読んでました。。。
まあ今日書いたのは基礎中の基礎なのでこんなことは映像制作の本流の方々には「今更なにいってんの?」のハズで、きっと桜舞う4月に映像学校では教えるようなことでしょう。引き続き僕の学びに進展があればその2があるかも、、、
LOGとは何か理解できなかったけど、この写真で十分!
今まではワイドDRガンマがそのまま使えてダイナミックレンジも広いと言うことでずっと使っていたんです。
CANON LOGはあくまでもポスプロでカラーグレーディングが前提と書いてあったのでハードルが高いなと・・・
しかし実際に撮ってみるとそのままでも結構使えるトーンで僅かなカラコレで普通のビデオトーンにもなるしいきなり気に入ってしまいました(笑)
現場での露出はなかなか分かりにくいですがカメラの露出計とWFを頼りに合わせるとなんとなくいけてる感じ?(^-^)
カラーグレーディングが楽しくなりました(*^_^*)
チビの写真を載せるためのエントリだったりして、、、(笑
Logはでもだいたいやり方が分かれば結構いいような気がしてきました。間違えさえしなければ!
どもです!
うーむ、実は僕が見たいろいろだとやはりグレースケールのチャートで合わせるというのが最もシンプルなやり方かなーと。。。スキントーンが重要なときはグレーで合わせ、ハイライトをきちんと入れたいときはホワイトで合わせる。。
そして波形は必須です。大きく見える波形が。。こないだは1カットごときっちりグレースケールで見て合わせました。
> ダヴィンチで1stカット
ほんとはそれが理想なんでしょうが、照明変わるたんびにダヴィンチに取り込んで、、というのは結構現場的にはできない現場のほうが多いですね、、
さらにいうとダヴィンチに取り込んでLUTをつくってそれをカメラに取り込んで1カットごと確認、、というのがいいのでしょうが、、、
DITが必要ですよね、、、
あとさらにいうと僕が見た教則本ですと、とにかくREC.709の純正LUTを当てて露出を確認したほうがいい、ということでした。それで正常であればグレーディングはいかようにもできると。
とにかく僕のミッションは自分でcubeファイルを作るところまでなので、なかなかまだ先が長い、、、
そしてRAWで撮るのが本当の理想なんでしょうけどね~
最近のCM見てても「これ、ログ収録撮って出しじゃないの?」と疑うようなしろーくてねむーくてな絵ありますよねーー、、
意外にCineStyleがまんまでイケてると思ったときもありました。。
僕はC-Logは扱ったことがないので分かりませんが、将軍様にはデフォルトでC-LogのLUTが入っていたのでS-Log3に当ててみたところじぇんじぇんダメでした。。
似たようなものなのにこんなに違うってほんとシビアだよなーーーと。。
あとそういえばソニー純正のREC.709のLUTは気味悪いくらいのえげつない色になります。。。びっくりします。。
うーむうちもFS700でログ撮れるようにしないと、、、将軍もあることだし、、、
http://www.zacuto.com/gratical-hd
そういうLUT対応の周辺機器か、あるいはちゃんとLUT変換したビューイング環境を出せるカメラが必要なんだなーと思います。つまりは、logの恩恵を一切感じていない気分で撮影して、戻ってから「ああ良かった」とほくそ笑むのですね。。。 なんかメーカーは対応が遅いと思う。。。
あー、それはシンプルで解り易い考え方ですね。REC.709のビデオガンマで良い感じなら,それ以上生臭いルックにはならないですから。そっか、やってみます。どっちにしても監督にテストしてもらって「大丈夫!」の一言を貰わないといかんのですが(笑)
Gratical HD EVF いいですよねーー ブルーム師匠も絶賛しておりました。
こいつのLUTのいいところは、LUTを自由に設定できるのはもちろんのこと、アウトプットの信号にLUTが当てられることですかねー 細かくはやってみないと分かりませんが、EVFでは白黒やLOGで見ながら、アウトプットのみLUTを当てた絵を出力してクライアントやDに確認してもらうっていうのは理想的だと思います。
よく現場分かってる。
これからのEVFやモニタはLUTが必須になってくると思います。
お値段がなんとかなれば、、(笑
> 監督にテストしてもらって「大丈夫!」の一言を貰わないと
ですよねーー まあ監督にはLOGを理解して信じてもらうしかないような(笑
REC.709 LUT以外のLUTを当てて確認してると露出を失敗してしまう可能性があるのかなーーというのが僕の理解です。一番重要なのはスキントーンだと思いますが(ミドルレンジ)、たとえダイナミックレンジに全部収まっていたとしても実際にカラコレしてみてうまくいかないってことがあるのかもしれませんね。シャドウにノイズ載るとかスキントーンがガタガタになっちゃうとか、、、僕はまだよく分かってません、、、(笑
ただ、図で見ると微妙な違いしかないLogカーブでも、実際には特性が全然違う、というのはよく分かりましたので、ほんと微妙な差が最終的には大きな差が出てくるというのは確かなのかなと。。
それにしてもほんとムズイ、、、
HDMIで外部出力するときはBT.709のLUTを適用できます。
両者はかなり違うトーンでCANONさんが色々考えた末だと思うんですが面白いです。
つまりカメラ液晶はピントが合わせやすいように明るくしているが白飛びなど起こさないようにしている。
外部モニターはクライアント用なのでなるべくはっきり綺麗な映像を見せる的な(^-^)
それは理想ですね~ 現場の声聞いてるんだなー。C100MKIIの知られざるよいところ。4Kだなんだと浮かれている間に堅実に仕事してますね。もしかしてC300とかもそうなんですかね?あんま使ったことないんで、、、そういうのもちょっと宣伝すればいいのに。
C100は願わくばSDIがついてればなーーーーーHDMI嫌いの僕としては、、、(笑
DITなんか雇えるような仕事してるわけないやん。。。街角の弱小業者でっせこちとら。。。。
あ、でも色んな情報ありがとう!助かりました。
ぜひDITで2FASTさんに来てもらえるような仕事をがんがってゲッツ!