iPhone4Sと同じRetinaディスプレイ搭載＝Alphatron EVF

世界中がAppleの発表を固唾を呑んで見守っていた6月11日。Macにはほとんど興味もなく、そんなことが行われているとは全くあずかり知らぬ、しがないWindowsユーザーの僕は、そのまさに新製品が発表されようというその直前にこんなものをクリックしてしまっていた。Appleがなんかイベントやってるなんて、興味ない人は知らないよ～、とポチってから文句いってたのだが、発表されたのがMBPではなくiPhone5だったら速攻キャンセルしてたかもしれない。。

 

というのも僕が買ったのはiPhone 4Sと同じRetina Displayを使っているこのEVF。もしiPhone 5に外部入力とかついてしまったら目も当てられないからだ。

 

Alphatron EVF

 

まずはどうでもいい話から。

 

Retinaってそもそもなんなの？

僕にとってRetinaってずっと「網膜」って意味だった。20年ほど前に北米に留学したときに覚えた英単語（※）。なので初めてRetina Displayって聞いたとき「なんなんだ？？？網膜表示？？なんだそりゃ？？」と面食らった。まあ今となってはRetinaときいても高精細、、くらいに脳内変換するけど。

そのRetina Display搭載のMacBook Proが先月発売され、爆発的に人口に膾炙したであろうこの単語。。。そしてそのMBPではなく、アルファトロンEVFをレビューする相変わらずの映像専門過疎ブログ。いや、でも、たぶんこのEVFまだ日本に１台しかないよ。MBP買わずにこんなの買ってるアホはここくらいしかないだろう。

※医学用語なので元はドイツ語。なので厳密には英単語ではない。

 

網膜ディスプレイのEVFとしての存在意義

なぜこんなものを買ったのかというと、その解像度がFull HDのちょうど半分(960x540)※というのが解像度変換にピッタリだったという記事を読んだから。このEVF以外は全部中途半端な変換をしているのだとういう。例えばZacuto EVFは800x480なので、Full HDから縮小するには微妙な解像度で、いまいちなのだと。Retinaだからこそ実現できる解像度。

※追記(2012.8.1)
後から読んで誤解を生む書き方だったんで訂正。 このEVF自体の解像度は960x640あります。なので16×9の動画を表示すると上下に黒が入りちょうど960×540で表示されるという意味です。

届きました。箱はダサい。

さて待つこと１月半。やっと届きました。ほんと何度キャンセルしようかと悩んだか。B&Hふざけておる。まあB&Hの責任ではなく、製品を製造している韓国TVLogicがいいかげんなんだと思うけど。それか鬼のようにバックオーダーが来てるか。。

続きを読む前にこちらの動画をご覧いただくと、どういう特長があるか一目瞭然です。

Alphatron EVF-035W Viewfinder Review with Alister Chapman

まずは触ってみての印象

大きさ比較。

なんとなくZacuto EVFの「像が踏んでも大丈夫」的な頑丈さは感じられない。ちょっとヤワな印象。落としたりの取り扱い注意。。Zacuto EVFは落としても平気です（落としても責任持ちません）。

僕は、自分が持っているZacuto EVFとしか比較できないんだが、ボタンの感触とか操作性はZacuto EVFより使いやすい。なにより直感的なジョグダイヤルがついているのがいい。迷いなく操作できる。

ボタンは圧倒的に使いやすい。ジョグダイヤルも素晴らしい。

またZacuto EVFの特色であり利点であるルーペ（ビューファインダー）を取り外して背面LCDに取り付けられるというギミックが、うまく取り付けられなかったり落としたりしてなんか扱いがめんどくさかった。Alphatronはそもそも取り外せないので、これはこれという割りきりができ逆に使いやすいと思った。

 

取り回しはどうだろう？

ソニーバッテリを使うので重い。バッテリに貼ったドラテが汚くてごめんなさい。。。

ちょっと思ったよりデカい。そして本体はすごく軽いんだけどソニーバッテリを使うので、CanonバッテリのZacuto EVFより重くなる。少し固定の仕方を考えないとなと思った。

また最悪なのがHDMIの入力と出力がmini HDMIということ。mini HDMI入力はないでしょ～～。探したんだけど、mini HDMI → mini HDMIっていうケーブル、売ってないんだよね。カメラから直接つなげないじゃんんっっ！！どうする？

まさかのmini HDMI。。。orz

 

というわけで周辺機器を色々注文しました。

 

肝心の解像度は？

今回Zacuto EVFと並べてテストしてみたのだが、視力が上がったかのような印象を受ける。これは横並びで比べてほんとに良く分かった。ちなみに配線はカメラ→Zacuto EVF→Alphatron。ZacutoのHDMIのスループットを利用している。

横並びでテスト

ただ、それだけ解像度があるので、見た目でいうとパッと見、AlphatronのほうがZacuto EVFよりフォーカスが合ってないように見える。つまり、Zacutoのほうが後で大画面で確認して合ってないことに気づくという可能性が高いということだ。

Zacuto。あくまで参考画像です。

こちらがAlphatron。デフォルトでは若干暗い。精細感わかるかなー。。

またZacutoで一番使えないと思った機能がピーキング（フォーカスアシスト）。ただシャープネスがかかっているだけにしか見えず、全く使えなかったのだが、このAlphatronは赤線のピーキングに設定できるし、ディスプレイを昔ながらのファインダーのように白黒にできるので格段にフォーカスは合わせやすい。ただし赤線のピーキングが信用できるのか、、は検証が必要だなあと思った。

 

ルーペなしで外での使用は耐えうるか？

さすがに外ロケで日光がかんかん照り状態ではルーペなしでは使えない。そして、デフォルトではAlphatronのほうが暗いので、Zacutoのほうがすこし見えるような印象だったのは意外だった。が、まあ、カスタム設定は豊富なので今後使いながらいい設定を自分で探ってみようと思う。

 
さすがに強烈な日差しの下ではどちらも使い物にならない。

 

というわけで今やその単語を聞かない日はないRetina Display。が、このブログでは同じRetina Displayでも、誰も知らない超マイナー商品のレビュー。この手の製品にここまで投資する価値があるのか？と問われる方もいるかもしれないが、僕は「浅い深度だからこそフォーカスを確実に決めたい」という欲求があったので買ってみた。

もちろんこんなものがなくてもフォーカスは確実だよ、という方には必要ないです。にしても、これも韓国製。日本からはこういう意欲的な製品は出ないですね。

こんな恥ずかしい感じでテスト。道行く人が振り返りました。