三浦俊彦@goo@anthropicworld

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フリークス系1

2004-11-13 20:46:01 | モンスター映画
 ■キャッスル・フリーク■ 古城というセッティングゆえだろうか、鬼畜なハナシにしては全体、画像の格調が高い。細部もいいし(引っ張り込まれまいとふんばる猫の断末魔なんか超リアルでしょ!)。うーむ、それにしても救いようのない暗さだわい。〈夫が最後に我が身を犠牲に妻子を救ってやっと妻に赦される〉はまこと通俗なパターンなのだがやっぱりフリークのあまりの悲惨さが俗化を許しませんでした。つまりはなかなかの傑作ってことです。しかし最後、あれで2人一緒に落ちるのは無理だと思うぞ。絶対鎖か体が引っかかるって。
 ■バスケットケース■ ただの復讐劇じゃなくて兄弟間の嫉妬を絡めたところがまた暗ーくて傑作たるゆえんですね。粘土アニメーションの兄の動きはシュワンクマイエル的不条理を感じさせてフリークスってよりほとんど純正モンスター。もともとシャム双生児というよりどでかい人面疽みたいなもんだったわけだしね。分離手術のいい加減さも含めて、殺し方が一々不必要にエグいのも良し。兄貴の怪力の源は不明ですが。それと、あの黒人女だけは殺さずにパンツだけ奪ってきた兄貴の行動が不明でしたが。
 ■バスケットケース2■ ひたすらスーザンの胎児をもっとよく見たかった、の一言。胎児ノ大口と妊婦ノ笑顔との対比がすげえ映像作ってましたよ。あとベリアルのカップル以外の全員は、フリークスといっても顔だけなので、ちと、いやだいぶ不満が残る。それぞれが個性を発揮するわけでもないし。しかしまああの支離滅裂なほど救いなき結末は納得の一作と言うべきでしょう。
 ■バスケットケース3■ シリーズあとの方になるにつれフザケてきたというか、ほとんどコメディになっちまってるのがちょっとな。1のシリアスな暗さが懐かしいよ。まあ多彩なフリークスの群れは見てて飽きるわきゃないけど(今回は十二子出産コテコテシーンもあったしね)、結局、フリークス個々人の個性は発揮されずじまい。最後の工作ロボット操縦チャンバラなんぞあまり意味なかったのでは。いや、でも基本的に面白かったですよ。
 ■フリークス■ バスケットケースの元祖となる上半身だけのあの人、もっとよく見たかったな。なにしろ本物だし。あと髭女の出産は赤ちゃんをちゃんと見たかったな。あとシャム双生児の姉妹は裸体で見たかったんだけどそれはさすがに贅沢かな。雨の中の床下の追撃は迫力ありましたね。ドラマ面をもうちょっと丁寧にやってくれたら言うことなしなのですが。あと結末も。鳥女化のプロセスは飛ばさざるをえないとして、コビトくんのその後がわかりづらいし。
 ■パラサイト2000■ 陰鬱ホラー系2参照
 ■悪魔のしたたり■ まあフリークスっつってもコビトぐらいしか出てこなかったけど。集団襲撃人食いや脳味噌チューチューは巷で言われるほどスプラッターじゃなかったよな。まあ全体の不健康なデカダンぽいムードを楽しむ映画か。最後みんな死んじゃうところはすっきりします。
 ■フリーク・ハウス■ おーい。トッド・ブラウニングの『フリークス』がとっくにあるんだからもっと工夫しなきゃダメやん。フリークスの皮膚のアップも足りないよう。こんだけ人数出すなら、せめて『バスケットケース2、3』程度は見習ってほしかったよう。