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三浦俊彦@goo@anthropicworld

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オトイアワセ:
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オバカ系5

2006-08-17 00:42:12 | モンスター映画
■キングスパイダーvsメガデストラクター■ ぷ、ぶはっ。ぶはははっ。なあんだそれならそうと最初から言ってくれよ系、てか。『キングスパイダー』(ムシ系4参照)の続編なんだけど。うううむ、そうだったのか……わかってしまいました、了解です。『キングスパイダー』のときは私呆れまくりでしたが、やっぱオバカ系に堂々分類されるべき映画だったんだ、とこれ観て認識を改めました次第で。前作と同じよのう。今回はロボットとクモが戦うって構図で、なーんかプラモデル丸出しのメガデストラクターとCGキングスパイダーがただノベッと密着しあってグイグイやってそれがバトルなんだと。押されて真後ろに代わり番こに倒れるそれの繰り返しかい。いや、街は派手に壊れますがね(前作のロスに続き今度はベガス)、なんつっても実写とCGとミニチュア模型が(あと一部ドキュメンタリーふうフィルム映像ね)ころころと交代で映されるもんだから(同じ場面設定でそれやってんですよ!)そうなんだ、これ、笑って観る映画だったんだ。やっと気づきました、ごめんなさい。キャラクターが別段あからさまなギャグやるわけじゃないんで、『キングスパイダー』んときは生真面目に観賞してついドン底採点しちゃったよ。でももう大丈夫。これオバカだってはっきりわかったから。ホテトル嬢襲撃場面とかもぉぉう笑わしてもらってマンゾクっす。
■肉喰怪獣キラーツリー■ 面白えっ。これ、面白いよ。続編みたいだけど、正編も観てみたいな。クリスマスツリーが人間を襲うのだけど、いったん正体を現わすと下半身は蜘蛛で上部に目が2つ付いてるという、まあ子どもの落書きですな、デザインは。しかしやけに長い蔓でからみついてきたり松葉を飛ばしたりと攻撃は多彩。ジャンプするし。どうやったら人間の足をもぎ取ったりできたんだろうと首をひねるほど死体のありさまも多様を極める。ま、人間サイドがしっかり真面目コメディやってくれてるのに合わせてツリーどもの(そ、大群ですよ大群!)走りときたら、わちゃわちゃコビト声発しながらなんでほんと微笑ましくなってきて。しっかし警察も軍隊も出動しない市民だけで終始対処、みんなしてスコップにナイフに集団騎馬戦ですかと。意味不明ならぬ意味薄のギャグが詰まってるんで――リフトの上で凍死してる二人とか塩素浴びてメクラが治っちゃう女とかそういえば目がピカってツリー光りしたおっさんは何なんだっけ――飽きませんよ、ほんと馬鹿映画の見本。じゃなかった手本。模範。ラストにほれ、ツリーたちの死骸の山から十倍大のラスボス(あの顔、ハニワですか、カエルですか?)がのわーっと立ち上がったあれ、樹液みたいなのも出したし、武器がまた増えて嬉しかったぞい。一方向だけから追っかけてきてスプレーされたら後ろの奴まで一瞬に積み重なって死んだまことにアバウトな死にざまも、あのラスボス擁立で報われましたわい。二組の男女が露出無しながらお色気含みの活躍してくれたものの、大人に比べ子どもがただ怪我しただけで見せ場なかったのは惜しかったすね。終わってみると意外と悪ふざけ無しのほどよいオバカ展開があー面白かったの巻でした。

サバイバル系6

2006-08-15 05:11:14 | モンスター映画
■サウンド・オブ・サンダー■ こういう何度でもやり直しが効く系って、結局あれこれあったわりには夢落ち風に終わっちゃうんだよな。あんだけ出てきてくれたモンスターたちもみんな実在しなかったことに。恐竜以外はみんな。力抜けますね。えー、それで、私はなかなか楽しめました。CGがヘボいのを除けば(あのクワガタムシの大群はいくらなんでもひどかったねえ……浮きまくってるなんてもんじゃないよ……20年前のCGかと叫びたくなりますね)、やっぱモンスターの多彩さで十分うれしい。ヒヒトカゲたちったら腹を撃たにゃ絶対死なないってのおっかねえし。コウモリみたいな集団ぶら下がり睡眠の天井ったらギョッとしたし。あっちのモロコウモリ顔翼手竜のほうじゃなくてヒヒどもがあの睡眠担当とは、あえて外したところセンス良かったじゃないっすか(あの二者の戦いちょこっとでいいから見せてほしかったな)。しかしなんかねえ、あんだけ論理の破綻しまくったタイムパラドクスもので、時間の波みたいなへんてこな物象化もやってるナンセンス劇に突入モード、もはやホラーじゃないんだから、モンスターたちの襲撃をことごとく夜にする必要ないっつの。巨大ウツボも、吸血植物も、暗くてよく見えねっつんですよ、全く。CGの粗を隠そうとしたか? ともあれ、SFとしてじゃなくナンセンスとして観ましょモードにすぐ入ってけた私にとっちゃ、結構面白かったです、基準クリア以上です。五十年後という中途半端な未来風景も良かったし。カッコ悪い自動車なんか、ほんと流行りのデザインって過去から見るととんでもなくダセー場合が多いッすよ、って批評されてるみたいな気もして。クワガタムシシーンをなんとかしてくれれば第一線を張れたんじゃないかと。あそうだ、それにつけても女二人の喋り方がやたらと神経に障りまして。早口すぎて全然聴き取れなかったのが不愉快ってのもあるが、音波的物理的にどーにも不快な喋り方であった。んで、ラストのあの丸い赤い物件は何なのでしたっけ?
■デジタルモンスター ゼヴォリューション■ のっけからCG力はとてつもないレベルやな~と敬服したものの、それにしちゃなんかダメダメだな~、なんでだろとつらつら考えつつ観てゆくに、おもむろにわかってきたのが「声優が一人残らずドヘボ」ってこと。初心者演劇調の棒読みというか、なんとも平板この上ない。声さえしっかりしていれば、こんだけビジュアルやってくれて骨組みだけのストーリーで簡潔に、かなりいい線行ってたと思うよ。
■宇宙戦争 ウォー・オブ・ザ・ワールド■ おやおやと驚いちゃったぃ。なんてチープなの。スピルバーグのほうの基準で心構えしてたから最初でズッこけちゃったよ。軍隊が出てくるのはいいが何でみんな小銃ばっかしなの。戦車や戦闘機やミサイルの一つや二つ出してくれてもいいでしょうに。結構でっかいセット使ってんだし、あんな国道の派手に盛り上がった破損風景なんかに金かけないで機甲部隊出してほしかったっつのよ。あと男同士が身ぃ寄せ合う場面ばっかで暑苦しいってんです。定石通り男女ペアで逃げろとは言わんけど、やれやれ……。CGはとことん安っぽいし、とにかく怪物と人間の間合いというか、接近遭遇かと思ったら次の瞬間遠目だったり、距離感というかサイズというか、全然合ってねー。どーしょーもねー。ラストにしたって「ダディー!」ってあんた、子ども抱きついてくんなよいきなりよう。かくれんぼじゃないんだから、敵壊滅を確認するやいなや家族合流、って確率いくらだと思ってんだい。よかったのは怪物機械の造形だけかな、六本脚ときたしね。あとエイリアンがいかにもモンスターっぽかったのもスピルバーグよか上かな。他んとこは壊滅的な駄作。
■最後の戦い■ これって、そんなに「スタイリッシュ、スタイリッシュ」って褒め称えるほどのもんか? 俺はとてつもなくつまんないと思ったぞ。ナンセンス寄りには甘い採点する俺にして、この映画はどうもナーと。セリフが一つもないんですよ~ほれほれ芸術的、なんてふんぞりかえられてもな。映像もインパクトがない。せっかく虚構に遊ぼうってんだから、そいでまともなストーリーも無しで済ませようってんだから、もっともっと不条理度をアップしてよ。
■オゾンクライシス■ やたら説教臭いドラマだったな。どうもな、ほんっと何も残んないんだよね。オゾン層が破壊されるとぴかーっとウルトラ日光が降ってくるって描写が失笑ものだし。とはいえ映画だとそういう表現でしか勝負しようがなかったか。怪しげな雲のビジュアルは好きでしたけどね。なっとらんのは地上だな。暴動シーンはもっと派手にというか、広範囲に撮ってくれてこそのシーンでしょうし。環境破壊系の常として怪生物が出てくるとかしてくれるとまだ観れたんですが。もしかして出てきましたっけ? あそうだった、なんかムシがいっぱい出現したんだっけか。しかし実在のウジムシ系を集めてきてもこっちゃあ虫好きなんでナンも応えん。もうちょい超自然的な異変が欲しかったですのう……。

ニュルニュル系4

2006-08-09 01:00:34 | モンスター映画
■マンシング■ 惜っしーなあ。てか逆に、終わってみると、こんな下らんベースでよくも我が眼を惹きつけ続けてくれたものよ、と感心するべきなのか。いや、きわめて良い感じで始まりましたさ。蚊がいっぱいいそうな沼なのに(実際あとで保安官がやたら首筋を叩いてる)ボートで裸になってセックスするカップルってどーしょーもないシーンも、アメコミだからってんじゃなくて何となく鬱蒼ムードとビジュアル処理の良さで許せてしまったし、そう、やたら画像処理してるのね、雲や霧を一瞬だけ早回ししてみたり、色変えてみたり、でもそれが面白いし、テンポいいので見つめちゃうのよ。それよりなにより石油工場で汚染された埋め立ての沼ってのが、カビや胞子が飛んでいそうな植物描写と水面のベトベト汚物との相乗作用でもうセッティングとして最高。おどろおどろしいハイブリッド空間を照らし出すパトロール灯の照明効果もまた抜群。前半はモンスターほとんど姿見せないとはいえヒュルヒュル蔓状の何かがのたくってるし、いやあ、久しぶりに本格的モンスター映画を観られたわい、とほくほく顔でしたね、私は。人間サイドの、いちいち体内から枝葉が生えてるっぽい殺され方もみな高レベルだったしねえ。しかしまあ、中盤から余計きわまりないラブシーンが入ってきやがりまして、苛々しながら沼での攻防を見守ってたんですが、ラストも型どおりヒーロー+ヒロインが燃え尽きるモンスターを尻目にキスしながら去ってゆく、てのはほんと、制作サイドは何も疑問感じなかったのかと。格調急落ッす。はてこんなありきたりな映画だったはずは……と訝りつつ振り返ってみると、実際その程度の映画だったことにふと我に返ってしまったり。あ~あ……。しかしマンシングの蔓(枝?根?)がランダムに伸びてくるとことか、赤い核融合的な眼とか、異様に素晴らしかったんだがなあ。インディアンとかゲリラとか思わせぶりな人物がいっぱいひしめいていて詰まった感じなのもよかったし。で、二頭の犬はどうなりましたかね?
■ジョーズ・アタック2■ オープニング、ヘリに吊り上げる死体の両足噛み切られてるところ、リキ入った描写で期待させてくれたが……登場モンスターもタコとサメのあいのこッてことで期待だけは勝手にどんどん膨らんだのだが……、ははは、ダメでしたね。ハリボテの頭部のクチがあんぐり牙ずらりってのと(もたつきすぎ!)、タコっぽい塊が泳いでるらしい水中映像が何度か申し訳程度に使われた以外は、結局一度も全身見せてくれずじまい。あいたたた……。終盤の入口、生物兵器であることが露見する直前に、あれが分裂増殖力ある細胞で出来てることがせっかく判明したんだから、当然そこは、再生個体を二つか三つ出してほしかったよ。本体一個退治してそれでオシマイなんてねえ、何のための顕微鏡映像だったのか。金がないってのはツライよな……。人間どうしの格闘とか銃撃戦はいらんから、あとレーダーで奴の接近を何遍も警告するだけじゃハッキリつまんないですから、モンスターそのものにしっかり注目させてくれないと。全くもう。

ゾンビ・バンパイア・ミュータント系(人間型系)10

2006-08-06 02:47:17 | モンスター映画
■ドラキュリア■ やたら人間が吹っ飛んで首も吹っ飛ぶアクションは、単調ながら質より回数って感じの執拗さでこっちぁ根負け。そりゃ見ててだんだんじわじわと爽快になってきましたわ。じいさんも逆さに鏡へガッシャーンだもんな、思えば手加減ありませんや。ただなんつうのかな、バトルの始まり方がいつもいつも、背後からバンパイアが飛びついてきちゃ一旦突き飛ばしてくれると、そういうとこがどうもさ。相手に勝たせるために飛びついてるようなもんで。せっかくの不意打ちなんだから普通そこで即トドメでしょう。お遊戯やらないでくださいな。でもまあ、そんな作り物臭ぷんぷんのアクションにしては強引に受けてしまいました。というのもほら、真っ黒いヒルがいっぱい出てきたとこで、まぶたにきっちり食いついてくれたところで、いやそれ以前のあのトラップに盗賊二人串刺しになったとこで、私としちゃこの映画は基準クリアしたと思ってましたんで、すでに私ゃ機嫌よくなっていたというか、あとはオマケというか、あわよくばヒルが巨大化する系ニュルニュルモンスターが出てきてくれればな、とか期待しないでもなかったけど、さすがにそれは高望みだったか。オオカミとコウモリだけじゃ変身バリエーション物足りなかったが仕方ない、あの時間であのテンポできっちり精一杯詰め込んだ感じで、よかったんじゃないですかね。ヒロインもハリウッド的ケバイ系じゃなくて清楚な地味系美人で(ズボン姿がよかったです)、お色気は脇の女3人に任せたって感じのスタンスがよろしい。小ぢんまりうまくやってくれました。ただ、何かこの映画の売りらしい「ドラキュラの正体はユダである」っての、だからどうしたと。もしかしてラスト、キリストに見下ろされながら首吊り燃焼って、その正体あっての感動なんですか? そっち方面じゃ観てないんで、とにかく序盤できっちり満足させていただき残りはまあまあ逃げ切った、て感じの合格品でしたということで。
■ザ・シング■ 山の風景というか木々の色と雰囲気がなかなか良いので飽きずに見ちゃいましたけどね。しかし話は安易きわまりないですなあ。そもそも一人で銃も持たずに山降りてくか、あの危機のさなかに? オウムに見張りさせてどーすんのって感じだし、おざなりなラブシーン全く不要だったし、思いっきり傾いたはずの監視塔が昼間んなるとダメージの痕跡とどめちゃいないし、手軽な爪痕だけだし、肝心のモンスターがねえ……、前半ずっと姿見せなかったわりには後半あられもなく露出しすぎだし、人格的つうか知能ありすぎというかああもレザーフェイス色混入じゃ『ジーパーズ・クリーパーズ』パクリそこねた凡作の域を脱してないよなあ。あの山奥のムードなんだからもっとこう、原始本能的なモンスターにしといてよう。あとチンケな爆発一つで一件落着系はそろそろやめにして、モンスターの死体くらいちゃんと確認させてくださいね。
■バイオ・アマゾネス■ こうゆう地味なのはどうもねえ。普通のエロには興味ない私にとっちゃ見どころ乏しすぎの作品代表例でした。売りらしきそのエロにしたってえらく控えめだし。感染した巨乳美女があんだけ人殺してるわりにほとんど暴れもせず煮え切らなくて――ベソかきながらいつもグズグズしてるのは「ぅわーん、変身したくないよう……」のぶんヒロインの内的苦悩がにじみ出て深いとでも言いたげか? まさかなあ――、結局駐車場で警官に飛びかかったあの一度きりだものな、人間離れした敏捷さを一瞬でも感じさせたのは。ヒロインの微妙に下品な素顔からしてさぞド派手な変身遂げてくれるかと思いきや、とりたてて異形化するシーンなしかよと。期待の刺青はどうなったんだよってば。ろくに見えとらんじゃないかよってば。この映画のよかったところは、ま、英語が聴き取りやすかったことだけですかね。

未練・怨念系2

2006-08-03 21:29:28 | モンスター映画
■輪廻■ わぅ、オチが素ッ晴らしいね。オチっつうか、そのあともチョイ続いてラストのラスト気違い病院の中も見どころ主張してるらしいから中オチですか。たいていあのテの作り物ってガッカリさせられるもんで、「どーせ……」と諦めてたんだけど、押し入れあけた瞬間「おお、そういうことでしたか!」って、正直そこまでの展開が退屈だったのが一挙に背筋伸びてしまいましたもん。ええ、あの瞬間を境にこの映画は「傑作」となりました。しかしあんな単純な仕掛けでダマされちゃった俺も情けねえってば情けねえな。先入観による錯覚をうまく利用したね。脱帽。んで、堪能できたからには文句はないものの、結局全体、どういう意味だったんですかね? 映画撮影シーンが現実と過去と8ミリ映画とリンクするあの多重進行は中オチ挟んで一気に面白くなったけど、てことは監督は、「犯人」探しのためにああやってオーディションで容疑者集めてたですか? とまあそんなことはどうでもいいですかね。でも気になるわけで、不思議ちゃんとかがあんな拉致のされ方されちゃったのも、犯人捜しのためですかえ? 被害者なのに可哀想じゃん。不要なCGが多すぎたとか、不自然な小道具も多すぎたとか(いかに怖がらせたいからってあの人形はないでしょう、お嬢ちゃんもともと精神を病んでたって設定になっちまいますがいいんですか? そんな複雑な話にしたくはないですよね?)、霊なのかゾンビなのかはっきりしろいって感じもあるし、輪廻の実験なんてチョイ無理ありすぎとか、「ずっといっしょ」ったって自分殺したオヤジといっしょにいてどーすんだいって思うし、「とにかく怖がってよ~」的なりふり構わぬ演出がどーも過剰で閉口したけど、とにかくオチによって多重世界が収束して満足満足。よくできた話を楽しませてもらいましたわい。
■プリズン■ 天井ぶち破ってズタズタ死体がドッすーん、のとこと、床ぶち破ってグルグル撒き死体がドッかーん、のとこが見どころだな。ああいうのは嬉しすぎですよ。すげーシーンだったと思います。上下から2発でちょうど辻褄合いました。満足っす。鉄条網がひゅるひゅる迫ってくるシーンは怖すぎでした。あの二つに匹敵するシーンが他に一つもなかったのがちょっと残念ね。庭での逃亡シーンも、機関銃がああも外れまくりってのはねえ……、あの状況だともっと死ぬ人数多いはずだと思うし。てことで、建物の怪物化モチーフでは『ホーンティング』に及ばなかったけど、刑務所って設定が勝ってるのと、結局はあの2つのシーンのブットビパワーがひたすら響いてこっちのほうがグッと面白かったな、私には。
■ホーンティング■ やっぱ映画は主演が美人でないと観続けるのつれーなー、って悟ってしまった作品。あっちのサブのほうの女がメインだったらもうちょいのめり込めたかなあ。しかし何かが起こりかけたかと思えばすぐ中断、予兆だけで引っ張ってゆく前半には閉口しましたわ。屋敷の内装が綺麗なのとCGがいいのとで凝視しましたけどね、テンポがほんッと悪い。ちんたらちんたら、ろくに高度もない螺旋階段にぶら下がってみせてくれてもシラケるだけで。そんなんばっか。CGがぶわっと弾けて屋敷全体が波打って、ウム、観る価値あるシーンが3回ほどだったかな、しかしそれぞれが何かふわああと収束しちゃって、間が抜けるんだな。あんだけ盛り上げたら間を置きなさんなって。逐次投入はいかんよ、一気に盛り上げきらなきゃ。だいたい、一度外に出て門を壊して逃げようとした緊迫状況でまたノコノコ館内に戻ってっちゃ観てるほうはダラケちゃうでしょう。石像や銅像のクリーチャーたちも手ぇ伸ばしたり向き変えて威嚇したりだけってのは。ちゃんと歩いて飛び回ってくださいよ。ああいう間抜けなことでは、男が(あの人、最初はジジイか思ってたけどたぶん若いのね?)案の定スッパーン首飛ばされてもちっともショック感じねえ。ビジュアルの良さがストーリーの間抜けさによって際立つどころか浮いてしまって、何とも釣り合いのとれんチグハグ駄作になっちまいましたねと。ま、ヒロインがきっちり死んでくれたのは許せるとしても、二人も生き残っちゃって、結局悪霊は犠牲者によって封じられちまってめでたしめでたしで、顔をひっぱたかれた女と運転手は結局出てったきり終いまで戻らず結果的にうやむやに命拾いしやがるし、てことで計四人も生き残るとは何事だ、結局二人しか死んでねえぞ的不満が爆発した駄作でした。映像はとことんA級っぽかったのにねえ。
■呪いの館■ 色彩がやたら綺麗でさ。『赤死病の仮面』とか思い出しまして。ちょうど真ん中あたりの、女の見た夢なのかな、次々オーバーラップするシーンね、あそこ芸術的でしたね。でも……そこだけなんですよね、見どころは。いかにも昔のホラーって感じむんむんで、せっかく毬を持ってたたずんで怖いはずの少女もねえ、フェリーニの『悪魔の首飾り』て傑作があっちゃ見劣りもいいとこで。しかしこっちのほうが早いんだよね。フェリーニがむしろ真似したんだよね。だからこの映画もっと高評価にしなきゃなんだよね。でも結果そのものでやっぱ評価せざるをえないので。優先権よりも。村人らの抵抗というか、集団謀略というか、そういうのがもっと直接描かれていたら緊迫感が出て評価上がったんだけどなあ。