八ヶ岳山麓スーパートレイルを完全踏破させた後、余韻に浸りながら温泉に浸かり、蕎麦を食べて富士山に向かいました。
今月いっぱい富士山1/2登山の踏破認定書を発行してくれるという企画に乗りました。
「1/2じゃ意味ないだろ」なんていう意見もあるとは思いますが、一合目から五合目を歩いたことがない僕としては行ってみたいと素直に思いました。
「富士山は五合目までが良いんだよねぇ〜」という話も聞いたことがありますが、その通りだと思いました。
さらに森林限界を越えた五合目からの山容もひっくるめて「富士山」なのだと思います。
登ってみて認識しました。
八ヶ岳からの移動は結構時間かかりました。
富士山吉田ルートの「中の茶屋」を目指して車を進めました。
その先の「馬返し」に駐車場があるので、そこから「五合目」まで登るのです。
ところが中の茶屋から先が真っ暗で全くわからないのです。
車で入ってはいけない道のような気がしてナビをセットしましたが、道路自体が存在しない表示です。
スマホのGナビに頼ると、案内されたところに駐車場はない。
何度も行き来するがどうも違うようです。
すべては暗いせいで判断がつかないのだと思います。
2時間さまよって帰ろうと思いました。
こういう時は「登っちゃなんねぇ」と神のお告げなのだと思いました。
女房に電話して帰るかもしれんよ。とだけ言っておきましたが、返ってきた答えは『お布団ほしちゃったからカバーしてないよ』と。
そかそか自分でやってもいいんだけど面倒だな⋯。
『最後に心当たりを探してみてダメならちょっと考えるよ』と言って電話を切りました。
もう一度中の茶屋に行ってみました。
登山道だと思っていたその先は暗くて確認しづらかっただけで、普通に舗装林道でした。
『な〜んだ、ちょっと頭突っ込んでみればよかったな』
苦笑いしながら無事「馬返し駐車場」までたどり着きました。
ちなみに「馬返し」ってどの登山道にもありましてね、ここは吉田口の馬返しです。
安易に馬返しで検索するととんでもない事になるので要注意ですね。
そしてたどり着いた駐車場には僕一人。
そこで星空を撮ってみました。
この写真で開放15分です。
寒い中じっと我慢して待つのですよ。
北極星を中心に15分でこれだけ地球が自転したということですね。
では寝ます。
はい起きます。
と言うより起こされました。
何年もこうして車で寝てるけど、こんな起こされ方したのは初めてです。
広い駐車場の中、わざわざ隣に停めて大声で喋りまくる2人組。
特に気にする様子もなく、普通に大声です。
山来て興奮したのかな?
目覚まし時計がなる前の一番気持ちいい時間に参りました。
なぜか外車でした。
まあいいよ⋯。
気を取り直してスタートしました。
誰も来ないと思っていました。
今年の富士山は五合目より上には行けないから、人気ないと思っていたら後から後からどんどん来ます。
はぁ〜 さすが富士山なんですね。
鳥居の脇に猿が⋯。
ここが一合目となります。
鳥居の両側には猿が祈りを捧げていますが、どうやら富士山が一夜にして湧き出たという伝説があり、猿は神の使いであるとされているからだそうです。
馬返しは「一合目下」ということのようですが、0合目とはどこになるのかな?
調べてみると、吉田口登山道は「北口本宮富士浅間神社」から始まるということで、登山としての0合目はここからになるのかな?
現在は駐車場があるここ馬返し(つまりここから先は車両通行止めとなり、昔もここで馬を降りることになった)麓から登るというこは馬返しから登ると考えて良いと思います。
まず「禊所」。
富士山は「草山」「木山」「焼山」と三分割されていたらしく、馬返しが草山と木山の境でした。
ここから先へ向かう道者(登山する者)は、ここで身を清める習わしがあったそうです。
一合目(標高1,520m)には鈴原社という社があり、16世紀には鈴原社という名前でこの地に社があったことが分かっています。
登山道はほとんど木段が組まれています。
富士山と思えるのは足元の溶岩質の岩や石です。
やはり富士山には独特の雰囲気がありました。
登山道の途中にある石が木の枠に詰まっているところは「浸透桝(しんとうます)」といって、雨などが降って水が流れたときに登山道を侵食しないよう水を地面に浸み込ませるためのものです。富士山は噴火によりできた山で、削れやすい土壌を守る工夫です。
はい二合目。
三合目。
昭和初期ごろまでここには両脇に茶屋があり、まるで御岳山の参道のような雰囲気でした。
(勝手なイメージですよ)
ここでは見晴らしが良かったことから、多くの登山道が脚を休めたということです。
ということで僕も休憩。
陽が差し込み色んな表情を見せてくれます。
この時間このタイミングで通りかかったから目に付いたものですね。
四合目「大黒小屋跡」。
ここは平らに整地されておりますね。
この辺りから四合目だか四合五勺か五合目の文字が入り乱れて来ました。
昔は今の解釈と異なったりしています。
過去には「女人禁制」だとして二合目までとされていた富士登山も、さらにそのまた昔はこの辺りまで許されていたという話です。
ほら、五合目という文字が⋯
写真を拡大して解説文を読んでみると、ふ〜んなるほどと思いますね。
わざわざ着替えたりとかしてたんですね。
でもこの時期の写真にしては良く撮れてますね。それと映っている人の表情は(特に男)今のヤンチャ男そのものだと思いませんか?
今も昔も登山とはそういう気分にさせてくれる(やる気にさせる)力があるのかもしれませんよ。
ここが今でも普通に営業されている「佐藤小屋」です。
麓から登る人の多くはここで一泊します。
現実的に「木山」と「焼山」の境と言えますね。
そこで見た光景がこれ!
そこで見た光景がこれ!
なんてこった。あのまま帰ったらやばかったな⋯ なんて思う瞬間でした。
振り返ると雪をまとった山頂部が見えました。
「小御岳」と呼ばれ、これ以上登ることが出来なかった者は(体力的および体質的に)ここで山頂を拝んだということです。
注)ここに載せなかった小屋や林道を跨ぐなどもあります。
左手に施設が見えます。
あそこは富士スバルライン五合目です。
皆さんが登る吉田口五合目の起点になるところです。
氷も張っていたようです。
でも今の気温は15℃を超えています。
馬ね。
吉田口の名物ですね。
ここから佐藤小屋まで馬に乗るのも面白いかもしれませんよ。
ほらここ、お土産やさんがひしめく五合目駐車場付近です。
ゆっくり登って約3時間。
まったく疲れないペースでここまで来れれば、馬返しから山頂日帰りも出来そうです。
高山病になりやすい人も馬返しから一泊で行けば高地順応できて楽に(体調が)登れるかもしれませんね。
いずれにせよ、これは再び訪れて山頂目指すしかないですね。
歩行距離 13.5km
累計登坂標高差 1,089m
所要時間 5時間30分
23,000歩