台風の被害が著しい関東の山々、一か月ものあいだ休日をダラダラと過ごす羽目になってしまい、ぶったるんだ心と体。
ようやく念願「関東百名山100座目」の神津島天上山に登り復活ののろしを上げたものの、翌週は筑波山で甘ったるい登山とも言えないような気分を味わいました。
さて今週は連休です。
なにかドカンと意義のあるものにしたい⋯。
そこで思いついたのが「六甲全山縦走」です。
縦走は好きです。
出来ればテントで泊まりたい。
そうだ、娘のところ(大阪寄りの兵庫に住んでいる)に顔を出してみよう。誕生日も近いし、しばらく会ってないからどんな風に生活しているのか話を聞いてみよう。
そんな欲張りなことを思いつきました。
慌ただしく準備に取り掛かります。
地図を用意出来たのが出発の前日、荷物をパッキングしたのも前日という状況で、いささか自分の準備の緩慢さにがっかりしています。
さて、この六甲全山縦走とはどんなもんかと言いますと、どうやら関東人にとってはまったく縁のない、そしてまったくわからない地名の連続で、どうやって行くのかすら乗り換え案内のアプリで調べるところから始まるような感じだと思います。
スタート地点は「兵庫県の須磨浦公園」で、ゴールは宝塚駅です。
宝塚は兵庫だということすら曖昧だった僕、こんなんで大丈夫かなぁ⋯。
娘に連絡すると、なんと火曜日水曜日と連休でピッタリ被っていると言うのです。
『来る?』と言われ、『お、おぅ行こうかな』と軽い気持ちで言いました。
そういう訳でこれはもう行くしかない、六甲山に行くしかない。
娘に会いに行きがてら六甲山を全山縦走する。いや、六甲全山縦走したついでに娘のところに行く⋯だな。
それを女房に話したのがたしか出発の二日前だったような⋯。
仕事中に突然思いついたので、空き時間(といってもあまりないですが)にチョロチョロっと調べてみます。
うん、なんとか行けそうとまたまた安易に考えてしまいました。
当初は二日間に分けて縦走するつもりでした。
でも、そうすると娘と過ごす時間を作るのが難しいと思いました。
そして、六甲山から見る神戸のビル街、山と街と海が迫った特殊な感覚を見てみたい、100万ドルの夜景はここではどうなのか⋯。
決めた。
一日で踏破する。
そうなるとすべてを叶えるには、京都一周トレイルの時のように「寝ない」しかない。
まずコースタイムを調べる事から始めました。
調べてみると「六甲全山縦走大会」というものが催されていることを知りました。
参加者は毎年一日に2000人までを予定しているようです。記録の数々を見ていると、速い人で10時間代でだいたい15時間から16時間が一般的なことがわかりました。
地図を開いてコースタイムを拾っていきます。
最初は疲れてないから速いですね、だんだんペースが落ちて休憩や食事も必要になってきます。その辺も考えて時間を組み上げていきます。
するとなんとゴールに着くのが19時間30分後と出ました。
思っているより手ごわいものかもしれません。
ところが、制限時間というものも当然あります。5時の受付スタートからゴールの21時30分、なんと目一杯使えたとしても17時間30分しかありません。
さすが、大会に出る人たちはそれなりの猛者と見ました。
やると決めた以上、リタイアした事がない僕。もう若い時のパワーは無いけれど、我慢強い事だけはけっこう負けないつもりです。
月曜日の夜、定時(18時)に仕事が終わってくれて、駅まで歩きます。
最近覚えたショートカットの道で迷ってしまい軽くタイムロスをしましたが、予定していた3パターンのルート設定のうち一番早いものに乗れました。
みどりの窓口にスマホで調べた画面をそのまま見せて買う、それが一番早く確実だと思いました。前にお客さんが居なくて良かった、ツイてると思いました。
いい旅になるという予感がここではしました。
あくまでも「ここでは」でした。
その2へ続きます。