受法寺本堂建築誌

伝統木造工法により建築中です

浦戸の歴史展

2008年05月08日 | Weblog
 受法寺のある高知市の浦戸地区に伝わる絵金の芝居屏風絵、歴史的な古物、昔の民具、珍しい写真等を展示する浦戸歴史展を開催します。
 受法寺からは、浦戸城鬼瓦・日曜学校・ご本尊入仏法要・先々代住職の葬儀など多くの写真・古物・生活道具を出品します。
 「浦戸の歴史展」は5月11日(日)~18日(日)9時~17時(11日(日)のみ13時開場)浦戸ふれあいセンターで。浦戸ふれあいセンター℡842-2405

受法寺の鬼瓦
 浦戸の受法寺には、高知市文化財に指定される2面の鬼瓦を保存しています。この鬼瓦は大棟の両端に用いたもので、2面1対です。
 額に日輪の入った陽の鬼瓦と、額に三日月を飾った陰の鬼瓦とからなり、日・月の下が鬼面になっている。陰と陽の鬼面は細かい表現に,その違いをみせています。
鬼瓦の銘は陰陽の鬼面とも、左右の側面に陰刻されている。陽の鬼瓦の右側面、そして陰の鬼瓦の左側面に、それぞれ同じ刻文で次のように記しています。
 
 文禄四年霜月吉日 舟冶吾左衛門
 
 また、陽の鬼瓦の左側面と陰の鬼瓦の右側面に,これも同じ1行の刻文があります。
 
 泉州大鳥郡深井郷嶋村
 
 この銘によって鬼瓦の製作年代と製作地を知ることができます。1595(文禄4)年に,今日の堺市深井で,この瓦が焼かれたことがわかります。なお、舟治吾左衛門は瓦工です。
 これらの瓦は、長宗我部元親が1591(天正19)年頃移転した浦戸城のものであったという説と、受法寺の『寺記』『長宗我部地検帳』より受法寺は永正年(1504~21)真宗道場として開かれ、『寺記』『南路志』によって文禄年間(1592-96)に受法寺に改称、その時点での寺の改築の瓦とみる考え方もありますが、真宗寺院では鬼瓦は用いないので、浦戸城の瓦ではないかと推測されます。