Thinking of you

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エリザベスタウン

2005-11-23 19:01:54 | 映画
昨夜、突発的に会社の同僚、女ばかり七人で
仕事が終わってからだから夜の八時ぐらいから始まったそれは、最終のが行ってしまう~まで続けられたのでした。
家に帰ったら日付が変わっておりました
さて、それでもめげずに本日祝日、水曜日は映画館レディスデーの日。
午前中に起きて、映画館へ向かいました(午後からの時間を有意義に使おうと思ったのに、結局2時間も昼寝してしまったよ)。
最後まで、何を見ようか考えていたのですが選んだのは、「エリザベスタウン」
1000円だから、見るかというノリでした。ッてことは、あまり期待していなかったというまあ、恋愛映画が苦手なので……。
さて、これから下はネタバレありなので、嫌な人は読まないでね~。



これは、思いっきりアメリカ映画である。
例えば、公開予定(あれ、公開してりんだっけ?)「SAYURI」が芸者という日本独自の文化を映画化しながらも、主演は中国人。製作はアメリカ、監督はスピルバーグであったりするわけだが。
そして、この物語も何故か主役はイギリス人だったりするのだが。そういう意味ではなくて、アメリカ描いているとでも言うのか。
アクションやら、ド派手な演出で成功を収めたはずのハリウッドが、これだけ上質な家族や、血のつながり(ひいては、歴史)を描けるのは、それがアメリカだからなのだと思う。
都会は、既に寄せ集めだ。そういうイメージがあるアメリカだが、南部の血の濃さというか繋がりというかを濃密に描いた作品とでもいいのか。
この映画は、他の国では作れなかったと思う。
ド派手なアクション映画は、何処の国でも作れる。ファンタジーだろうが、歴史を物語るはずの日本映画だってアメリカで作られてる現状を思えば、国境の意味を考えるのは難しい。
それはいいことなのかもしれないし、グローバル化された世界を憂うつもりもない。
だが、独自の国民性を失うのはいかがなものか。
物語は、単純だ。ケンタッキー州のエリザベスタウンという町出身の男が、その町の兄弟の家で死ぬ。
彼は東京のエレベーターの中で西部の女性と出会い、その足でディズニーランドにいき互いに婚約者がいながらも恋に落ちて西部に住んだのだ。
つまり、恋の相手は悪者だったりする。そのため、彼の妻は夫が死んでもエリザベスタウンにはいけなくて、代わりに息子を送り込む。
それが主人公であり、世界的な靴メーカーを破産させるほど(10億ドル以上)の大失敗をし解雇を言い渡され自殺しようとした寸前に電話で父の死を伝えられたドリューである。
彼は、葬儀が終わったら自殺するつもりで、一週間後に発表されるまでは靴デザイナーとして有名人である身分をそのままにして単身、エリザベスタウンへ乗り込む。が、その行きのの中で、フライトアテンダントのクレアに出会う。その女性というのが突飛な女性で、果たしてあそこまでの女性が居るかどうかは難しい。少なくとも、私の周囲には居ないけれど。
まあ、そんなこんなで周囲の人間が父に愛されていたことが分かり、結局は母も妹もエリザベスタウンに来て、父の死を悼む。
そうして、己の仕事の失敗をクレアに告げたドリューは彼女から分厚い手作りの地図を貰って、父の遺灰を詰めた骨壷と共に己の住む町へドライブすることにした。
……なんか、上手く言えないなぁ。三分の二以上が南部での出来事です。クレアとの出会いもそうだけど親戚やらの濃い血のつながりを表すえエピソード。
いとこの親子や孫の姿もそうだけれど、小さな人間関係や出来事をとても上手にちりばめています。仕事仕事で、クリスマスの家族のディナーまで欠席した自分はなんだったんだろうとドリューは考えるわけです。
楽しくって笑えるエピソードもありながら、号泣はしないけれど泣かせる場面も随所にあったりします。最後は、葬儀が終わって帰るドライブシーンなのですが、確かにいいシーンなんです。結局ドリューが父(遺灰だけど)と生前果たせなかった計画を実現させるわけですが、これはちょっと間延びしたかなぁ。
難しいけど、前半の親族たちとのシーンの中に散らばせた方が良かったかも~とは素人判断ですが……。
サテ、個人的には主人公オーランド・ブルーム。既に世界の若手俳優としての有名人ですが、何故にして彼が主人公なのか。
彼自身はインタビューでイギリス英語とアメリカ英語の違いが……とは語っていますが、字幕を追う身としては分かるはずもない。幾ら、アメリカの若者の格好をしても、あの南部独特の熱さみたいなのは纏えない。
が、上手かったです。ハンサムとして騒がれているのが、惜しいほど。後半のドライブシーンで、彼は百面相をするわけですよ。遺灰の父に語っていわけですが、時に笑い憤り泣く……。
大損失を会社に齎し、夢破れ彼女にも捨てられ、父に死なれるという、どん底の繊細な青年の役を見事にやり遂げたなと思います。
こういう役は、多分これからあまりやることはないだろうなぁ。ハリウッドの頂点走ってますからねぇ。それが、残念な役者かもしれません。
いや勿論、ハリウッドのド派手な映画も楽しいんですけど。
あ、惜しいのは靴デザイナーとして大失敗した後でも、それでもエリザベスタウンの人たちや家族は受け入れてくれるというエピソードがあれば、もっと良かったかも、でした。

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