Thinking of you

旅行記や映画の感想など日々の暮らしを徒然なるままに残しておきます

インド旅行記(3)

2006-09-02 21:18:57 | 旅行
疲れていたのか、空港からホテルまでの行程を実はよく覚えていない。
外は暑いけれど、車の中は快適だったし外の風景は猥雑ではあるが受け入れ難いものではない。
物乞いなどは思ったほどいなかったし、車の交通量の多い道路の近くにテント暮らしの人とかがいることに驚いたかな。
一人二人じゃないからね。うるさいだろうと漠然と思う。
こんな騒音の中に、いくつもテントが並んでいる。あと、子供の姿が多い。子供のほうがお金を集めやすいのかは定かではないが、大人の姿よりも子供が多く感じる。
クラクションには驚くが、不思議なことに結構慣れる。ホテルの部屋からも朝晩うるさいぐらいだったけど、気にならずに寝れた(私ぐらいかしら?)
インド一日目の宿泊場所「ホテルビル・パレス」は、実はガイドブックにも、インターネットにも探せなかったホテル。
場所も良く分からないし(住所は知っていたが、地理的に把握できなかったのは、私が悪いのかしら)、ホテル街とかビジネス街の中なのかなと漠然と思っていたのですが、ちょっと違ったらしい。
高級ホテルではないが(ツアー料金を考えれば妥当か)、ビジネスホテルぐらいかな。リフォームしましたよって感じだけど、エレベーターがフランス映画に出てくるような鉄の柵みたいなのを自分で閉めるやつだった。それが楽しくって、二階の部屋なのに、よく使った。
部屋は角部屋でダブルベッドと、ソファーセットにテレビにクローゼット。思ったよりもきれいだったし、エアコンもOK。
バスルームも古くはあったけど、許容範囲の清潔さ。
フロントは、人懐っこいお兄ちゃんと、ちょっと冷たそうなお兄ちゃんの二人に、何人か待機してくれているって感じ(チャックインの時は)。
Hさんは、明日朝11:10AMに迎えに来ることと、夜には外には出ないようにと夕食はホテルで食べてくださいと言って、さっさと帰って行きました。
おい、それで説明終わりかよ?の気分だったんですが~(苦笑)
部屋でちょっと休んでから、フロントで両替。出歩くなといわれれば出歩きたくなるのは私だけではないはずで。ついで、夕方5時とはいえかなり明るい。
人懐っこいほうのお兄ちゃんに、繁華街を聞こうとしたが「繁華街」の英語など出るわけも無く、困ったなと思ったら勝手にバザールの場所を教えてくれました。
舗装されてるわけではないけれど、バックパッカーが泊まるよりは良くて、でも高級ほどではないそこそこのホテルが、周囲に結構ある。
一人で道を歩く時はなるべく荷物を持たずに、現地に溶け込むようにを基本にしているけど、インドの女性はほとんどがサリーを着ているので、Tシャツ・ジーンズでは観光客であることはすぐに分かってしまう。中国では中国人の振りが出来たが、さすがに難しい。だいたい、女性はそんなに多くない(想像していたよりは多かったけど)。
でもポケットに財布。お腹にパスポートを巻いて(やはり、これは基本でしょう(笑))手ぶらで歩くと、なかなか判断が難しいのか、そんなにしつこいリキシャ勧誘にも会わずに済みました。バザールといっても、縁日の屋台が並んでいるイメージか。日本人の女の子たち数人のグループとすれ違ったけれど、あちらはリキシャの勧誘が大変そうだった。
一人だと、話さないから日本語で声をかけても無視すれば韓国人か中国人かも分からない。本当にしつこければ、「ノーサンキュー」か「ノー」と強く言う。後は、思いっきり無視。
一時間ぐらい、サクサクと歩いてみる。何か買ってみたかったけれど、相場も分からないし、インド一日目にしてお腹壊すのも得策ではないと諦める。すごく残念。
思ったよりも牛はいないし、子供たちが「ハイ!」と声をかけてくれて「ハイ!」と返すのは、どこのアジアでも同じ。
確かにきれいとは言えないけど、世界で一番清潔な国は日本だろうと思っているので、こんなものかぐらいかな。
お腹が空いてきたが、外で食べるのを渋々諦めてホテルに戻る。どこかの旅行記で読んだけれど、レストランというよりも宴会場の個室みたい。私が行くまで電気もエアコンも着いていなかった。
本当にここ?とフロントに確かめるもここだっているし、エアコンと電気とテレビをつけてくれたので、とりあえず入って席に着く。
う~ん、飾りつけとかまったく無い定食屋さんのイメージかな。英語のメニューは読めないので、読める範囲での注文(笑)タンドリーチキン、ハーフとナン。これが正しい注文か分からないけど、十分でした(本当は、カレーとかつけるのが普通かな)。
その後、白人のおじさんたち二人が入ってきて、ビールとか飲んでたけど飲む気にならず、お金払って出てくる。
(某ガイドブックにチップはいらないって書いてあったけど、チップがこんなに必要な国は初めてだと思うぐらい、いろんなところでチップを払った。まあ、そういう旅行をしたって言われれば、それまでだけど。日本人には難しいかも)
部屋に戻り、シャワーが思ったよりも温かったけど、暑かったのでOKにして、エアコンを効かせて、なぜか日本でも見ていたアメリカのテレビドラマLOSTを見る(英語だから、分からないけどね)。おお、日本よりも進んでる~(笑)
テレビのチャンネルは、すごく多い。分からない言葉(ヒンズー語?)と英語の番組。テレビを見る限りでは、受け入れられる内容。インドのシャンプーのCMだったり、携帯のCMだったり。
さらさらヘアのCMは理解できるし、多機能の携帯のCMも理解できる。
日本のアニメもやってるし、そこには受け入れられるものが在る。
西洋文化で生きている人もいれば、テントで寝ている人もいる。日本のアニメも放送していれば、野良牛も野良犬もいる。
そこにただ、在る。多分それがインドなんだと、インド第一日目にして思ったのでした。

インド旅行記(2)

2006-09-01 00:24:57 | 旅行
インドの首都、デリーに着いたのが夕方5時過ぎだったにもかかわらず、第一印象が暑い!でも、最近はカナダ以外は暑い国ばかりなので、空港独特の熱風というのは、結構好きかも。
出迎えてくれたのはHさん。ちょっと見、ハーフの方かなと思ったけれど、生粋のインド人(この言い方も変だなぁ)だそうです。
で、歩いてすぐの駐車場に案内されて、セダンタイプの車に乗り込む。
あれ?成田で他に二人いらっしゃるって聞いたんですが?と尋ねるが、私だけだという。ちょっと、怪しいなと思うが旅行会社は合っているので、???のままホテルへ出発。
運転手さんは英語もあまり話せないようで、ガイドのHさんと後ろの座席で説明を受ける。
といっても簡単なもので、名前と何かあったときのための携帯電話番号とスケジュールの確認。
「これから、帰国までずっと一緒です」と言われたときには、さすがに驚いたけど。
飛行機は別だけど、同じツアーの人たちと明日の朝とかに合流。バンとかに乗って団体で観光するという認識だったんだけど、違うらしい。そういえば、タイやベトナムも1グループ(つまりは私たちのグループだけ)にガイドさん一人だった。
3月の中国旅行で団体でバンに乗って回った印象があって、個人参加でもツアーだしと楽観していたのだ。ああ、友人がトルコに行ったときも一人参加だったけど、他のツアー客と仲良くなってという話を聞いていたし、無意識にそういうイメージを作っていたらしい。
これは、正直、かなり焦った。今回の旅は、かなり欲張りなもので五泊中ホテルは三泊(もちろん、全部別)列車二泊という強行軍。ついで、ここ最近は同じホテルにずっと宿泊して出歩くというパターンだったため、五泊全部違う場所で泊まるのは…何十年ぶり(それは大げさだけど)って感じ。
実は、自由時間もあまり無いのだ。う~ん、うざったいかもというのが本音。
Hさんは、髭のよく似合う好青年なイメージ。東京に半年、京都に半年仕事(会計関係が本業らしい)いたとのことで、日系企業相手にしていることもあって、日本語はかなり流暢。漢字も読めることが自慢らしい。
いやもう、うざったいという第一印象はともかく、彼には本当の世話になったのでした。(詳しくは後日の旅行記で)

さて、車の中のやり取りはともかく、空港からデリー市内まで…どのくらいだろう(笑)
一番驚いたのは、交通法規など有って無きが如しの車の流れである。車線?なにそれ?みたいな。クラクションは鳴ってないときが無いみたいに、うるさい。
割り込みどころの騒ぎではない。ここ、二車線じゃないの?と思うところを三台の車が走り、リキシャ(自転車やスクーターに籠をつけたようなもの)が間をすり抜けていくという…絶対、インドでは運転できないと思った。
そして、最初に普通に道路に牛を見たときは驚いた。もっと、やせて貧相なイメージがあったけれど、デリーの牛は結構堂々としていた。白かったので、怖いというイメージは無い。車の中だったせいもあるだろう。
デリー市内に入ると、さすがに人が多くなってくる。当たり前のように、テントやらで生活している人も、信号機で止まるたびに、小学校にも上がっていないような子供が物を売りに来たりする。独立記念日が近いせいか、車のフロントに飾るようなインド国旗が多かった。
インドで、一番難問だなぁと思っていたのが、これである。
正直、始めてみる人はこれに驚くのではないかと。
日本にも、ホームレスの方が多くなったけれど、そういうレベルではない。どう考え、対処するかは個々の判断によるだろうけど。
まだ、二十代前半の海外旅行、二回目か三回目のころ、ロスに行った事がある。その旅行のオプションで、メキシコのティワナへ行った。
そのときのガイドさんの言葉が、私には忘れられないんだけど。
富める国アメリカからの観光客に対して、本当にたくさんの子供たちが取り囲むでしょう。
お金は、恵まないでください。それは、その子達のためになりません。ただ、何かを買った代価としてお金を与えるなら、かまいません。
何もしないで、お金を恵んでもらうことに慣れた子供たちに未来はないのですから。
…私は、今でもこの言葉を実践している。だが、カースト制度がなくなったとは言われているが、無くなってはいませんと言い切ったHさん。カースト制度の下で、メキシコの子供たちへの言葉が通じるかどうかは分からないというのが、実感だった。
カースト制度は無くなっていませんと、言い切ったかなり高い地位にいるだろうHさんは、それでも人類は平等だと思いますとも言い、心の中に大きな矛盾を抱えているようだった。
その矛盾を抱えている彼を、信頼できるかなと思った瞬間でもあった。
ま、でも、日本人とインド人の価値基準がそもそも違うので、その信頼もどこまで通じるかは疑問だけどね。

…おかしい、まだホテルにも着かない…。