楽しいブログ生活

日々感じた心の軌跡と手作りの品々のコレクション

四方田犬彦氏の「四方山話」その2

2017-02-13 21:15:02 | 映画、演劇、コンサート
四方田犬彦氏に関してはこちらご参照ください。
お話する機会があると分かっていたら、わくしだって多少は調べて臨みましたものを、まったく氏に関しては無知で申し訳なかったと反省してます。
それでも、本人の醸し出すインテリジェンスは隠しようがなく、黙って座っててもその圧は伝わるものですね。
かと言って決して上から目線の御仁ではなく、非常に気さくで何か頼りがいのある素敵な「オジサマ」という感じでした。
(でも、確認したら、わたくしの方が年上でしたけど(^m^〃)

さて、わたくしは小学校の時、赴任してきたハンサムな先生に「尊敬する作家はいるか?」と聞かれて「白土三平」と答えた覚えがあります。
現在はあまり作品を目にすることはありませんが、「カムイ伝」「忍者武芸帳」大好きでした。
で、四方田氏は作品一つ一つを詳細に解説するやり方ではなく、白土三平の60年に渡る漫画製作の大きな流れを・歴史を描いた時期 ・神話に軸足を移した時期というふたつに括って、自身の広範な知識を交えながら、その世界を翻訳してくれたというところでしょうか。

何しろ、いきなり日本神話から話は始まりました。

「古事記」によれば、オオゲツヒメ、大宜都比売神(おおげつひめ)は「偉大なる食物の女神」の意味で、粟(阿波)国の国神となる女神だそうです。
ゲとはケ、食物の意味らしいです。そして、見るなと言われていたのにそっと覗き見たところ、自分の食事を準備をするに、オオゲツヒメが口やお尻から食べ物を出していた姿を目撃したスサノオノミコトは腹を立てて彼女を殺すのですが、切り刻んだ身体から蚕や、稲の種、粟、小豆、麦、大豆が生じたとなってるそうです。
また、ゆかりの神社として、名西郡神山町の上一宮大粟神社、徳島市の一宮神社、鳴門市の阿波井神社があり、順に訪れてお参りしたいとも仰ってました。
さて「カムイ伝」に代表される「歴史の時代」は一直線でひたすら前へしか進めないという特徴を持っているが、「神話の世界」は循環再生の物語だと分析されてました。
「神話の時代の作品」はわたくしはあいにく読んでおりませんが、「セドナ」はイヌイット神話を題材にアザラシや海の生物の起源を、「ナータ」は北米インディアン神話を元にトウモロコシの起源を描いているというお話でした。
ただ、「忍者武芸帳」や「夜叉姫」にも死と再生は繰り返し描かれており、仲の良かった水木しげるの「鬼太郎夜話」とも通じると生まれたばかりの鬼太郎の姿が“お客さん”でプロジェクターに映し出されておりました。
そういえば、「カムイ伝」ではこちらもわたくしの大好きな小島剛夕が作画を担当をしていた時期があったそうで、わたくしが惚れていたクールで流麗な描線はどちらの手によるものだったんでしょうか?
いずれにしても、懐かしさと知的好奇心をくすぐられた有意義な講演でした。
ほんのさわりだけとなってしまって恐縮です。
そして、映画の話はまた延期。( ̄ω ̄;) スマヌ
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四方田犬彦氏の「四方山話」

2017-02-12 22:53:10 | 映画、演劇、コンサート
本日、四方田犬彦氏の「白戸三平の作品世界」と題する講演会が北島創世ホールであって、午後二時半からということだったのですが、午前中、ネット予約しておいた「ドクター・ストレンジ」を観て(これについては明日お喋りする予定です)早めに会場に入りますと、たまたま元創世ホール館長(現在も嘱託で企画を担当してますが)の小西さんに会ったので挨拶しましたら、何だか当然のようにどうぞ、どうぞと案内してもらったのが、本日の講演講師の四方田氏がいらっしゃる控え室。びっくりですわ。
2、3人男性がテーブルについてて、ひょいとみると一人はFB仲間のTさん。ところが、遅れて部屋に入ってきた男性を見て「ありゃ」。同級生のOさん。彼も夕べ、Tさんたちと四方田氏を囲んでの飲み会に行ってたそうで、あいかわらず徳島県人てすぐ繋がるという事実を確認したのでした。
で、講演の話は次回に譲って今回は講演の前に四方田氏と雑談した中での面白話を少しご紹介。

★大島渚監督の「愛のコリーダ」主演は藤竜也ですが、佐藤慶が「これは僕の役だ」と狙ってたらしい。
★相手役の女優には「太地喜和子」も候補としてあがってたのだが、実は彼女は「愛のコリーダ」の冒頭に出演している「殿山泰司」共々新藤兼人監督のお抱え役者的色合いが濃かったので、却下となったとか・・・
★難航する女優選びに、奥さんの小山明子が「私でよければ協力する」と申し出たけど、これもさすがに却下とか
★老乞食役の「殿山泰司」は冒頭で行き倒れてふぐりも見えており、それを紀元節を祝うために持ってた小さな日の丸の旗で子供がつつく場面があったのだけど、カットされたらしいとか
★大島渚監督は女を撮るのに慣れていないので、「キャタピラー」等の前にはピンク映画で名を馳せていた「若松孝二監督」を製作に呼んだとか

★アウシュビッツを訪ねると当時囚人たちが食べていた食事を無料で食べさせてくれる食堂があるらしいとか

思い出したら、また追加しときます。今日は眠くて頭が働かない。
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「この世界の片隅に」見て来ました

2017-01-29 23:01:07 | 映画、演劇、コンサート


この作品はクラウドファンディングの作品だということで、その言葉を調べました。

ある目的、志などのため不特定多数の人から資金を集める行為、またそのためのネットサービスのこと。大衆(crowd)と財政的支援(funding)を組み合わせた造語であり、ソーシャルファンディングとも呼ばれる。クラウドファンディングの実施者は、インターネットを利用して不特定多数の人々に比較的低額の資金提供を呼びかけ、必要とする金額が集まった時点でプロジェクトを実行する。

見たいと思ってた映画で、現在ユーフォーテーブルシネマで上映中ということを本日の徳島新聞の週刊阿波っ子タイムズで知り、行ってきました。
前回訪れた際には観客はわたくしひとりだったという小さな映画館ですが、今回はほぼ満席に近い賑わいでした。

良かったですね。もう一度観に行っても観賞に耐える作品です。
しみじみと優しい世界がてらいなく拡がります。
友人になら「まあ、見てきたら?わたしはお薦めするワ」と言いますが、世代によって受け止め方が違うかもという感触は持ちました。

個人的に感じたこと、ランダムに列記してみます。

・モブシーンで人々が歩く速度がゆっくりなんですね。現代人は忙し過ぎて常に早足で歩いてるのかもしれません。
・程よい数の伏線が丁寧に拾われていて、まあるく世界が収斂します。
・絵を描くのが好きな(うまい)主人公すずが爆撃で右手を失い、突然不自由な身体になってしまうのですが、そのこと事態にうらみつらみの感情をぶつける様子はなく、従容として受け入れているように見えるすずの柔らかく強い生命力に喝采を送りたくなります。
・すずが嫁いだ広島県呉市を夫が「クレというのは九つの霊峰に囲まれた土地だから」と説明します。わたくしには初耳学です。

世の中には色んな性格の人間がいて、中には「わたしが、わたしが」と常に人の前に立ちたがる人間もよく目にしますが、それはそれでそうしたお役目を果たしているんだろうと解釈してます。
でも、感情的には、幼馴染がすずをちゃんと普通に生きてると評したような普遍的な慎ましさを持つ人間の方に敬意を表します。
つまり、自然と自分を内省させてしまう巧まぬパワーを持った作品じゃないかと言う風なことも感じたのでした。
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「スター・トレック BEYOND」観てきました

2016-10-26 23:36:48 | 映画、演劇、コンサート


「イントゥ・ダークネス」の方がわたしには面白かったです。
カーン役のベネディクト・カンバーバッチがカッコ良かったし、見せ場があり、魅力的だったスポックとのバトルに迫力があって、満足して帰って来た記憶があります。

今回は、結果から遡って、(友人の個展があるから覘きに行っとかなくっちゃ)くらいの軽い気持ちで臨んで、その軽さを裏切る収穫は少なかったように思います。

ただ基本的におしゃれな男女のラブストーリーものより、SFなら安心して気を許して観れるという嗜好の持ち主なので、料金、時間共もったいないということはありません。それなりに楽しんで参りました。

いつものようにネタバレありで気ままなお喋りです、あしからず。

あらすじとしては、
見知らぬ星系から遭難信号を受けたカーク達は、救助に向かうが、交信不可の星雲の中へと誘い込まれてしまう。そこに待ち構えていた正体不明のエイリアンに、エンタープライズ号は破壊され、クルーはポッドで全員脱出、近くの未知の惑星へと不時着する。

クルー達は、バラバラになってしまうが、スコッティはジェイラーという惑星の女戦士に出会い、合流した他の仲間たちと敵のアジトにとらわれたスポックの恋人、ウフーラの救出に向かう。

エイリアンのボスは、クラールといい、カークが異星人同志の平和条約に立ち会って贈り物として渡そうとした古代のオーパーツ「アブロナス」を探していた。

実は古代に作られた生物兵器であった「アブロナス」を手に入れた、クラールは、宇宙連邦最大級のヨークタウン基地(都市を内包した巨大な宇宙ステーション)を破壊しようと惑星を脱出する。カークたちも後を追い、何としても破壊を食い止めようと両者の死闘が繰り広げられる。

いやー、やっぱり巨大な宇宙船が縦横自在に宇宙空間を飛び回るシーンというのは快感です。
今回はジェイラーという惑星の女戦士が強くて美しく、魅力的なキャラでした。
期待したスポックは怪我をしていいところなし。
エイリアンの武器が襲い来るシーンにマトリックスを、ジェイラーのメイクにスターウォーズを思い浮かべてしまったのは、SF共通の演出故ですよね。
全体にアナログと最先端テクノロジーが微妙に入り混じってるなあという感覚がついてまわりました。
意味が読み取れない映像がちょくちょくあるのですが、それがかえって物語を深くしている要因にもなっているんだろうと思います。

転送、ワープ、パラレルワールド、SFの世界ではあまりにもお馴染みのシーン。
わたくしにははるか昔から当たり前の現実。お約束の娯楽作品だから、それは望めないけど、贅沢言えば、発想の斬新さに身震いするような、怖いSFが好みです。
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海野十三の講演会

2016-10-16 22:52:35 | 映画、演劇、コンサート


9月にチラシをこのブログにも貼り付けましたが、本日、文学書道館で徳島ペンクラブと徳島県民文化祭委員会の主催で海野十三の講演がありましたので行ってきました。



貼り付けましたプログラムに従っての進行で、そのスタッフ、来賓やお客様の中に見知った顔がたくさん見受けられました。
さて、小西さんの講演の内容は海野そのものの小説の解説ではなく、北島創世ホール館長だった時代からその知遇を得たゆかりの人たちとのエピソードの披露といったもので、長年培ってきた人的財産の一端を垣間見るものでした。

旭堂南湖さんは13年ぶりの文学書道館での講談ということだったんですが、わたくし、確か以前に南湖さんの講談聞いたことあるんですよね。
え~、13年も前になるのか?記憶が定かでありません。
せっかくなので、ちょいと彼のプロフィールを覘いてみましょうか。こちら

ひょんなことから講談の道にはまってしまったとの自己紹介も少しありましたが、確かに芸の道なんでしょうね、人をひきつける匠の話術には飽かず鍛錬を積む情熱が不可欠、そこら辺が想像できるようなエネルギーに満ちた講談でした。

余談ですが、「恋の浮島」、昨日のブログに少し文章追加してあります。
また、当たり前の話ですが、友人に教えてもらってスマホにインストールしたiScanner(アイスキャナ)、便利だと喜んでいたのですが、影とかは修正してくれないんですね。そこまでは望めないか。


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