全ては与えられている

赤ちゃんを見ていると、体を、とても、楽しんでいるなあと思う。
手を、じっと、見ていたり
何かを持って、ふりまわしてみたり
声を出してみたり
のどの奥にたまったつばを、がらがらと音を出してみたり

見えること、手を動かせること、脚を動かせること
歩けること、持てること

体があることが、嬉しいのだ。

大人になると
お金がないと楽しくなかったり
おいしいものがないと楽しくなかったり
理想の体じゃないと嫌だとか
何かがないと楽しめなくなって、不満をもったりしてしまうけれど・・・

でも、確かに、この体こそ奇跡
何も努力しなくても、呼吸が起きてきて
心臓が動き
聞こうとしなくても、音は耳にはいり
食べ物を口に入れると、口の中が動き
食べ物は砕かれ、食堂をとおって、胃に届き・・・
数え上げたらきりがないほどの奇跡の上に、奇跡が重なっている。
誰が、その軌跡を起こしているのか？

赤ちゃんは
地球に生まれた
体をもっている奇跡を、忘れていない。

ああでなくてはいけない。
これがなくては、欲望はきりがないけれど
この計り知れない奇跡を、ちゃんと確認してみると

全ては与えられている。
いつだって、完璧に、幸せだ。