米軍横田基地(東京都多摩地域)の工事で発生した土砂を12日、地元自治体などの反対を押し切って米軍が埼玉県所沢市の所沢通信基地に搬入しました。市内の平和・住民団体が抗議するなか午前10時前、搬入口となった同基地南西の仮設ゲートに最初のダンプカーが到着しました。
所沢市や市議会、市内の各団体でつくる基地対策協議会は、「通信業務以外で運用することは返還が遠のくことにつながりかねず到底容認できない」として防衛省に2回にわたり「即時」中止を要請。市議会は3月29日、中止を求める意見書を衆参両院議長と政府に提出していました。
米軍は、滑走路外周道路の付け替え工事で発生した土砂約3万7000立方メートルを、所沢通信基地に1年間かけて搬入する計画。搬入場所は基地南西の法務局、簡易裁判所、小学校、保育園などのすぐ北側の敷地で、1日最大240台のダンプカーが行き来します。
工事は、横田基地の離着陸回数増加による外周道路の渋滞解消とともに、昨年配備された空軍特殊作戦機CV22オスプレイの専用施設建設のための搬送路としての使用を前提としています。所沢通信基地への土砂搬入は横田基地の強化と一体のものとなっています。