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改憲断念させる国民の審判を ― 参院選と憲法

2019-07-06 | 「平和」・「人権」・「国民主権」を守る規範「日本国憲法」を破壊させない

 公示された参院選では、憲法問題が大きな争点になっています。9条改憲に執念を燃やす安倍晋三首相(自民党総裁)は第一声で、憲法を議論する政党か、議論しない政党かを選ぶ選挙だと公言し、改憲を争点に掲げて参院選をたたかう姿勢を鮮明にしました。

 主権者・国民が望んでいない改憲を、首相の執念だけで強行しようというのは、憲法で権力を縛る立憲主義を破壊するものです。参院選で安倍政権と与党の自民・公明など、改憲勢力に厳しい審判を下し、安倍首相の改憲への野望を完全に葬り去りましょう。

最良の対案は現行憲法

 安倍首相と自民党が目指す改憲は、憲法9条に自衛隊を書き込むことが大きな柱です。自民党の改憲素案は、自衛隊を明記したうえで、その行動は「法律で定める」としています。自衛隊の明記は、憲法の平和主義の根幹である9条2項の戦力不保持・交戦権否認の規定を空文化・死文化させます。そのうえ、国会の多数派が法律さえ通せば、武力行使のための自衛隊の海外派兵も、他国に壊滅的な打撃を与える限度のない軍備拡大も可能にします。

 安倍首相は公示前から、憲法を“議論する党か、議論しない党かを問う”と繰り返してきました。公示前日の日本記者クラブでの党首討論会で、「自衛隊の存在を憲法に位置付けることは防衛の根本だ」と言い切ったように、9条改憲が首相の目指す改憲の眼目であることは明らかです。

 首相が狙った自民党改憲案の先の国会での提示ができなかったのは、国民の改憲反対の世論と運動があったためです。改憲のための衆参の憲法審査会が開催できなかったことを問題にする、首相の姿勢にまったく道理はありません。

 もともと、安保法制=戦争法の強行など憲法破壊の政治を繰り返したあげく、憲法尊重・擁護の義務も、三権分立の原則も踏みにじって改憲の旗を振り続けてきた首相に、憲法を語る資格はありません。首相は、野党に憲法を議論するための「対案」を示せといいますが、最良の対案は憲法そのものです。現行憲法を守り、生かすことこそが必要です。

 参院選公約で自民党は、自衛隊を明記するなどの「憲法改正を目指す」と打ち出しています。公明党も憲法「改正」を否定しません。日本維新の会は独自の改憲案を示し、「9条議論の前提として国立追悼施設の整備」を主張します。

 日本共産党など5野党・会派は、「安倍政権が進めようとしている憲法『改定』とりわけ第9条『改定』に反対し、改憲発議そのものをさせないために全力を尽くす」との共通政策に合意して参院選をたたかいます。市民と野党の共闘の勝利と日本共産党の躍進で、自民・公明などの改憲勢力を少数に追い込むことが不可欠です。

憲法生かした平和外交を

 日本共産党は、安倍9条改憲を断念させ、「戦争をする国」への歯止めなき暴走にストップをかけるとともに、憲法を生かした平和外交への道を提案しています。この日本共産党の躍進こそ、改憲を阻止する最大の保障です。

 最近の共同通信の世論調査でも、安倍首相の下での「憲法改正」に反対が、50%を超えます(6月28日付各紙)。参院選での改憲阻止の審判が、ますます重要です。


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