Q 国連は無力なのでは?
A 大国の無法を包囲する方向へ進化
Q 国連は無力なのでは?
A 超大国の無法を断罪、包囲する方向へ進んでいます。
ウクライナ侵略直後の2月25日、国連安全保障理事会にロシアの侵略を非難する決議案が提案されましたが、常任理事国のロシアが拒否権を行使したため否決されました。しかし、安保理が動かなくても、国連の諸部門はウクライナの国内外で子どもや女性、避難民を救うなど多面的な活動を行っています。
国連総会は緊急特別会合で(1)ロシア軍の即時無条件撤退を求める(3月2日)(2)国際人道法の順守を求める(同24日)の2回の決議を、加盟国の7割を超える140カ国以上の賛成で採択。一握りの大国が世界を動かすのではなく、多数の非同盟・中立の国が国連憲章に基づく平和秩序の回復へ議論をリードする時代にきています。
同時に日本共産党は、国連が現状のままでいいとは考えていません。安保理常任理事国の特権を見直し、国連総会により強い権限を与える方向での改革が必要です。4月26日にリヒテンシュタインが提起し採択された、常任理事国が拒否権を行使した場合に国連総会での説明を義務付ける総会決議は改革方向の一つといえます。
歴史の流れを見ると、戦後、植民地体制の崩壊で新たな主権国家が100以上増え、国連に加盟しました。その結果、大国である旧ソ連のアフガニスタン侵略、ロシアのクリミア併合、アメリカのグレナダやパナマ侵略などに対する非難決議が国連総会で採択されました。ジグザグや逆行はあっても大局的には「戦争のない世界」へ動きつつあります。
米国、旧ソ連・ロシアに対する国連総会の非難決議
ソ連のアフガニスタン侵略(1979年)
米国のグレナダ侵略(83年)
米国のリビア攻撃(86年)
米国のパナマ侵略(89年)
ロシアのクリミア併合(2014年)
ロシアのウクライナ侵略(22年)
— しんぶん赤旗より —