感染症対応の急性期病床など
全額国費の補助金で医療機関を統廃合や病床削減へ誘導する「病床機能再編支援」にかかわって、新型コロナウイルス感染症対応の中心となる急性期病床などが、2020年度分で約3400床の削減となったことが厚生労働省の調べで分かりました。コロナ下でも「医療費抑制ありき」の自公政権の姿勢をむき出しにしたものです。
再編支援は、25年までに高度急性期病床と急性期病床を計20万床減らすという「地域医療構想の実現」を狙ったもの。20年度限りの「病床ダウンサイジング支援」(全額国費84億円)として創設されましたが、21年度に現在の名称に改め、予算額は2倍超(同195億円)に増額。先の国会で再編支援を法定化し、全額に消費税財源を充てる法改悪が成立しています。
厚労省がこのほど発表したのは20年度分の実績(計画分含む)。急性期病床の削減が最も多く、医療機関単独の削減と統廃合での削減が計2404床でした。長期入院向けの慢性期病床の削減を含めると計3401床減でした。看護体制が急性期より薄い回復期病床や介護医療院への転換分を除く2846床減を対象に、33道府県143医療機関に計56億7千万円を交付しています。
厚労省はこれまで、急性期病床で特に看護体制が手厚い「7対1病床」(患者7人に看護師1人)の認定基準の厳格化や診療報酬の総額削減を続け、医療機関に体制縮小を迫ってきました。7対1病床はピーク時の14年時点から19年までに3万8千床減っています。
病床削減に固執する自公政権に対し、日本共産党は地域医療構想の中止を何度も要求。医療ひっ迫を再び起こさないため、感染症病床や救急・救命体制への国の予算の2倍化、医師の削減計画の中止・「臨時増員措置」の継続を訴えています。
— しんぶん赤旗より —