『チョコレート・アンダーグラウンド』 アレックス・シアラー/作 金原瑞人/訳
※ この本を読んで リンゴさくさく気分になる・・・という訳では 決してありません ※
イギリスのある町で 「健全健康党」が選挙で勝利を収めた。
「健全健康党」の支持者が多かったからではない。
無関心に投票しなかった多数票が 意図せず 「健全健康党」への支持につながったということだ。
「健全健康党」は なんと「チョコレート禁止法」を発令した。この国からチョコレートもキャンディーも
ガムも蜂蜜も お砂糖のついたシリアルも排除され、党指定の食べ物しか買うことも売ることもでき
なくなったのだ。
そこで立ち上がったのが 二人の少年、ハントリーとスマッジャー。
彼らはただチョコレートを食べたかったからではなく、おそらく自由をも取り戻すために 意思をつらぬ
いたのだと思う。食べる自由も食べない自由も含めて 選択の自由を。
彼らの行為は 法には反していたけれど、力強く、人の心を動かすに十分な思想があった。
ハラハラしながら 彼らと共に 自由を勝ち取った気分。
そして チョコレートを自由に食べられる環境を 思いっきり味わいたい読後感でした。
普通の単行本より厚さがあるので 読む前は「えいっ!」の気持ちが必要でしたが・・・
読み始めると あっという間に飲み込まれてしまいました。
「健全健康党」のお陰で 我が家に浸透した挨拶があります。
さようなら の代わりに使う 「健全健康党」の定めた挨拶です。
それが、「リンゴさくさく気分を!」「ジューシーオレンジ気分をどうぞ!」「どうぞバナナを!」
文字もチョコレート色というこだわりで 子供にも楽しい1冊です。
マンガになり アニメーションの映画も公開されていたようです。(→*)