学生時代に大変お世話になったW.V部O先輩から連絡が入ったのは先週の初めでした。
その時点で、W.V部同期のT氏と同じ週の木曜日に宝満山に登ることはほぼ決まっていました。
また、山岳会の方からも “土曜日に坊ヶヅルでテント泊” のお誘いもありましたが、ここは申し訳ないけど山岳会のお誘いはパスして、宝満山登山とO先輩とのテント泊に全力を注ぎます。
宝満山登山の準備は日帰り山行なのでザック・登山靴・帽子・タオル・雨具・ウインドブレーカー・着替え・おにぎり・水それと頂上で淹れるためのコーヒーセットくらいです。
それに対し、テント泊の準備は大がかりです。
ましてやお世話になった先輩とのテント泊ですから抜かりが無いよう万全を尽くします。
自分が寝るテントやシュラフはもちろんのこと、数人が座れるイスとテーブル、酒、酒の肴、朝食の食材、米、コッフェル、食器、バーナー、取っ手を修理したクーラーボックスetc、etc…
持って行くものは相当な量になってしまいました。
『コレもお世話になったO先輩への、私が今できる恩返し!』
吉野桜を見に行った際を越える荷物を愛車に積み込みました。
イザという時にはキャンプ場の近くに大型ショッピングモールもあるので、何とかなると覚悟を決めて出発しました。
キャンプ場の駐車場で数年ぶりにO先輩と再会です。
O先輩は学生時代とほとんど同じ姿と格好をされていて、一瞬にして40数年前に戻ったようです。
その後は同期のI氏とその奥様、先輩のE先輩、さらにO先輩と同期のU先輩、更には学生時代に親交のあった他県の山仲間(女性)もO先輩の顔を見に差し入れを持って駆け付けました。
O先輩の人望の深さをあらためて感じた私でした。
それぞれに歳を重ね、皆、味のある顔になっていました。
暗くなる前にテントを設営し、夜の宴の準備を始めました。
呑めずに帰らなければならない方もあり、盃を交わしたのは4人でしたが、本当に楽しい一時でした。
これみよがしに同期のLINEに夜の宴闌の写真をI氏が送ったのでしたが…
「チョット、ホラーだよ!」
と、すぐに仲間からの返信が届きました。
…
楽しい時間はアッという間に過ぎていきます…
…
何時頃に自分のテントに潜り込んだか覚えていません…
外が白みかけた頃、テントに当たる雨の音で目が覚めました。
40数年前に、O先輩の下宿に泊めてもらい目覚めた時と錯覚してしまうような朝でした。
雨が小降りになった頃合いを見て、先輩と私はテントを撤収しました。
何もかもがキレイに片付いたキャンプサイトは、昨夜の事がまるで夢の出来事だったかのように静寂さの中にありました。