何度か車道を横切りながら、爽やかな朝の登山道を2人で登っていきました。
懐かしい学生時代の山の思い出や大変だったベトナム脱出劇の話、帰国後の自転車の旅やこれからの夢の事など、時間を気にせず話しながら歩きました。
途中、こんな看板も見つけました。
40数年ぶりに旧友と登った宝満山は、昔を懐かしむ山行であると同時に、仲間との繋がりを再確認する山行でした。
『宝満山を登るカエル』の看板です。
注意して登山道に目を落とすと、1cmにも満たない小さなカエルが必死に山道を山頂に向かい登っているのです。
注意して登山道に目を落とすと、1cmにも満たない小さなカエルが必死に山道を山頂に向かい登っているのです。
小さな体でカエルにとってはとてつもない高さの山に挑戦している姿に、自分たちの姿を重ね、しばらく2人で見守るように見入ってしまいました。
コースタイムの2倍以上の時間をかけて、私たちもゆっくりとゆっくりと登っていきました。
その間、会話は途切れません。
コロナ禍で会うことができなかった時間を取り戻そうとしているかのように話し続けました。
登り始めて3時間も過ぎる頃に山頂に着きました。
40数年も前、私は先に入部していたH田君やT福君、今は亡きS永君に誘われ若杉山から宝満山まで縦走しました。
私にとってワンゲル最初の山行でした。
その時、夜に山頂の岩の上で、福岡の夜景を見ながら4人で酒を飲んだのです。
私は、
『やっと本当の仲間を見つけることができた!』
という思いがしたのです。
…その思いは今でも続いています…
40数年ぶりに旧友と登った宝満山は、昔を懐かしむ山行であると同時に、仲間との繋がりを再確認する山行でした。
山頂の岩の上で、彼の奥さんが焼いたパンと私が握ったおにぎりを食べ、そして帰りの道も、話をしながらゆっくりゆっくり降りてきたのでした。