想い出の山なのに登ってはいないのです…
大学生だった40年前に霧ヶ峰→八ヶ岳→南アルプス北部→富士五湖周辺を自転車で廻りながら登山をしました。
一日に一度はもの凄い坂道を登り峠を目指しました。
大変苦労した合宿でしたが、自転車で広範囲を移動できたお陰でそれぞれの地域の趣きのある山々に登ることができました。
ただ、南アルプススーパー林道の入口で自転車の進入を認めないとその日一日足止めを喰らい、予定していた計画を後ろにずらさざるを得なくなりました。
結局は次の日の朝に通してもらえましたが、予定がずれ込んだこともあり、登る予定だった山を諦めて先を目指したのです。
その登るのを諦めた山が『甲斐駒ヶ岳』でした。
ピラミッド型のその山容は美しく、山頂部の花崗岩が風化して白く見えるのです。
まるで雪が積もっているかのように白く、ピラミッドのような山容と相まって遠くからでも目立つ象徴的な山でした。
今でもテレビやスマホので甲斐駒ヶ岳の姿を見ると、つい見入ってしまうのです。
40年前のその合宿時の写真を見ると、甲斐駒ヶ岳をバックに仲間から写してもらった写真があります。
それも1枚だけではありません。
登れなかったことが相当に悔しかったのでしょう。
去年、南アルプスの多くの山は前年の豪雨により登山道やアプローチの道路が甚大な被害を受け、入山できなくなりました。
今年は、全線ではありませんが殆どの道路が復旧し、2年ぶりに入山が可能になったのです。
40年前に登ることを断念した甲斐駒ヶ岳や、自転車の通行を認めてくれた方との約束を守り最後まで自転車を押して上がった北沢峠にも立つことができるのです。
近々、青春時代の “忘れ物” を探しに行こうと思っているのです。