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天地わたる手帖

ほがらかに、おおらかに

平伏して銀杏を拾う

2019-10-24 13:23:46 | 身辺雑記

都立武蔵国分寺公園、銀杏通り

朝、都立武蔵国分寺公園に銀杏を拾いに行った。銀杏はぼくの心中では重要度が下降している。理由はたくさん食べると身体よくないらしいことと妻が極度に嫌いなこと。
けれど散在しているものはできる限り拾って胃を通してやるのが野生果実ハンターの気概なのだ。
果肉を外しながら拾うのは去年と同じだが外した果肉も片付けることにした。それを放置すると臭くてかなわない。拾う者の倫理を向上させなければならぬ。

 
右は果肉などのゴミ


屈んで拾っていると腰が痛くなる。
片膝をつくと若干しのげるがその体勢が続くとまた腰に来る。それで最後は片方の肘を地面につき、目の前20センチのところに銀杏を見て拾った。軍隊でやる匍匐前進に似た姿勢である。
こうすると身体が楽だが果肉を外すとき飛び散った汁がたまに顔にかかる。強烈な匂いである。
1時間30分で銀杏1200粒を拾った。
まだ拾う執念とスタミナはあるがもう十分である。半分はお世話になった人にやろうと思っている。
地面に平伏する。これは大地への感謝であり物貰いの基本姿勢ではないかと気づいた。その位置から見る世間は普段とまったく別のもののように感じた。

問題は10月の天気である。太陽が1日に5時間出る日が3日続いてくれれば銀杏にとってこんなに嬉しいことはないが、それが至難である。去年も曇ったり雨が降ったりで今年も同様である。天日干しというのは崇高で贅沢なことなのである。



洗浄後の銀杏

颱風裡ワイパーのわれ地を這へり

2019-10-22 11:17:14 | 身辺雑記
俺がワイパーになって水を拭き取るロビー

さきほど府中市中央のアパートのゴミ掃除に行った。ゴミの分別はたいしたことがなかったが、1階玄関ロビーの半分ほど水が溜まっていた。
雑巾で拭きとってはバケツに搾りながら見上げると庇からおびただしい量の雨水が落ちている。雨水はガラス窓をつたって地に落ち、それが内部へ流れ込んでこの事態となっている。

 
雨漏りはひさしゆえ補修は容易なはず。壁を通る雨水な別のところに出る


ぼくの勤める掃除会社の社長Kに伝えると「あそこは動かないからなあ」とぼやきながら了解した。
あそことは「住友林業レジデンシャル」である。はっきりいってこの会社は不誠実である。漏水もあり昨年の暮から今年の1月にかけてこの集合住宅の外壁の大補修をした。
それを行う前、住友林業本社から社員は割と来ていた。彼らは管理人の落ち度を探すのが好きで、階段の隅が汚いなど指摘したのだが、補修が終わってから彼らの来訪はとんとない。下請さえ点検に来ない。忘れ去られた物件である。
補修したから大丈夫と信じているらしい。

ぼくは3月くらいから補修の効果は皆無であり、雨漏りはずっと続いている旨の報告をし続けているが誰も見ていない。
冬ざれや誰も読まない報告書
秋雨や読まぬ日報今日も書く
といったところ。

勤務時間中は流れ込む水をワイパーのように拭く。けれどぼくは電気で動いていないし、時間が来れば帰る身の上である。
ぼくはスクラムハーフのごとく的確に情報を出している。あとはスタンドオフが仕事をせよ、と言いたい。自分が走るなり14番にパスするなりスピーディーに動け。なのに住友林業レジデンシャルから状況はどうかなどと電話が来る。来ないよりはいい。いままで来たためしはなかったから。しかし出したボールをまたスクラムハーフへ戻してどうするのだ。君たちが視察して業者を動かすことを早急にせよ。問答などしていてどうなる。

世の中の不誠実にあまた接しているのでトップレベルのラグビーに感動するのであろう。
スコットランド選でタックルを受けた福岡堅樹 が膝をつきそうな低さから松島幸太朗 へ絶妙なパスを出した。それを受けて松島が駆け抜けてトライ。
ここまで感動させてくれなくてもいいが、せめて自分の仕事は誠実に果たせと、俺は住友林業レジデンシャルにきつく言いたい。


 
駐車場は雨が来ても大丈夫であるがよく濡れる構造である

柿の木は残った

2019-10-18 04:13:50 | 身辺雑記


きのう多摩川の胡桃がどうなったか視察した。
すこしは留まった胡桃があるのではと淡い期待をしたがそれは木の下へ来て吹き飛んだ。
1メートルほど低いところは林が消滅し砂が堆積し以前どうなっていたか思い出せない。野球場と同じ高さの胡桃林の中も砂が堆積していて胡桃は20個拾うのがせいぜいであった。
夏ころから抱いていて新胡桃への思いは吹き飛んだ。ぼくが果実で生計を立てていないのでいいのだが林檎農家は生き死にの問題であろう。



荒涼たる風景の中で柿の色が希望であった。
柿の木2本はしかと立っていて300個はゆうにある。今年はこの木の柿をできるだけたくさん吊るして天日干ししたい。
柿はすでに実っていていつ採ってもいい状態でそれがいちばん困るのである。明日にでも採ってすぐ皮を剝いて吊るしたいのだが、さて気温は低いままでいてくれるのか。去年10月の中旬に採った渋柿は高音のため蕩けるやら腐るやら、ほとんどだめになった。
その教訓から東京で干柿をつくるには立冬直前に作業すべきという結論に至った。けれどそれまで木に置いておくと熟柿になって落ちてしまう。自然の中で人はどうにもならぬ課題に直面して生きていることを果実で実感する。
柿を吊るすスペースの確保も問題であり、都会で自然に手を出すことの困難さも嫌というほど感じている。東京を去ってもいいのだが
蓑虫のごと東京にぶら下がる
という生き方が続いている。東京で句会を始めたらどんどん仲間が増えて、はい店をたたんで山中で果実採取生活を始めます、とうわけにもいかなくなっている。
今月はこの柿をどうするかが危急の問題である。絶対、地に落としたくない。

河川敷の住居はかくのごとく大破している。森がかなり消滅すると河川敷には1世帯以上あったことがわかる。彼らはどこへ行ったやら。世界にはボートピープルやら定住しない人たちがいる。税金払わない生き方はやはり苛酷である。




野球場あたりは地面が硬くなった。地面から草や柔らかな土が流れて岩盤が剝き出しになった感じがする。川のそばの砂のやわらかさと岸近くの岩盤と硬さがいま多摩川は際立っている。それを足の裏にしかと感じる。



薙ぎ倒された蘆の中にあった球根状のもの。生姜か茗荷に似た感じだが食えるのか。割ってみると中は白くえぐい風味。
ああ、胡桃はすばらしいなあ。

颱風やどこに軒借る河原人

2019-10-12 19:07:20 | 身辺雑記

府中市よりかなり下流の多摩川。
府中市から稲城市へわたる是政橋付近で川幅が約400m。水の流れる幅は通常150m。
この映像だと450m幅の濁流。川いっぱいの水である。


14時45分いきなりスマホが妙な高い音を奏でる。
見ると府中市からの勧告で、市の南部に居住する高齢者は避難せよという。その5分後にまたスマホに高鳴り今度は避難先を伝える。おおかた逃げる先は小・中学校である。
自宅から小学校へ移動してはたして大丈夫なのか。屋根が飛ばされる率は個人宅のほうが高いが、水が襲った場合は、体育館はだめで2階以上の教室へ行くのか。
府中市の中央部の標高は約60m。府中市北部のうちあたりが標高70~80mくらい。国分寺へ行くにも国立へ行くにも下るからこのへんでは一番高い。武蔵台にも避難勧告が出たとしても逃げる場所はこのへんにない。

15時のテレビを見るとよそは相当量の雨が降っているようだ。部屋にじっとして俳句など書いていたのだが外の雨の音をほとんど感じない。隣の屋根を静かに雨が流れているていど。いつ颱風は上陸して凄い音を立てるのか、ここは台風に忘れられたのかと妙な気分。
箱根の川は濁流が躍っていて橋にかかりそう。橋脚が持たないほどの激流になっている。多摩川も映してくれる。多摩川は川いっぱいに水となっていて河川敷の野球場、サッカー場を覆ってしまっていてわずかに得点ボードが見えるていど。
濁流いっぱいの多摩川を見たいのだがじっと我慢する。外出すれば階下にいる妻に見つかる。
明日の午後、雨がすくなくなってから見に行く。台風の落としてくれた胡桃は流れてしまったか。

15時56分、今度は国分寺市から避難勧告が入り、それは府中市より簡単で各地小学校か流通経済大を指示する。流通経済大は隣の丘(国分寺さんち)と同様、あたりで一番高い。
16時16分、国土交通省から勧告。青梅の調布橋あたりが氾濫水位に達したという。
17時14分府中市からも多摩川が氾濫する可能性があるので避難をと。片町は3丁目が該当し片町1丁目(ぼくがつとめるアパート)は免れた。
つまり多摩川が決壊すれば府中本町駅付近まで水が来るという予想。このへんは標高60m以下ということか。
18時23分に家が揺れる。強風かとおもいきや地震であった。おいおい、颱風と地震が一緒じゃかなわんぜ。


多摩川と合流する寸前の浅川(おととい)

おととい胡桃を拾った浅川流域は氾濫しそう。黄色いコスモスは水没したであろう。森番の丹精している花壇その他も濁流の中であろう。彼はよもや今日川端へ出て来なかっただろうな。
そして河原に住まいを持つ人々は今いずこか。河川敷は無料だが常に水の心配がある。川岸の高層住宅の1階のガレージに一夜の宿を借りているのか。そうそう雨に濡れない場所はない。

初採りの柿と胡桃

2019-10-03 02:27:08 | 身辺雑記

国分寺駅から北上する西武線。1キロ先に恋ヶ窪駅がある。秋特有の雲はまもなく消える。

【恋ヶ窪駅の甘柿】
9月の初旬からここの甘柿は色づき始めていた。ひこばえ句会、上水句会の際使うここはぼくがいちばん使う駅で付近にある柿の木は嫌でも目につく。
通りから見えぬが線路から柿がよく見える。満を持してきのう朝採りに行った。線路から目視したとおり甘柿16個ゲットした。すでに熟柿になったものもありびっくり。ここはいちばん早熟である。1週間柿を食える。


柿は好きだが柔らかくなったのは嫌い。堅いのがすぐに柔かくなる柿は美味しいが厄介でもある。

甘柿に交じる渋味や税上がる
甘柿だと思って齧って渋くて吐き出すのがある。税金はわかっているが重たい。

山国の晴天堅し柿齧る
東京はいつまでも暑い。空気から水分が抜けない。故郷の空の冷たさを懐かしむ。

【都立武蔵国分寺公園の銀杏】
まだ、ぱらぱら落ちている状況。落ちて地面がべたつくのは中旬。拾うのはそれから。




【多摩川河川敷の草花】


多摩川の渋柿と胡桃の生育状況を見に繰り出す。9月22日NHKテレビ「ダーウィンが来た!」で「動物大集合!秘密の多摩川」をやった。河川敷は湿地、森など多彩な環境が凝縮され、キツネやアナグマなどが目撃されていて「都会の片隅にある知られざる大自然」という姿勢であったが、まさに人知を超えた刺激をいつもくれる。
曼珠沙華がこんなに出るとは思わなかった。
愛憎の極みの色や曼珠沙華
曼珠沙華恋に正邪のなかりけり

観念的になったがたまには色恋を句にしたくなった。小川主宰には見せられない句である。



名を知らぬ草花も多いが露草は知っている数少ないもの。眠気が覚める色である。草は露に濡れていて足はびしょびしょ。



紫蘇はスープに入れる。いただく。



【天地人に感謝の新胡桃】


胡桃の大きな木が3本あるが実は一個もついていない。いちばん奥の木の根元にきれいになった胡桃が放置されている。どれも小粒。
さては誰かが大きいのだけ採って後の小粒を捨てて行ったらしい。3月胡桃の森の人がそのようなことを言っていた。ぼくはありがたく小粒をすべていただいた。およそ10リットル。まわりのものを腐らせてきれいな殻まで持ってくる労力はたいへん。そうしたものを小粒だからといって食べないという心理がぼくはわからない。
そういう奇特な方がいてくれてぼくが潤う。天と地と人におおいに感謝している。
胡桃を割った、「わっ、新胡桃、美味い」と声が出るのではと期待したが燻った味がする。研ぐ前の玄米のような風味……意外であった。
3月から割って食べた胡桃のほうが美味い。胡桃は落ちてから約半年を経ていた。胡桃は新鮮だから美味いのでないかもしれない。時間を経て熟成するということもあり得る。


【渋柿の運命】



柿は豊作。200個はありそう。すべて皮を剝いて吊るす予定だが、問題は10月の気温の高さ。木についていて熟して落ちる。早めに採って吊るしても気温が高いとやはり腐る。東京で干柿をつくるのは非常に難しい。
長野県など内陸の夜冷え込む気候でないと干柿はできにくい。渋柿が熟すことなく今月下旬まで木についていてほしい。これは天頼みである。
ああ、忙しい10月が始まった。