去る五月の三日、我が家の愛猫くろちゃんが旅立ちました
ずいぶん前から食べたものを戻すようになり、発作的な咳をするし、やつれてきたのでそろそろ危ないかなぁと思っていたのですが、先月末頃、元気も無くなり涎が垂れるので、病院に連れて行きました。
診断結果は、腎不全と猫エイズ。「どうしてこんなになるまで放っておいたのか」と言われたそうです。
そうは言われても…人間でさえ自然治癒力に頼りがちな我が家では、動物病院はさらに遠い存在なのです。
入院日数は三日程。お見舞いに行った時、ペーパーシートの敷き詰められた殺風景なゲージに動くのも辛そうな、食べることもままならない姿がありました。
こんなところで一生を終えさせたくはないな、と思ったものです。
猫エイズの影響で回復力が乏しく、どの薬を試しても回復を見込めないということで、退院しました。
もうヨロヨロで鳴くこともなく、時折痙攣を起こし、痰を吐く…
めいっぱい撫でて寝ました。
次の日の早朝三時、旅立ってしまいました。
いつもより十分前にふと目が覚めたのです。でも眠くて、いつも通りに起きて降りてみると、ちょうど旅立ったところでした。
あの時起きていたら…
店があるので、悲しみにくれることも撫でることもできなかった。
もう少し頑張ってほしかったけど、ほんとに苦しそうだったので早く楽になれて良かったかな。
死期を悟った動物は何処かに行ってしまうと言うが、入院する直前まで出掛けても帰って来てくれたことが嬉しい。
退院を判断してくださった動物病院の先生にも感謝です。
新聞を読んでいるとその上に鎮座して邪魔するくろちゃんも、
売り上げの計算をいているとその上を通ってバラバラにするくろちゃんも、
寝ている暇があったら撫でれっ!と指を噛むくろちゃんも、
片膝の上でバランス取りながら意地でもくつろぐくろちゃんも、
障子を張り替えたばかりでも破って部屋に入るくろちゃんも、
大好きだよ
写真は、在りし日のくろちゃん。
たまたま広げていた新聞の上でくつろぐくろちゃんが熱心に読んでいるかのように見える記事の内容は『在宅療養』
何かを暗示しているかのよう…
先代愛猫ココちゃんのお墓に一緒に埋めました。大好きな海苔と一緒に…
買出しから帰ると、いつものように縁側下からトボトボ歩いてくるようで…
淋しいのです