小豆、何十年前のヤツだよっ、と最後までツッコませつつ、一通り纏めて話は完結していた。正直すみれが引退してから次の話がこの話でもほぼ問題ないくらいのきっちりとした店仕舞いだった。・・・細かい所はともかく、やはり後半。約２ヶ月（全体の３分の１！）を使った困惑のさくらエピの数々が展開意図自体、ちょっとよくわからなかったのと、最後の１ヶ月が本当に手持ち無沙汰になってひたすら牛歩になっていたのが惜しかった。学生時代と戦中をショートカットしたわりにはキアリス誕生からのエピソードがそう多くなく、すみれの会社の話だけでは話数が数ヶ月分くらい余ってしまった為にさくらの暴走と、延々と最終回ターンが続いてしまった印象。すみれのエピの厚さをこれ以上足せないなら、すみれ以外の３人メンバーを主観にした話をもう少し書けばもうちょっと何とかなった気はしないでもない。ヒロイン主観に拘った結果、『ヒロインのネタはもう無いがヒロインの娘ならモデル縛りも薄いしいけるだろう』という、奇妙ななし崩しがあったんじゃないだろうか？ ただ娘はあくまで娘なので、書けば書くほどキアリス本体から離れるやら、さくらの人物像のタガも外れがちやらで散々なことになった。前作とと姉ちゃんは最初から最後までガチャガチャした話ではあったが、よくも悪くもちゃっちゃっと話を進め、花山や妹達がそれなりに機能し、常子が最後まで現役だった。これにより多少妙な展開があっても長くは続かず、メンバーのアシストが利くとヒロインの描写耐久値が上がり、ヒロインがもうたくさんだっ！ とクレームを入れられようとも断固としてドロップアウトしないので取り敢えず暇にはならない。という利点があった。痛し痒しではあるが、長過ぎる朝ドラという特殊制作は諸々の匙加減が思った以上に重要なんだろう。前半は地味ながら結構良かったんだけどなぁ。
