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羊日記

大石次郎のさすらい雑記 #このブログはコメントできません

恋仲 6

2015-07-29 23:15:50 | 日記
葵は日曜の映画を楽しみにしつつ、平日は件の兎小屋の建設の仕切りに専念した。そうして、日曜日になった。少し早く待ち合わせ場所にゆくとあかりが来ていた。「早いね」「うん」またぎこちない二人。と、公平から『腹痛なう』と知らせが来た。来ないという。仕方なく、二人だけで映画を見ることになった。
同日、翔太が病院で移植の必要な患者にHLA遺伝子について説明するが若い患者は反抗的で手こずっていると、先輩医師がHLA遺伝子は恋愛遺伝子の呼ばれていると話し出した。人は自分と異なるHLA遺伝子を持つ相手に強く引かれるという。「どうしようもなく惹かれ合う男女は遺伝子レベルで決まってるってこと」先輩医師の話しに若い患者は興味を持ち、翔太はあかりと葵を思い浮かべて不安になった。さらに、仕事を終えて病院を上がると公平から腹が痛いと電話が入り、結果的に今日あかりと葵が二人で映画に行ったことを知った。翔太はまだ持っていたワンピースの51巻とメモを自室の机から取り出した。
その頃、映画を身終えた葵とあかりが席を立とうとするとエンドロールで高校の頃、二人で聞いた曲を今の女性の歌手がカバーしたものが流れ、二人は聴き入った。『胸が苦しくて、消えて無くなりそうだ、甘いシュークリーム、君はシュークリーム』「歌詞面白いね」等と当時言っていた。『夢の中で僕ら、手を繋いで飛び立とう、目が覚めて僕は泣いた、永遠に付き合えるだろうか、永遠に君の為に』エンドロールを最後まで聴いた二人は、館を出ると映画や映画を見ている時の互いの様子で盛り上がり、足癖の悪いあかりは昔のように葵の尻に蹴りを入れて突っ込み、二人はすっかり打ち解けた。
翔太が隠したメモには『葵へ ずっと好きでした。来年の花火大会 同じ場所で』と書かれていた。
あかりに来月教員試験に
     7に続く

恋仲 7

2015-07-29 23:15:42 | 日記
合格して葵や翔太に追い付くと言われた葵。あかりは葵の虚勢を信じたままだった。葵は自分の任された兎小屋にあかりをつれてゆき、打ち明けた。「こんなんでもさぁ、初めての設計だからすっげえ楽しくてさ。でもそんな自分が惨めでさ、ホントにすげぇのは翔太だよ」あかりは笑って葵の兎小屋を囲む柵がなぜ円いか葵に問うた。「端っこができないから」大人しい子は端に寄るから、端を無くし、仲間外れができないようにとのアイディアだった。「葵らしい、イジメられっ子だった経験役にたってんだ。ここで遊ぶ子供達の笑顔が見える気がする。凄いね葵、夢、叶えたんだね!」笑顔で言われ、葵は驚いて、それから笑った。
葵はあかりをあかりのアパートまで送った。「会えて良かった」言われ、また会えるかと言おうとすると翔太が現れた。「泊まってていい? 明日夜勤だからさぁ」と言い出すと、とてもその場にいられず、「じゃあ、またね! おやすみ」葵は少しおどけて言って退散した。翔太はあかりの肩を抱いて、アパートへ入って行くのだった。
・・・3話で速攻メモ隠したのバレるのかぁ、翔太があかり落とすの無理ゲー過ぎるぜ!

アルスラーン戦記 1

2015-07-29 23:15:30 | 日記
グジャラート城塞のアルスラーンの元へガーデーヴィ軍が戦象部隊を投入したと報せが入った。またラジェンドラが軍をガーデーヴィ軍の背後に進軍させたという。「どうやら私が考えていた中でもっとも馬鹿馬鹿しい事態になったようです」ナルサスは懸念を示した。アルスラーン軍は1万、ガーデーヴィ軍が15万、ラジェンドラ軍が5万の戦力。戦力差が大き過ぎる為、ガーデーヴィ軍が一定数を足止めにアルスラーン軍にぶつけてくると、挟み撃ちの効果は無くなる。
「どの面下げて戻って来た?!」帰還したジャスワントに対し、ガーデーヴィは辛辣だった。「どうか償いの機会を!」マヘーンドラが間に入り、なんとか収まったが、ジャスワントは危うくその場で斬り捨てられるところだった。一方グジャラート城塞ではナルサスの指示書に従いエラムが現場を指揮して何やら頻りに鍛冶の作業と大型機材の組み立てが行われていた。その様子を見ながら、ダリューンはシンドゥラの王位争いとアルスラーンとヒルメスの王位争いを重ね、いずれアルスラーンはヒルメスと対峙することになると危惧していた。「その時は、再び殿下の器が問われることになる」ナルサスは案外突き放して、そう答えた。
ガーデーヴィ軍とラジェンドラ軍は川を挟み、いよいよ開戦の構えとなった!「ラジェンドラよッ! 奴隷の子でありながら王位を狙う身の程知らずがッ!! 土下座すれば命だけは助けてやろう!」「ハッ! 血統から言えば遥かに優位なのに、父は貴様を正式な王太子としなかった! 貴様自身が俺より見劣りするからよ!! 認めたらどうだ?!」「叩き潰せ!!」兄弟喧嘩じみた口上を互いに述べ開戦した!! 激突する両軍だが、間の川が邪魔で数の差を上手く生かせないガーデーヴィ軍! ジャスワントはナルサスの采配かと警戒した。前線が手こずると
     2に続く

アルスラーン戦記 2

2015-07-29 23:15:20 | 日記
短気なガーデーヴィは速攻で戦象部隊を進軍させた!「パオォーンッ!!」瞬く間に歩兵は一掃され、弓兵の矢も通らずこれも蹴散らされた! さらにグジャラート城塞は別動隊に包囲され、援軍は来ないという! グジャラートではガーデーヴィ軍の別動隊は囲んだものの、アルスラーン側は城壁に弓兵の姿は多数あるが稀に数発矢を撃ってくる程度の反応で別動隊はやや困惑していた。
やがてラジェンドラ軍の騎兵は戦象部隊に敗れ壊滅!「これ以上俺についてきた者達を死なせる訳には」ラジェンドラは降伏を覚悟したその時! パルス国の戦笛が鳴り響いた!! 籠城しているはずのアルスラーン軍だった! ヤシャスィーンッ! とは意外と言わずに黙って突撃するダリューン達! そんな日もある! ガーデーヴィ軍の騎兵や歩兵を打ち倒す! ファランギースも矢を放ち、これに対応してきた敵兵はギーヴが対応する前にアルフリードが斬り払った!
「どうやって来られた?」「ちょっと飛んで参りました」「へ?」ラジェンドラに珍しく冗談を言うアルスラーン。グジャラートは空で、城壁の兵も人形、弓兵を数名配したが、これも敵が城に攻めいる段では即座に撤収させる手筈を取っていた。本体は最初から援軍に向かっていたのだった。
戦象部隊は狙いをダリューン率いる騎兵に定めた! ダリューンは騎兵を一直線に集め、反転、敗走する様にも見えた。ガーデーヴィはこれを笑ったが、「奴ら何か変です」1度で懲りたジャスワントはナルサスのやりようを学習していた。戦象を下げるようガーデーヴィに訴えたが、ガーデーヴィは聞き入れず、自らの乗る戦象も前へ出させた! ダリューン達の騎兵の誘う先に奇妙な装置を認めた象使い達は戦象を止めようとしたが既に近付き過ぎ、1度走り出した象はすぐには止まれない、その上
     3に続く

アルスラーン戦記 3

2015-07-29 23:15:10 | 日記
冬季に活発に活動させる為に薬物を与えられた象達は興奮しており、戦象部隊は気付きながら前方の装置に向かった突進を続けた! アルスラーン軍の騎兵は既に逃れている! それは巨大な弓を重ねた箱のような砲台だった。槍並みの巨大な毒矢がつがえられ、舵のような物でそれを引き絞り、エラムの指示で一斉掃射した!! 巨大な毒矢は次々と戦象の体に突き刺さり、象使い達を肉片と変えた!!!
遅れて突進させていたガーデーヴィの戦象はなんとか装置の射程に入る前に止まれたが、その前にダリューンが単騎で現れた! 殺到した騎兵を薙ぎ倒し、ダリューンはガーデーヴィの戦象に迫った! ガーデーヴィも自信があるらしい槍を構え、応戦する気をみせていたが、黒馬から象に飛び乗ってきたダリューンに一発で槍を払われた!「覚悟!!」ガーデーヴィは討ち取られようとしたが、ジャスワントが馬ごと象に乗ってきた! 馬ごと?!「御乗り下さい!」ジャスワントはガーデーヴィを馬に乗せ、馬を象から飛び降りさせ、走り去った! ファランギースは逃れるジャスワントに弓を引いたが、アルスラーンはこれを止めた。「2度目にございます。あの者に恩を感じる心があればよろしゅうございます」ファランギースは弓を下ろした。
戦象部隊を失っても戦力的にはガーデーヴィ軍の方が優勢であったが、ガーデーヴィが逃走する形となった為にガーデーヴィ軍は敗走。ラジェンドラとアルスラーンの連合軍は勝利した。「お前は私を救ったなどと思ってはいまいな!」国都ウライユールの王宮の一室でガーデーヴィはジャスワントの頭を踏みつけた!「役立たずどもめッ!」ガーデーヴィは退室して行った。「ワシは補佐する相手を間違ったのかもしれん」マヘーンドラが後悔していると、昏睡していた国王カリカーラが目覚めたと報せが入った!
     4に続く