大和がどっさり作ってきていたミルフィーユを取り出し、まりやを驚かせた。食べ始めると、ミルフィーユは美味しかったが、焼いた生地の欠片が顔に付いていると互いに取り合う猛男と大和の仲睦まじさに、まりやは弱ってしまった。猛男と大和は気付かないが砂川だけはまりやの様子に気付いていた。
雨雲が立ち込める中、学祭の後、弱ったまりやは早々に「あたし、街ぶらぶらしてくから、ここで」と離脱し、少し歩くと砂川も離脱していった。二人きりになった猛男と大和はやや手間取りつつ、手を繋いで歩きだした。木立の傍を歩いていると、松ぼっくりがたくさん落ちていた。「松ぼっくりって、男の子の木と女の子の木があるんじゃなかったっけ? アレ、銀杏だっけ?」大和は笑った。「うち、猛男君といるとどうでもいいこといつまでも話しちゃう」「そうかぁ」大和とは横断歩道の所で別れた。(何がある訳でもないのに、好きだと思う。この気持ちはどこから来るんだろうな)猛男は大和に手を振った。
「ねぇ、人間として好きってさ、それってどおいう感じなの?」後日、学校の廊下でゴミ箱をひっくり返したまりやを手伝いながら、砂川は切り込んでみた。狼狽えるまりや。「砂川だって剛田のこと好きだよね?」「西城さんのは、俺とは違うと思うんだけど?」「そーだったらなんなの?!」まりやはぶっちゃけた。「言わないでよ絶対、もし言ったら」「言ったら?」「言ったら絶対、超酷いことするから!!」砂川の尋問に、まりやはもう半泣きだった。
授業で壁新聞を作ることになった。外では雨が振りだしていた。めんどうがるアフロ。まりやは猛男や砂川と同じ班だった。ちょっとしたことにも猛男にときめいてしまうまりやだったが、砂川にマークされていて気まずい。作業にペンが足りなくなると、まりやが買い出しを名乗り出た。「じゃあ、師匠にも行ってもらえば?」
3に続く
雨雲が立ち込める中、学祭の後、弱ったまりやは早々に「あたし、街ぶらぶらしてくから、ここで」と離脱し、少し歩くと砂川も離脱していった。二人きりになった猛男と大和はやや手間取りつつ、手を繋いで歩きだした。木立の傍を歩いていると、松ぼっくりがたくさん落ちていた。「松ぼっくりって、男の子の木と女の子の木があるんじゃなかったっけ? アレ、銀杏だっけ?」大和は笑った。「うち、猛男君といるとどうでもいいこといつまでも話しちゃう」「そうかぁ」大和とは横断歩道の所で別れた。(何がある訳でもないのに、好きだと思う。この気持ちはどこから来るんだろうな)猛男は大和に手を振った。
「ねぇ、人間として好きってさ、それってどおいう感じなの?」後日、学校の廊下でゴミ箱をひっくり返したまりやを手伝いながら、砂川は切り込んでみた。狼狽えるまりや。「砂川だって剛田のこと好きだよね?」「西城さんのは、俺とは違うと思うんだけど?」「そーだったらなんなの?!」まりやはぶっちゃけた。「言わないでよ絶対、もし言ったら」「言ったら?」「言ったら絶対、超酷いことするから!!」砂川の尋問に、まりやはもう半泣きだった。
授業で壁新聞を作ることになった。外では雨が振りだしていた。めんどうがるアフロ。まりやは猛男や砂川と同じ班だった。ちょっとしたことにも猛男にときめいてしまうまりやだったが、砂川にマークされていて気まずい。作業にペンが足りなくなると、まりやが買い出しを名乗り出た。「じゃあ、師匠にも行ってもらえば?」
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