糸井ひろしの気まぐれ日記

日本共産党群馬県西毛地区委員会役員の日々のあれこれ

天皇制について  チラシへの反論その1

2019-06-27 | 雑想

 6月27日朝、地区事務所に党員が「うちの郵便受けに入っていた」と、一枚のチラシを持ってきました。

 「JAPAN Guardians」と名乗る団体の作成によるもので、表には「令和を批判する日本共産党にNO 日本共産党に協力するのはやめましょう。 その理由は...」と書いてあり、裏面には「協力してはいけない理由」として、三つの項目が挙げられています。

 1、「天皇制の廃止」を目指しているから

 2、「自衛隊の解消」を目指しているから

 3、公安調査庁などからマークされている団体だから

という見出しとともに、その根拠とする文章も書かれています。

 

 ツッコミどころはたくさんあるのですが、まず、「JAPAN Guardians」なる人々が、それじゃあどんな社会を目指しているのか、何をしようとしているのかは、一言も書いてありません。日本共産党に対する事実の歪曲と一方的な思い込みで「協力するな」と書いてあるだけで、まともな意見とは思えないと言わざるをえません。

 がしかし、だからと言って看過できるものではありません。

 

 というわけで、事実と日本共産党の考えについて、上記の項目に沿ってお話ししようと思います。長くなるので1項目ずつ。

 

 まず、「天皇制の廃止」について。

 チラシには「共産党は『令和』を批判しているだけではありません。志位和夫委員長は2012年1月、党本部で開かれた集会で講師を務め、『日本の将来の発展の方向性としては、天皇制度のない、民主共和制を目標とする』と述べています。共産党の本音はズバリ、「天皇制の廃止」なのです。」と書かれています。

 日本共産党は、マニフェストと言える方針、「綱領」を持って活動しています。綱領には「現行憲法の前文を含む全条項を守り、特に平和的民主的諸条項の完全実施をめざす」ことを明記しています。また、天皇条項について、「『国政に関する権能を有しない』などの制限規定の厳格な実施を重視し、天皇の政治利用をはじめ、憲法の条項と精神からの逸脱を是正する」とも明記しています。

 日本共産党が政権の一翼を担ったからといって、すぐに「天皇制は廃止しろ」などとは言い出さない、まずは憲法の天皇条項もきちんと守りましょうよ、という話です。

 じゃあ、天皇制をどう捉えているのか。

 戦前、天皇制といえば専制君主でした。国会も選挙も存在しましたが、それはあくまで「天皇の許す範囲」であり、国民主権とは本来矛盾する体制です。戦後の現行憲法には、天皇条項がありますが、第4条に「天皇はこの憲法に定める国事に関する行為のみを行い、国政に関する権能を有しない」と書かれてあります。これが、国民主権の仕組みとの折り合いをつけていると言っていいでしょう。現行憲法下では、主権者は国民であり、一人の個人が世襲で「国民統合」の象徴となる天皇ではありません。この矛盾を、将来国民の総意で、国民主権の方向で解決しましょうと言っているのです。そのためには、今後に渡って長く議論が必要だということは、日本共産党も重々承知しているところです。

 天皇をいただきに据える戦前のような社会を目指す人々や、天皇の政治利用を考えている人々からすれば、けしからんと思うことかもしれません。これは民主主義の発展に伴い、いつかは正面から議論することになることでしょうね。

 日本共産党は、天皇制の廃止を目指す。これは事実ですが、そこだけを取り出して「だから協力するな」というのは、JAPAN Guardiansの一方的な見解であり、日本共産党の主張の中身をよく見ていないか、あるいはわざと無視しているとしか思えません。JAPAN Guardiansは民主主義、国民主権には反対だということでいいのでしょう。

 


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