精霊流し
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長崎のお盆は精霊流しで終る。
♪去~年のあ~なたのお~もいでが~♪
グレープの歌った『精霊流し』のメロディーのイメージと歌詞からは、もの悲しさの漂う叙情的光景を想像する人が多いのではないだろうか。
しかし、その実態は爆竹の鳴り響く轟音が一帯をつつみ、耳を劈く激しさは想像を絶する。初めて見る人は何時間も鳴り止まぬ爆竹音に耳を塞いでしまうほどだ。
もちろん地元の人、精霊舟の引き手、警備に当たる人は耳栓を忘れない。
精霊流しは、地域で多少の違いはあっても長崎県下で行なわれているお盆行事である。初盆を迎えた故人の霊を極楽浄土へ送り出す、長崎の夏の伝統行事であるが、一面観光行事的に見えなくもない。不謹慎かも知れないが、特に長崎市内では『お祭り』と誤解している人がいてもおかしくないくらい、華やかさがある。
今年も県下で約3,500隻の精霊舟が流されるのだとか。

嫁の実家は島原である。夕刻、ご先祖の墓参を済ませての帰宅途中、精霊流しの列に遭遇した。島原のお盆灯篭は『切子灯篭』と呼ばれる、県下でも珍しい風情のあるものだ。
午後8時前、暗くなった町に光る灯篭の列と鉦の音、それにお念仏・・・
沿道には見物の人たちがいる。
長崎市内のそれとは雰囲気も規模も違うが、墓参帰りにたっぷりお盆気分を味わった。