azusa flutter

ayami yasuyhoのダンサー・栃本あずさが時々思ったオモイ。

私が感じる大野一雄さん。

2010-06-13 | 思うこと
先日、大野一雄さんが亡くなられました。103歳だったそうです。

私は大野さんに会うことは一度もなく、踊りすら、生で拝見したことも無いのですが、

私に大きなものを与えてくれた方です。


大野さんのことを知ったのは約5年ほど前で、ayamiの主宰の秋紀さんからお借りした、大野さんの本を読み、踊ってる姿のビデオを見ました。

なんとなく、初めてお会いしたような気持ちじゃなく、何処かですでに会っているように、身近に感じたことを覚えています。

大野さんの書かれた言葉も、全てではありませんが、大野さんが直接、私に

「今の感じてる自分のままで踊っていいんだよ!」

と、言ってもらえてるように感じて、ずいぶんと気持ちが楽になったことを覚えています。


ちょうどその時の私は自分の踊り、自分の生き方に大きな不安を抱えており、迷いがあったときでした。


そんな時期に秋紀さんの勧めで、大野さんの息子で舞踏家の大野慶人さんのワークショップを受けに行きました。

3日間のワークショップは全てが貴重なワークでいろんな体感をしました。その中の1つ、私にとって衝撃的なワークがありました。

それは、自分の名前を心の中で唱えながら、ゆっくり前を向いて、真っ直ぐ歩く。ということをしたワークでした。

言葉で書くと簡単なことですが、かなり自分の中からパワーを出さないと、しっかり歩くことが出来ないのです。

名前を唱えるのが弱いと、足元が微妙にふらついたり、目が一瞬よそをちらっと見たりして、なかなかしっかり歩けません。

自分の中からハッキリと自分の名前を外に向けて言う、周りの人に聞こえるように言う。

「私はあずさだ!」と。

自分の名前をハッキリ言えた時、そこに私が存在してることを感じました。ここに私が存在して良いんだ、と、喜びを感じました。


そのワークのチラシにこんな言葉が載っていました。


「ダンサーというのは一人ですべてを背負わなければならない。ですから、あなた自身がとても大切だということをまず、わかって欲しい、そこからはじめます。」


この言葉で、私自身が大事だということを知りました。

私がいなければ私は踊れないということを知りました。

そしてこの私の中に、本物の私がいると知りました。

そして今までは私は殻をかぶり、人の目や、見た目、表面や形だけを意識して、自分に嘘をついたり、自分をごまかしたり、自分を強迫したりして、踊っていたことに気づきました。



大野一雄さんに、教えてもらったことを今でも感謝し、そして今でも大事にしています。

そしてこれからも大野さんに何か教わっていくと思います。

そしてもっと、もっとダンサーとして生きていく道を広げて行きたいと思っています。














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