azusa flutter

ayami yasuyhoのダンサー・栃本あずさが時々思ったオモイ。

天川村その3

2024-07-18 | 思うこと
シンギングボールのレッスンが終わり、いよいよカフェ「空」ともお別れです。

長い長い時間を過ごしました。
そしてあまりにもたくさんの自分のオモイを知りました。
この「空」の玄関を出ることがまずは一歩なのでしょう。
一歩を踏み出す時。それは自分の意志であり行動である。
決まりごとのない時間を過ごし、自由な自分と出会い戸惑い、進む。

さあ、出発です。
ここを去ろう。

さあ出発です。
どこへ行こう。

その一歩はなかなか踏み出せない。
でも自然とその時がやってくる。

立花さんに深くお礼を伝え、雨の中もう一度、蝙蝠の穴の洞窟へ行く。
今度は勇気を出して、洞窟に近づいてみる。空気がひんやりと冷たく、少し霊気を感じる。
奥までは入れない。
この洞窟で立花さんは何と出会ったのだろうか?と考える。
ワタシの入る場所ではないことを感じる。

雨が降る。
何をしたらいいのかわからない。

鍾乳洞に入ってみる。
洞窟は怖い。






雨が降る。
どこに行けばよいのだろう?

宿に帰ろうか?
それとも。

雨が行動を制限する。思考を制限する。
その制限された中から何かを考える。

みたらい峡谷に行くことにする。
雨で道が悪いが滝に沿って歩いていく。
雨のおかげで水量が多くて、迫力がすごい滝に出会う。

心の中の悩み事が勢いよく洗い流されていく。
心が流されていく。
心のしんどい部分が流されていく。
私は綺麗になっていくように感じる。








すべてを許してください。
すべてを許してください。
そして希望を与えてください。
希望を与えてください。
お願いします。
お願いします。

雨の中の滝の勢いは自分の思考をはるかに超えて存在する。
思考が消えていく。
思考が消されていく。
ワタシがいなくなる。ここに存在するだけ。

ここにいるだけで、それでいいのだ。

そう滝が教えてくれる。



そして宿に帰る。
優しいオーナーが今晩もカレーを作ってくれた。
今晩は梅酒をいただく。あまりにも美味しくておかわりした。

今晩も宿のお客は私と登山客一人。
雨の音がする静かな夜。
夢を見たいな。

朝、目覚め。
モーニングをいただく。あたたかいスープが今日も美味しい。
オーナーの入れるコーヒーがとても身に染みる。
いよいよチェックアウト。

さあ、山に登ろう!
観音峰に登ろう。

山に登るのはインド以来久しぶりでとても嬉しい。
雨が前日まで降ったせいで道は少し悪いが雨上がりの空気が澄んでいてとても気持ち良い。
身体がめちゃ軽い。駆け足ぐらいで登れそうな勢いで登る。
行く道、何人かの人たちに逢う。登山の方は本当に優しい。挨拶がとても嬉しい。

途中、村上春樹の本、「海辺のカフカ」にでてきた、先生が夢を見た日に登山する場所、兵隊さんが二人いる場所とまったく同じ場所に辿り着く。
まるで私に
「後ろを絶対に振りむいちゃだめだよ。約束できるか?」
と兵隊さんに言われたように感じる。
中田さんにあったように感じる。
誰かと繋げてくれるように感じる。
出逢いたい。出来ることなら。出逢いたい。






そして観音峰の見晴らしの良いところに到着。











これがまた、村上春樹の『ノルウェーの森」に出てくる、直子と僕がススキの草原を歩く場所で、
「手を繋いでいたら井戸に落ちることは無い。だから手を放さないで」
と、直子に言われているように感じる。
だから私は言われた通り手を繋いで放さないで歩いた。





だから出逢うことができた。そこで待っていてくれた。
「やあ」と彼らは言う。
驚いた。彼らが待っているとは思いもしなかった。
私たちは抱き合った。ビスケットを食べた。
そう感じた。
一緒にススキのところまで山を降りた。そして彼らは消えた。



ここから先は現実が待っている。
ちゃんと現実に向き合う力が今はある。
きっと向き合える。現実を受け入れて、生きていける。

きっと大丈夫。
無理な時はまたここに来ればいい。
ゲストハウスのオーナーはいつでもここにいる。
山や川や滝はいつでもここにいる。
「空」はここにある。
ワタシはここにいる。

現実がくるしくなればまたここにくればいい。
私にはここがある。

そう、だから大丈夫。

車を夕方走らせ、現神戸に帰る。


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