いや、宮城県はコロナ戒厳令が発令されていて県知事の命で何が何でも家に閉じこもっていろ、とのお達しが出ているわけです。
しかし、そんなものは糞食らえ、なんてことは思わないがバイクで走ってコロナを拾ったり広めたりって事はあるまい、と解釈し出掛けた次第であります。
行き先は宮城県の北隣の岩手県は平泉町でありました。
我が家から東北自動車道経由で1時間30分程度で、距離にしたら120キロくらいであります。
さて、皆様は平泉と聞いたら何を真っ先に思い浮かべますか?
そーですか、やっぱし中尊寺と藤原氏や義経を思い浮かべますか。
なにっ?
中尊寺の和尚だった今東光を思い浮かべる、ですとな!!!
それなら寂聴までいってください、なんちゃって。
と、散々中尊寺を引っ張っておいて言うのもナニなんですが、私ゃあのような寺に興味はありませぬ。
世界遺産なんですと言われても、ああそーですか、ってなもんでして、自分が行ったのはすぐ近くの「毛越寺」でありました。
あれです、中尊寺は藤原氏初代清衡の造営でして、毛越寺は二代基衡と三代秀衡が造営したものであります。
で、今は中尊寺の金色堂が現存しているのであっちが有名ですが毛越寺にあった金堂円隆寺のほうが更に大きく煌びやかであったと言われています。
しかし、二代目や三代目は大概初代を超えようと張り切るのが常ですから毛越寺もそう言うことだったろうと思うんであります。
それにしても兵どもの馬鹿野郎ってことで伽藍や堂の全てが消失しているのは誠にもって残念であります。
と、ここまで毛越寺を持ち上げましたが私ゃ寺を見に行ったわけでは無く、平安時代の浄土庭園を復元したと言われる庭を見に行った次第であります。
バイク50円 閑散とした駐車場
あれです、最初に行ったのは中尊寺の駐車場だったんですがあっちは手前の入り口に近い駐車場はほぼ満車の盛況でありました。
で、ほんとは中尊寺を見ても良かったんですが混雑ぶりと、入場料が800円というのに恐れをなして通過したのが本音であります。
入場料は700円は微妙
入場券を買いに行って嫌なものを見ました。
500円から700円に値上げしました、とのおことわりであります。
しかし、見たくて来たんだから700円を惜しんではならないと嫌がる自分に言い聞かせ入場した次第であります。
自分にも彫れそう なんちゃって
いや、まず足を運んだのが宝物館でありましたが、小ぶりの建物に控えめな展示物で結構な薄味でありました。
はっきり言って眼を見張るようなお宝らしきものは無く、現存しない物の説明書きが多いのが特徴かと思いました。
岩手といえば 新渡戸稲造
芭蕉の「夏草」の英訳の碑があったんですが昭和42年建立と言うのがどーも、なんちゃって。
左の石碑に芭蕉直筆の「夏草」が
いや、芭蕉がこの地を歩いたのは元禄二年だとすると毛越寺その他はたぶん荒れ野に近いものであったと思うわけですが、そこから兵を思うなんぞはなんともはや、であります。
浄土庭園 大泉が池
いや、浄土庭園にも色んな形式があるのは知っていましたが、これは結構シンプルな物だと思うんであります。
いや、下手な蘊蓄はナニなんですが、やっぱし海を作ったのか池を作ったのかの違いが如実に出ていると思うのであります。
だから、良い塩梅に配された松が広がりのある空間を作り、松と抱き合わせて立つ杉の大木も海を想わせると感じた次第であります。
で、歴史は疎い自分ですが毛越寺の庭園からは黄金輝く平安文化と藤原氏の栄華をそこはかとなく感じたのであります、なんちゃって。
力強い石組みと思いました
いや、男根にも似た石は「池中立石」と言うのだそうですが見方としては池の奥の山を借景として成り立つわけであります。
で、浄土庭園を回遊しながら立石を見た自分はイスラムの教えを思ったのでありましたが、説明は省きます。
と、言うことでスタスタと歩けば1時間とは掛からない毛越寺一式を2時間近くも歩き回りました。
いや、実は庭園のあちこちで松や杉の枝払いをしていたんですが高所作業車のは入れない中の方はロープを張ってクライミング剪定をやっていたわけです。
そんなわけで庭を見ていたのが1時間で残りは木に登っている庭師の手捌きやらを観察していたと言うのがオチでありまして、いやぁ、良い物を見せていただきました。
さて、バイクにまたがって時計を見れば12時でありましたが、本日の昼飯は高速のパーキングで食べる予定なのであります。
と、言うことで平泉から国道四号で一関に入り東北自動車道の上り線に乗ったのであります。
で、それなりのスピードで15分も走ると宮城県の北端の金成パーキングに着くんですが、ここは小さなパーキングですがメシが美味いところなのであります。
かき玉そば 560円(税込)
世の中には二八蕎麦ってのが有名ですが、この蕎麦は八二蕎麦でしてつなぎが八割だと自分は思うのであります。
しかし、この蕎麦粉とつなぎの配分はしょっぱい汁との相性が抜群でして食欲をそそるのであります。
なんと申しましょうか、言うならば下品な美味さが癖になる感じでして恐らく関西の人は口にした瞬間にぶへっとなる類のものかも知れません、かな?
いや、添えられているかき揚げが最高でして、サクサクのパリッパリなのであります。
これを煮染めた醤油のような出汁に沈め蕎麦と絡めて口に入れればえも言われぬ旨味が広がるのであります。
しかし、あまり噛み締めても良く無く、質の良くない油を感じる前に飲み込むのが良いわけであります。
あれです、かき揚げは一見すると小エビのような赤いものがたくさん入っていますがそれは全て人参でしてエビなんてのは欠けらも入っていません。
ついでに言うと卵を落とすのは汁のしょっぱさとかき揚げの油を中和するのが目的であります。
で、この手の物なので食券を買ってから食べ終わるまでに10分もあれば終わっちまうわけであります。
なので缶コーヒーを買いベンチに座りボケーっとし、久々に魂を解放したのでありました。
さて、ここからは家までノンストップであります。
が、高速で一気に走るのもつまらないので古川インターで降りて一般道を行くことにした次第であります。
岩出山から中新田を抜け大和町を通る国道457で我が家まで大体50キロ。
到着時刻は2時半だなと思ったらピッタリ読み通りでありました。
家の近くで給油したら9リットル入りました。
走行距離は240キロ、高速代が2700円くらい。
入場料が700円で蕎麦代が560円。
えっ? ガソリン代も入れると5220円も掛かったの?
ひぇ〜 また散財しちまった、なんちゃって。
あー楽しかった、と。
こちらもいいもの見せていただきました。
栄枯盛衰はあるにせよ
時の権力者にしかできない所業。
山の中で海を見たてるように造るなんて
こころにくいです。
日本全体で見ると歴史的にぱっとしない東北の地にも藤原文化があったのは嬉しい限りであります。
しかし、このような地に赴いて俳句も短歌も出てこないって、情けないであります。
あとで、
机の上で作るか
寝る前に布団の中で作るかしています。
吟行のつもりでどこそこ出かけ
言葉を集めたり
心が動いたことをメモしたりしておいて
取材だけしておきます。
私は~。