2014年 11月4日 月曜日 CA437便にてカトマンズへ
成都のホテルも快適だった。
スタッフは若く明るく快活で、どことなく日本なら東北の少し田舎ののんびりした街の人たちか? と、言う雰囲気も自分の感覚に良く馴染み、滞在中なんら緊張が無かった。
中国は飯が美味いと思った。
入国以来大したものも食べていないのだが、それでも、在り来たりのフードコートのファストフード的食事でさえも美味いのだ。
昨夜の夕食はホテルのレストランで食べた。
日替わりディナーのお得なセットがあったのだが簡体文字が読めず私はランチの案内かと見逃してしまい、単品の高い料理のメニューに目を見張っていた。
文字を読んでも解らないので写真で決め、豚肉の煮込みのような物を頼んでみた。
とろけるように煮込んだ三枚肉 微かな香味が中国でした
レストランに英語の出来る係の人は独りしか居なくて、しかも彼女はこの場の総指揮者で忙しい様子。
私独りを相手にしていられず直ぐに居なくなり注文を出せずに困っていた。
すると隣の席に座っていた数人の学生風の男性の一人が英語で話しかけて来た。
注文は彼らが他の係の人に伝えてくれ、事無きを得た。
その後彼とは何の会話も無かったが、日本人である事を意識させられる事は無く、困った旅行者に手を貸しただけと言う雰囲気であった。
おいおい、抗日・反日の中国人は何処へ消えたのだ? と、余りにも日本人と変わるところの無い中国人を見続け自分の意識がすっかり変わってしまったのを感じた。
さて、豚の三枚肉風の煮込みは、八角がほのかに利いて絶品でした。
肉の下に敷き詰めてあったのは塩気の薄い高菜漬けのような物で、これが脂っ気の多い肉との相性が良く、周りに添えてある餡の無い饅頭の皮だけのような物と一緒に食べると美味かった。
本当はビールも飲みたかったのだが、先に外のコンビニで安い中国製ビールを数本買い求めてあったのでここでは我慢して部屋で飲む事にした。
さて、カトマンズ行きの中国国際航空 CA438便でカトマンズへ向かったのだが、またもや小型のエアバス319型機に乗せられ、私は閃いた。
今まで乗って来た飛行機の飛行時間は総て4時間未満なのだ。
成る程、中国国際航空の基本は拠点空港で乗換えの中継をする事で長距離の大型機を使わない仕組みなのだな、と。
効率の良い小型機の便数を飛ばす事で一機当たりの搭乗率を上げているのだな、と。
そして、TV・機内誌・毛布・枕と、凡そ素人が目に付く物でも無駄と軽量化を図っているなと伺える仕組みは、だからこそこの価格で仙台からカトマンズまで運んでもらえるのかと納得する物だった。
青いホイルの中身は「チキンライス」と言われたが
鴨肉のローストの入ったサラダが美味いんだなぁ~
飛行機の中でランチが出る時間帯を迎えるので少し期待していた。
しかもこの便は国際線だし、と。
はたして私は、供された中国国際航空のランチをいただきつつ、またしても噂に聞くのとは全然違う、香辛菜とザーサイで食べるご飯と鴨肉のローストのサラダの美味さに感激していた。
美人だが少し冷たい感じの客室乗務員が「チキンライス」と説明したご飯は、私の思い込みと違って「鶏肉のうま煮あん掛けご飯」のような物だった。
しかし、それは良い方の食い違いであり、ケチャップ味のチキンライスよりも遥かに上品なご飯に香辛菜とザーサイを散らして食べた美味さに、私は諸手を揚げて降参したい気分であった。
まあ、実際に食べた人から、そこまで言う程の物かと言う御意見もありましょうが、今の私は「中国好きかも知れない」の方へベクトルが向いていますから・・・。
私は、他のアジアの国へ出掛けると殆どの場合日本人かと言われるのだが、近頃では中国人かと問われる事も多くなった。
しかし、中国では私は完全に「人民」だと思われていた。
何故ならば、ただの一度も日本語はもちろん英語で話しかけられる事も無かったのだから。
英語が堪能な人の居た上海の土産物屋でも、北京のラーメン屋でも、相手は何の疑いも躊躇いも無く中国語で話しかけて来た。
中国人が私を中国人だと思い込むと言う事は、私は中国人っぽいと言う事か?
それはそれで少し複雑な気持ちではあるが・・・とにかく似てるんだな、と。
10時40分に成都を出て、予定通りの12時20分にカトマンズに着いた。
時差が2時間15分あるので実際の飛行時間は3時間半程だった。
カトマンズの空港に異変があった。
昨年は到着してからビザを貰うのに、観光客がごった返す列に1時間以上も列ばなければならなかったのだが、今年は列が無いのだ。
到着便や時刻の関係なのかも知れないが、アライバルビザのフロアーには数名の人しか居なくて、列ぶ人など皆無だったのだ。
到着時刻の妙もあるのかも知れなかったが、昨年は総ての期日のビザが同じ列で処理されていたのが、期日毎に別れた上に、料金を支払うカウンターとビザを貰うカウンターが別になりとてもスムーズになっていた。
私は1ヶ月のビザのカウンターを見つけ40ドルを支払い、僅か5分足らずで入国審査まで終えた。
空港へは今度のクライミングの手配をお願いしたツアー会社の人が迎えに来ているはずだったが私の名前を書いたカードを持っている人は見当たらなかった。
私はトランクを引きずりながら出迎えの人達が列んでいる通路の向う側へ行き日本人名らしい名前のカードを持った人の前を歩いてみた。
すると、全く違う名前のカードを持った人から声が掛かった。
話してみると間違い無く自分が手配したツアー会社の人であった。
彼曰く、この後の便だと思っていたとの事で、今は違う人の出迎えに来ているのだとか。
うんうん、そんな事では動じないし怒らないし、ネパール感覚は昨年嫌と言う程学習しているから平気ですよと、日本語の堪能な彼に英語で言ってやった。
ツアー会社の彼は本来ピックアップするべき日本人を待つとの事で私は一人タクシーに乗ってホテルに向かった。
ホテルはタメル地区のほぼ中心部で昨年散々散策した場所にあった。
少し遅い昼飯 チキンカレーとエベレストビール 600円くらい
友好的な中国人に助けられ何の苦も無くカトマンズに着いたように思っていた私だったがやはり疲れていたのか、昼飯にビールを飲んだら眠くなった。
しかし、朝にタイガービールを軽くやり、飛行機内でも鴨肉をつまみに三本程いただき、そして今、と、考えてみれば朝から飲み通しではあった。
うん、明日からは登頂を終えルクラに戻るまでまた禁酒だからなと部屋に引き揚げシャワーを浴びて少し寝た。
追記
カトマンズの安屋との温水シャワーは太陽熱か電気温水器で温めているのだが、どちらにも欠点があった。
太陽熱は、亜熱帯なのでそこそこ強いのだがカトマンズでも標高は1400mを超えていて陽が陰れば急速に冷え込む。
では電気温水器はと言うと、慢性的な電力不足から計画停電が為されているので温めたお湯を保温し続ける事が出来ずやはり日没とともに冷めてしまう。
では、日中ならある程度熱いお湯が出るのかと言うと、元々お湯に対する温度感覚が日本人とは掛け離れているネパール人の感覚で言うお湯はぬるいのだ。
ホテルの料金で言えば、価格表で50ドルと謳っていて割引して25ドルから30ドル程度のホテルになると24時間熱いお湯が出て、場合に因ってはバスタブに溜める事も期待出来る。
しかし、10ドル以下のホテルでは、ホットシャワーと謳っていても、とても冷たい水が出る水道よりは温かい、日本人に言わせると、あまり冷たく無い水程度の物でしか無い。
もしもカトマンズへ旅する事があって、夜間に冷え込む季節だとしたら、あまりケチなことを言ってホテルを選ぶと哀しい思いをするので、そこは少し奮発した方が良いでしょう。
若しくは、ネットで評判の良い安宿はお湯も出ますから、それらをまめに探すのが得策です。
格安トレッキング会社が手配したタメルの安宿は危ないと思って見た方が賢明でしょう。
つづく
成都のホテルも快適だった。
スタッフは若く明るく快活で、どことなく日本なら東北の少し田舎ののんびりした街の人たちか? と、言う雰囲気も自分の感覚に良く馴染み、滞在中なんら緊張が無かった。
中国は飯が美味いと思った。
入国以来大したものも食べていないのだが、それでも、在り来たりのフードコートのファストフード的食事でさえも美味いのだ。
昨夜の夕食はホテルのレストランで食べた。
日替わりディナーのお得なセットがあったのだが簡体文字が読めず私はランチの案内かと見逃してしまい、単品の高い料理のメニューに目を見張っていた。
文字を読んでも解らないので写真で決め、豚肉の煮込みのような物を頼んでみた。
とろけるように煮込んだ三枚肉 微かな香味が中国でした
レストランに英語の出来る係の人は独りしか居なくて、しかも彼女はこの場の総指揮者で忙しい様子。
私独りを相手にしていられず直ぐに居なくなり注文を出せずに困っていた。
すると隣の席に座っていた数人の学生風の男性の一人が英語で話しかけて来た。
注文は彼らが他の係の人に伝えてくれ、事無きを得た。
その後彼とは何の会話も無かったが、日本人である事を意識させられる事は無く、困った旅行者に手を貸しただけと言う雰囲気であった。
おいおい、抗日・反日の中国人は何処へ消えたのだ? と、余りにも日本人と変わるところの無い中国人を見続け自分の意識がすっかり変わってしまったのを感じた。
さて、豚の三枚肉風の煮込みは、八角がほのかに利いて絶品でした。
肉の下に敷き詰めてあったのは塩気の薄い高菜漬けのような物で、これが脂っ気の多い肉との相性が良く、周りに添えてある餡の無い饅頭の皮だけのような物と一緒に食べると美味かった。
本当はビールも飲みたかったのだが、先に外のコンビニで安い中国製ビールを数本買い求めてあったのでここでは我慢して部屋で飲む事にした。
さて、カトマンズ行きの中国国際航空 CA438便でカトマンズへ向かったのだが、またもや小型のエアバス319型機に乗せられ、私は閃いた。
今まで乗って来た飛行機の飛行時間は総て4時間未満なのだ。
成る程、中国国際航空の基本は拠点空港で乗換えの中継をする事で長距離の大型機を使わない仕組みなのだな、と。
効率の良い小型機の便数を飛ばす事で一機当たりの搭乗率を上げているのだな、と。
そして、TV・機内誌・毛布・枕と、凡そ素人が目に付く物でも無駄と軽量化を図っているなと伺える仕組みは、だからこそこの価格で仙台からカトマンズまで運んでもらえるのかと納得する物だった。
青いホイルの中身は「チキンライス」と言われたが
鴨肉のローストの入ったサラダが美味いんだなぁ~
飛行機の中でランチが出る時間帯を迎えるので少し期待していた。
しかもこの便は国際線だし、と。
はたして私は、供された中国国際航空のランチをいただきつつ、またしても噂に聞くのとは全然違う、香辛菜とザーサイで食べるご飯と鴨肉のローストのサラダの美味さに感激していた。
美人だが少し冷たい感じの客室乗務員が「チキンライス」と説明したご飯は、私の思い込みと違って「鶏肉のうま煮あん掛けご飯」のような物だった。
しかし、それは良い方の食い違いであり、ケチャップ味のチキンライスよりも遥かに上品なご飯に香辛菜とザーサイを散らして食べた美味さに、私は諸手を揚げて降参したい気分であった。
まあ、実際に食べた人から、そこまで言う程の物かと言う御意見もありましょうが、今の私は「中国好きかも知れない」の方へベクトルが向いていますから・・・。
私は、他のアジアの国へ出掛けると殆どの場合日本人かと言われるのだが、近頃では中国人かと問われる事も多くなった。
しかし、中国では私は完全に「人民」だと思われていた。
何故ならば、ただの一度も日本語はもちろん英語で話しかけられる事も無かったのだから。
英語が堪能な人の居た上海の土産物屋でも、北京のラーメン屋でも、相手は何の疑いも躊躇いも無く中国語で話しかけて来た。
中国人が私を中国人だと思い込むと言う事は、私は中国人っぽいと言う事か?
それはそれで少し複雑な気持ちではあるが・・・とにかく似てるんだな、と。
10時40分に成都を出て、予定通りの12時20分にカトマンズに着いた。
時差が2時間15分あるので実際の飛行時間は3時間半程だった。
カトマンズの空港に異変があった。
昨年は到着してからビザを貰うのに、観光客がごった返す列に1時間以上も列ばなければならなかったのだが、今年は列が無いのだ。
到着便や時刻の関係なのかも知れないが、アライバルビザのフロアーには数名の人しか居なくて、列ぶ人など皆無だったのだ。
到着時刻の妙もあるのかも知れなかったが、昨年は総ての期日のビザが同じ列で処理されていたのが、期日毎に別れた上に、料金を支払うカウンターとビザを貰うカウンターが別になりとてもスムーズになっていた。
私は1ヶ月のビザのカウンターを見つけ40ドルを支払い、僅か5分足らずで入国審査まで終えた。
空港へは今度のクライミングの手配をお願いしたツアー会社の人が迎えに来ているはずだったが私の名前を書いたカードを持っている人は見当たらなかった。
私はトランクを引きずりながら出迎えの人達が列んでいる通路の向う側へ行き日本人名らしい名前のカードを持った人の前を歩いてみた。
すると、全く違う名前のカードを持った人から声が掛かった。
話してみると間違い無く自分が手配したツアー会社の人であった。
彼曰く、この後の便だと思っていたとの事で、今は違う人の出迎えに来ているのだとか。
うんうん、そんな事では動じないし怒らないし、ネパール感覚は昨年嫌と言う程学習しているから平気ですよと、日本語の堪能な彼に英語で言ってやった。
ツアー会社の彼は本来ピックアップするべき日本人を待つとの事で私は一人タクシーに乗ってホテルに向かった。
ホテルはタメル地区のほぼ中心部で昨年散々散策した場所にあった。
少し遅い昼飯 チキンカレーとエベレストビール 600円くらい
友好的な中国人に助けられ何の苦も無くカトマンズに着いたように思っていた私だったがやはり疲れていたのか、昼飯にビールを飲んだら眠くなった。
しかし、朝にタイガービールを軽くやり、飛行機内でも鴨肉をつまみに三本程いただき、そして今、と、考えてみれば朝から飲み通しではあった。
うん、明日からは登頂を終えルクラに戻るまでまた禁酒だからなと部屋に引き揚げシャワーを浴びて少し寝た。
追記
カトマンズの安屋との温水シャワーは太陽熱か電気温水器で温めているのだが、どちらにも欠点があった。
太陽熱は、亜熱帯なのでそこそこ強いのだがカトマンズでも標高は1400mを超えていて陽が陰れば急速に冷え込む。
では電気温水器はと言うと、慢性的な電力不足から計画停電が為されているので温めたお湯を保温し続ける事が出来ずやはり日没とともに冷めてしまう。
では、日中ならある程度熱いお湯が出るのかと言うと、元々お湯に対する温度感覚が日本人とは掛け離れているネパール人の感覚で言うお湯はぬるいのだ。
ホテルの料金で言えば、価格表で50ドルと謳っていて割引して25ドルから30ドル程度のホテルになると24時間熱いお湯が出て、場合に因ってはバスタブに溜める事も期待出来る。
しかし、10ドル以下のホテルでは、ホットシャワーと謳っていても、とても冷たい水が出る水道よりは温かい、日本人に言わせると、あまり冷たく無い水程度の物でしか無い。
もしもカトマンズへ旅する事があって、夜間に冷え込む季節だとしたら、あまりケチなことを言ってホテルを選ぶと哀しい思いをするので、そこは少し奮発した方が良いでしょう。
若しくは、ネットで評判の良い安宿はお湯も出ますから、それらをまめに探すのが得策です。
格安トレッキング会社が手配したタメルの安宿は危ないと思って見た方が賢明でしょう。
つづく