2014年 11月3日 日曜日 上海発 成都行き CA4597便に乗る
タバコ臭い部屋とかシーツは替えてあるのか? 等々、アレコレ気になったホテルでは在ったけれども、結局は快眠し、すっきりと起きた。
当初は経費節約の為に空港の椅子で仮眠も考えたが、寄る年波や本来の目的がヒマラヤのクライミングである事を鑑み、そこまでは体力温存健康保持の方向で行こうとホテル泊を選んだのは正しかったようだ。
9:35分発の飛行機なのだが不慣れな空港の事を考慮して7時にはホテルをチェックアウトした。
昨夜デポジットを要求され預けた200元をしっかりと回収しターミナルへ向かった。
どうしようか~・・・昨晩食事をしたフードコートで朝食をとるか?
いや、これだけ大きな空港なのだから他にもっと在るはずと先へ行って見る事にした。
国内線への搭乗にも関わらず荷物検査の他にパスポートチェックもあって国際線と殆ど変わらなかった。
しかし、それらの手続きは至ってスムーズに行われ煩わしいとか、無用な事を形骸的に漫然とやっている感覚は無く、アジアで独裁政権が長く続いた国などで感じる嫌な雰囲気はなかった。
チェックインが済み搭乗口に向かう前に機内持ち込み荷物のエックス線検査があった。
私のザックの中のT型の物が気になるらしく、若い男性係官がカウンターの若い女性係官にチェックを命じた。
若い女性の係官は美形であった。
しかも、中々流暢な英語で話しかけて来る。
私は楽しくなり、無駄な事を話しながら、君はこれなんだと思う?と尋ねてみた。
するとエックス線のモニターを見ていた先程の係官が「シェイバー」と笑いながら答えた。
彼も英語は堪能だった。
私はわざと驚いた風に少し大袈裟に、自分もそうだと思うんだけれど、君もシェイバーだと思うんなら問題無いじゃないか?と、言ってみた。
すると彼は、規則があってね、と言うニュアンスのことを言って笑った。
私は調子に乗って、これはプラスティックのT字型のひげ剃りなんだが、プラスティックと金属までは判断出来ないのか?と尋ねてみた。
すると、解るんだが、細かい事は秘密だと言った。
私はザックからひげ剃りを取り出し再度エックス線に通し解放された。
ここでの数分間の会話の中には官憲的な威圧や日本人への特別な意識は微塵も感じられず、今まで通ったアジアの国の中で一番好感が持てた。
アジアの空港の多くで感じる、係官が持つ特権意識みたいなものが皆無だったのだ。
若くて美形の女性係官は荷物を収め直すのを手伝ってくれ、良い旅を、と、言ってくれた。
ヤバイ・・・中国のイメージがどんどんと良い方に変わって行く。
抗日・排日は何処にあるのだ。
広いターミナルビルを右往左往する事も無く的確な案内表示でスムーズに歩いて行けた。
それにしても広い。
ターミナルビルの天井の高さ、奥行き、幅、と、何処を見ても余裕だらけなのだ。
そして、他のアジアの国の例としては、供用を開始した瞬間が一番素晴らしく、後は時間とともに劣化して行くのみと思っているのだったが、上海の空港で感じるのは、維持管理や清掃が行き届いているなと言う事だった。
まるで日本の空港と変わらない飲食店
ご飯とビールで約2000円は高いと思うが
幾つかの飲食店をやり過ごし、そろそろ先が見えて来てここが最後かも知れないと思しき辺りで軽食屋風の飲食店に入った。
店の構えと雰囲気を超えたメニューに喜んだのも束の間、それらの価格に腰が引けた。
食べ物は何を頼んでも1000円以上もするのだった。
私は簡体文字のメニューに「チンジャォロース」と書かれているらしいもの頼みつつ、タイガービールの小瓶を注文した。
朝からビールでもないだろうと言う控えめな気持ちは何処にも無く、どうせ飛行機に乗って成都に行くだけだからと暢気な旅気分に入っていた。
それと言うのは、少し緊張と用心を持って臨んだ中国の空港のトランジットや格検査が余りにスムーズで、海外では結構敏感な私の警戒系態勢が解除されたからだった。
しかし、気を抜けないのが空港施設内の飲食である。
チンジャオロースを繁体文字で書くと「青椒肉絲」であり、緑の野菜の細切りとしてピーマンが入っているとばかり思っていたら緑は無くて人参の赤が出て来た。
中国の青椒肉絲は豚肉が本当であると言うのは辛うじて知っていたのでそこは良いのだが、シャキシャキとしたピーマンを期待していたので少しガッカリした。
しかし、食べてみれば、黒胡椒が程良く利いたスパイシーな味は中々の物で、何かがシャキシャキとした歯応えも醸し出していた。
正体はタケノコかと思ったが定かでは無い。
そして、一番用心しなくては成らないのが価格であった。
チンジャオロースが1300円、タイで80円程のタイガービールが700円程と、私の想像を遥かに超えていたのだ。
中国なんだから安いだろうと言う先入観から価格に対するギャプを感じるのだと言うのは否めないが、タイガービールの小瓶が700円は凄過ぎるだろうと半ば憤慨しつつも、冷えたビールは美味かった。
成都行きのゲートは一番奥だった。
搭乗開始30分前に行ってみると待ち合いの椅子は殆ど埋まっていた。
昨日の仙台~上海便には機内に電気釜の箱を持ち込んであたふたしていた中国人のおばさんが居て微笑ましかったが、ここで搭乗待ちをしている人達は仕事での移動なのか、日本の朝のビジネス便の発着時と同じ雰囲気だった。
中国国際航空 CA4592便 定刻より15分遅れて出発。
成都 流し見 1(成都の街の感想 1)
成都 流し見 2(成都の町の感想 2)
成都街の感想は・・・↑ 上記リンクに書いています。
追記
待ち合いの椅子に座って微笑ましい母子の姿を見ていた。
3才くらいの女の子と母親の姿であった。
そのうち子供が愚図りだしたのだが母親は無視して取り合わなかった。
やがて子供が泣き出すと母親は大きな声で子供を叱った。
もとより何を言ったかは解らないのだが子供はぴたりと泣き止んで母にすがりついた。
その間、廻りの中国人は殆ど関心も持たず無視であった。
母親が大きな声を上げた時にも誰も目さえ向けなかった。
中国での叱り方として日常の事なのだろうかと思った。
その昔し、私が子供の頃の日本の母親もそうであった。
問答無用のどやし付けるような叱り方は普通であったが、今は言って聞かせるような諭し方が多いような気がする。
どうと言う事の無い風景なのだが、私にはこんなところも中国を現している事のように思え興味深かった。
つづく
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