今日も国際関係アナリスト・北野 幸伯さんのメルマガからお伝えします。
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全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは! 北野です。
私は現在、50歳です。
ソ連が崩壊して冷戦が終わった1991年12月、私は21歳でした。
(現地でソ連崩壊を目撃しました。)
私の世代、上の世代は、「冷戦の恐怖」を覚えています。
それは、「核戦争が起こって、人類が滅亡する」という恐怖。
そして、「世界が共産化する」という恐怖です。
「共産主義」のシンボルカラーは「赤」。
だから、ソ連の国旗、中国の国旗、ベトナムの国旗などは「赤ベース」です。
そして、昔は共産主義者のことを「アカ」と呼んでいました。
私も90年代、一時帰国した際、「モスクワに留学しています」というと、
「アカですか?」と聞かれました。
ちなみに、私は、かつて共産主義者だったことはありません。
ソ連崩壊後、世界は「楽観主義」に包まれました。
フランシス・フクヤマさんの「歴史の終わり」が大ベストセラーになった。
彼は、「リベラル民主主義は、政治の最終形態。『歴史の終わり』だ!」と主張したのです。
彼がそういったわけではありませんが、ソ連が崩壊し、東欧が民主化され、
「世界は、自由民主主義一色になる。世界の未来は明るい!」と思われたのです。
ところが、皆さんもご存知のように、そうはなりませんでした。
既述のように、共産主義の色は「アカ」です。
そして、独裁国家の色は、「黒」としましょう。
現在の中国は、共産党の一党独裁国家ですが、明らかに
「アカ」 とは違います。
共産主義の特徴はいろいろありますが、根本は「私有財産の否定」です。
たとえばソ連には、私有財産はなく、「共有財産」「国有財産」だけでした。
会社は全部国営で、社会人は全部公務員でした。
だから、中国は、共産党が支配していても、「アカ」ではありません。
私が見るに中国は、
・政治体制 = 共産党の一党独裁
・経済体制 = 国家資本主義
・イデオロギー = 「中国の夢」 = 民族主義
中国は、「民族主義的独裁国家」です。
中国の色は、独裁国家の【 黒 】であり、それを輸出しています。
つまり、世界を【 黒化 】しているのです。
検証してみましょう。
1、香港
香港には2019年まで、自由がありました。
「100万人デモ」「200万人デモ」が起こっていた。
ところが2020年6月、「香港国家安全維持法」が成立した。
これで、香港の自由は、完全に死にました。
2、ベラルーシ
2020年8月、ベラルーシで大統領選挙がありました。
1994年から大統領に居座り続けているルカシェンコが勝利。
これで、なんと「6期目」になります。
国民は、この選挙結果に納得せず、大規模なデモが起こりました。
しかし、ルカシェンコは、武力を使ってデモを鎮圧しました。
彼は、香港に対する中国政府のやり方から学んだのでしょう。
3、ロシア
ロシアでは、「反汚職基金」の創設者で、ロシア一の政治系ユーチューバー、アレクセイ・ナワリヌイが2020年8月、「毒殺未遂」にあいました。
しかし、彼は生き残り、ドイツで治療をつづけていた。
彼は今年1月、ロシアに帰国し、逮捕されました。未だに刑務所にいます。
ナワリヌイの釈放を求める大規模デモがロシア全土で起こりましたが、
プーチンは、武力で鎮圧することに成功しています。
「中国式」ですね。
4、ミャンマー
今年2月、ミャンマーで軍によるクーデターが起こりました。
アウンサンスーチー国家顧問や、ウィンミン大統領はつかまりました。
ミャンマーは、軍の独裁体制に逆戻りしています。
5、アフガニスタン
そして、アフガニスタンです。
米軍の撤退に乗じて、タリバンがアフガニスタン政府を打倒。
アフガニスタンは20年前に逆戻りし、「タリバン独裁体制」になっています。
世界では、いろいろなできごとが起こっています。
バラバラに起こっているように見えますが、
「独裁化」 = 【 黒化 】
が起こっているという視点で見るとわかりやすいです。
ソ連は、世界を「赤化」しようとしました。
今、中国は世界を【 黒化 】しようとしています。
劣勢になったアメリカは、どう行動しようとしているのでしょうか?
長くなるので、動画で解説しています。
ちなみにこの動画には【 世界黒化地図 】があります。
その勢力の大きさに、皆さん卒倒するでしょう。
とても重要な話ですので、是非ごらんください。 ↓
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