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『日本はどれほどいい国か』(プロローグ)

2019年04月28日 | 政治・経済
今日から日下公人・高山正之(対談)著書「日本はどれほどいい国か」より転載します。この本には副題があり、「何度でも言う、『世界はみんな腹黒い』」と付けられています。

ご両人の辛辣(しんらつ)なご意見を多々お見受けしますが、すべては正論だと思っています。ご意見をよく認識して、これからの日本の進むべき針路として捉えていきたいと思います。

白人世界の欺瞞(ぎまん:ごまかし、ペテン)、偏頗(へんぱ:不公平)さを知悉(ちしつ:熟知)し、独特のユーモアで指摘されてきた日下先生と対談された高山先生は、「日下先生から日本人の大きさを知り、同時に日本のジャーナリズムの歪(いびつ)さの根源を探れたのは大いなる快事だった」と緒言で述べられています。

一方の日下先生は、「高山正之氏のお話は、ことごとく正論である。ただし、一般の日本人には初耳のことが多いから、人々は半信半疑で“もしこの話が正しいなら、“なぜ学校で教えてくれなかったのだろうか”と考える。また、“なぜ大新聞には書いていないのだろう“と疑う。

人々は好奇心旺盛で誰も知らない話を知りたいといつも思っているが、自分だけというのは不安である。そこで高山正之氏は、話の出所や根拠を克明に明記して、その不安の解消に努めておられるが、有力な新聞や権威ある学者がそう言っていないという事実は動かない」と語っておられる。

それでも先駆者の説はその正しさのゆえに少しずつ変化しはじめる。その段階で人々はこんなことに気がつく。
  1. 学校で教えることには偏向がある。
  2. 新聞・雑誌の報道にも偏向がある。
  3. 権威ある専門家の解説もそろって間違っていることがある。
  4. 新説だからといって軽視してはいけない。
  5. 初耳だからといって、その説が間違っていると決め込んではいけない。
  6. 正しいかどうかは自分で確かめるべきものである。

ということになって、高山説の当否を自分の目で確かめようと努力を始めると、
  1. なるほど事態の推移が高山説に軍配を上げているのが見えるようになる。

というのが、多くの読者、および多少進んだ読者の気持ちではないかと思う。
そこで、その次の段階でなすべきことは、学校教育やマスコミが意識・無意識裡(り)に内包している偏向の正体を見つけることで、それができるようになると、高山説の正当さが、自然で当然のものだとわかるようになるのである。

かねて尊敬する高山正之氏のお話の相手をしながら私が心がけたことは、これまでの常識が持っている偏向の正体を自分なりに述べて援護射撃することだった。
簡単に要約すれば、

  • 文部省および文部科学省がこれまで進めてきた日本の高等教育には、欧米崇拝病というウィルスがひそんでいる。
  • 欧米人が信奉するサイエンスには、社会科学はもちろん自然科学においてもキリスト教的な宇宙観や人間観による汚染が入っている。
  • 日本のマスコミには、マッカーサーが吹き込んだ新憲法絶対尊重という迷夢からいまだに覚醒しない人がたくさんいる。

などだが、信者になっている人にわからせるのは大変なことで、たいていは水かけ論になってしまう。
そこで、この本はショック療法的な解毒剤としての効用を持つことになる。
今後、この本に続くべきは、
  1. 偏向の正体を解明する考察、(2) 偏向なき思考――によって見えてくる国際関係の将来像の提示だと思う。
と日下先生は結びの言葉を添えられている。

このお二人の対談を次回からご紹介します。

---owari---
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