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「自由がない国」ってどんな感じ?

2024年08月27日 | 政治・経済
今日も国際関係アナリスト・北野 幸伯さんのメルマガからお伝えします。

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全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは! 北野です。

2022年、私と妻と娘、息子は、沖縄に行きました。
もちろん、国内線の飛行機でです。
その時、妻が、「搭乗手続き」「保安検査」「飛行機搭乗」の際に、毎回「パスポートを見せる必要がありますか?」と聞きました。

その度、スタッフが、「いえ、必要ありません」というので、妻は毎回驚いていました。
そう、ロシアでは、国内を飛行機で旅行する際も、何度もパスポートをチェックされるのです。

感動した妻は、(私抜きで)子供たちとモスクワに帰省した時の経験を話してくれました。
妻は、ダーチャ(郊外の別荘)のあるヴラジーミル州に行こうと思いました。
私たちがモスクワに住んでいた時は、私が車を運転し、ダーチャに行っていました。

しかし私がいないため、妻は、ダーチャのそばの町まで「バスで行こう」と思った。
妻は、子供たちを連れて、バスのチケット売り場に向かいます。
「ポクロフまで大人1枚、子供2枚」
と彼女はチケット売り場の女性に言いました。

するとチケット売り場の女性は、「パスポート」と言いました。
国内を移動するバスのチケットを買うのに、パスポートを提示する。

日本人の皆さんには驚きでしょう。
しかし、妻は、ロシアの体制に慣れているので驚きません。
「はい」といって、3人のパスポートを女性に渡します。

続いて女性は、「妻もびっくり」の要求をしました。
「出生証明書」
「シト???????」(何?)

「出生証明書」
なんでも、妻が連れている二人の子供たちが、「彼女の子供であることを証明する書類」を提出しないと「ヴラジーミル州に行くバスのチケットは売れない」というのです。
これには、妻も卒倒するほど驚いたそうです。

皆さん、想像してみてください。
たとえば、東京都在住Aさんが、子供を連れてバスで埼玉県に行こうと思った。
そのチケットを買うのに、「出生証明書」を提示しなければならない状況を。

「自由のない国」というのは、万事がこんな感じなのです。
要するに、国民がどこに行くのか、何をしているのか、監視しているのですね。

日本には、「グローバリスト(あるいはディープステイト)は、日本や世界中の国々を全体主義の監視国家にしたいのだ」といった主張をする人たちがいます。

彼らに言わせると、プーチンは「ナショナリストの英雄」で、「悪のグローバリスト(あるいはディープステイト)と戦っている」ことになっています。
私は、プーチンが「ナショナリスト」であること、彼が「グローバリズムと戦っていること」は、「そうだろう」と思います。

私が同意できないのは、「プーチンが【 善 】の英雄である」という部分です。
というのも、プーチンはすでに、「グローバリスト(あるいはディープステイト)」が目指しているという【 究極の監視国家 】」を創り上げている。
その国家では、となりの州に子供たちと行くだけで、「出生証明」が必要なほど「不自由」なのです。

歴史を見ると、戦勝国の体制は、他国に広がっていきます。
第2次大戦後、日本や西ドイツは、アメリカの体制を導入しました。(させられました。)
一方、東欧諸国は、ソ連の体制を導入させられました。
プーチンが勝利した世界では、ロシアの体制がそのまま、他国に導入されることになるでしょう。

皆さん、隣の県に子供たちとでかけるとき、毎回出生証明書を提示するような国に住みたいですか?
だから、私の結論は以下になります。

・プーチンは、確かにグローバリストと戦っている。
・だが、プーチンも悪である。
・日本は、グローバリズムともナショナリズムとも違う、日本独自の道を進むべきである。

皆さんは、どう思われますか?

---owari---
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