ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

二つの迷惑施設

2017-10-13 11:28:33 | 日記
二つの記事が心に残った。一つは、沖縄での米軍ヘリ墜落炎上事故である。

(1)沖縄県東村(ひがしそん)高江で米軍の大型輸送ヘリコプターCH5
3が11日夕に不時着・炎上した事故を受け、米海兵隊第3海兵遠征軍のニ
コルソン司令官は12日午前、沖縄に配備されたすべてのCH53について
96時間の飛行停止を指示した。
                    (朝日新聞10月13日付)

もう一つは、原発周辺地域への補助金に関する問題である。

(2)原発立地自治体に限って支払われてきた国の補助金が2017年度か
ら、原発から半径30キロ圏内の周辺自治体にも支払われる仕組みに変更さ
れていた。朝日新聞が調べたところ、17年度は周辺16自治体に少なくと
も約5億円が支払われる見込みだ。
                     (朝日新聞10月13日付)

沖縄でのヘリ墜落事故は、いやが上に米軍基地問題を浮かび上がらせた。こ
の沖縄の米軍基地といい、本土の原発施設といい、(1)や(2)の記事を
読むと、これら「迷惑施設」の有り様と、それが及ぼす生活への影響を憂慮
しないわけには行かない。
(2)の記事は、原発という迷惑施設が周辺地域にばらまく種々の迷惑に対
して、それに見合う迷惑料を支払うことで、地域住民のこの施設への反発を
宥めようとする、政府の対応を取りあげたものである。

ざっくり言えば、迷惑施設の問題に対して施政者ができることは、そう多くな
い。すなわち、施設がばらまく迷惑の質と量を縮減する(A)とともに、迷惑
が与える地域住民の負担感を軽減すること(B)である。
(2)の記事は、この(B)について報じたものであると言えよう。
(2)の問題(原発問題)では、(A)の対応は、事業者への監督や規制を強化
することであり、(1)の問題では、(A)の対応は、米軍に対して、沖縄上空
での飛行訓練の自粛を要請するといったことである。

こんなふうに書きながら、こうした迷惑施設問題に対して、もっとマシな決
定的打開策はないものだろうか、と私は思いあぐねている。残念なことに、
私の貧弱な頭では、うまい知恵など浮かびようがない。迷惑施設など、取り
払ってしまうのがいちばんの早道だが、そうはできないのが現実の難しいと
ころである。

沖縄の基地問題について言うなら、米軍基地は日本の安全保障上欠かすこと
ができない。そうした現実認識を踏まえた上で、これまでにも住民の負担軽
減策はいろいろ試みられてきた。だが、いまだに決定打は見出されていない
というのが現状である。

原発施設について言えば、一定程度の電力が我々の生活に必要不可欠である
ことは言うまでもない。これに対しては、風力発電などの代替エネルギーに
よる対処が取り沙汰されているが、電力の安定供給を考えれば、この代替策
が決定打になるとは考えにくいのではないか。

う〜ん、どれもこれも難しい問題である。背に腹はかえられないと言うが、
難しい問題の壁が、政治の世界にはいくつも立ちはだかる。選挙になると、
各政党はしきりに甘い言葉を並べ立てるが、投票に際しては、どれがベター
なのかを見抜く眼力が必要になりそうだ。
コメント
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