衆院選の投票日が近づいている。安倍首相が衆院の解散を表明してから、話
題の中心はもっぱら小池都知事ひきいる「希望の党」。えたいの知れないこ
の党はいったい何だったのか。この問いに向き合うべく、この党によってだ
れが「得」をしたのか、だれが喜んだのかを考えてみた。
深く考えるまでもない。この党の結成が安倍自民党を利し、安倍自民党を喜
ばせたことは、言うまでもない。安倍首相が解散の挙に打って出たのは、
「モリカケ疑惑」の追及を逃れるためだが、「希望の党」の出現によって、
この問題は選挙の争点にすらならなくなってしまった。マスメディアも世論
も、「希望の党」の出現で生じた政界再編の、そのスペクタクルにごっそり
目を奪われ、「モリカケ疑惑」などという問題があったことなど、すっかり
忘れてしまった。
この問題がフェードアウトした原因は、それだけではない。この問題はもと
もと安倍政権の独裁的−マフィア的体質を問う重大な問題であったのに、
(小池代表が「しがらみのない政治」というスローガンを打ち出したことで)
「しがらみの有無」というちっぽけな問題へと矮小化され、どうでもよい問
題だと見なされることになったのである。
それだけではない。「希望の党」の出現は「リベラル潰し」にもつながっ
た。同類のアンチ・リベラル、安倍自民党は笑いが止まらないだろう。
「いやいや、希望の党が票を取れば、それだけ自民党は票を食われること
になり、痛手をこうむるではないか」と言う人がいるかも知れない。しか
し、多数の有権者が「希望の党」に票を入れるなどということが、あるだ
ろうか。
この党の政策を考えてみればよい。「原発ゼロ」や「花粉症ゼロ」や「消費
増税の凍結」など、自民党との差異を出すために無理やり捻出した政策は、
どれも出来っこない(実現不可能だ)とだれもが考える。
他方、改憲や安保法制の堅持など、実現が見込める政策は、自民党の政策と
瓜二つだ。
こうしたことを考えるなら、従来の自民党支持者がわざわざ「希望の党」に
乗り換えるなど、想定しにくい状況であることが分かろうというものだ。
「希望の党」には、有権者に「希望」をいだかせる要素が、まったく見当た
らないのだ。
とはいえ、政界は一寸先が闇。この先、どんなサプライズが飛び出さないと
も限らない。浮動票、とりわけ女性票は、秋の空にも似て、ややもすれば想
定外の動きを示すことがある。さて何が飛び出すかーー。10月22日がとても
楽しみな天邪鬼の爺である。
題の中心はもっぱら小池都知事ひきいる「希望の党」。えたいの知れないこ
の党はいったい何だったのか。この問いに向き合うべく、この党によってだ
れが「得」をしたのか、だれが喜んだのかを考えてみた。
深く考えるまでもない。この党の結成が安倍自民党を利し、安倍自民党を喜
ばせたことは、言うまでもない。安倍首相が解散の挙に打って出たのは、
「モリカケ疑惑」の追及を逃れるためだが、「希望の党」の出現によって、
この問題は選挙の争点にすらならなくなってしまった。マスメディアも世論
も、「希望の党」の出現で生じた政界再編の、そのスペクタクルにごっそり
目を奪われ、「モリカケ疑惑」などという問題があったことなど、すっかり
忘れてしまった。
この問題がフェードアウトした原因は、それだけではない。この問題はもと
もと安倍政権の独裁的−マフィア的体質を問う重大な問題であったのに、
(小池代表が「しがらみのない政治」というスローガンを打ち出したことで)
「しがらみの有無」というちっぽけな問題へと矮小化され、どうでもよい問
題だと見なされることになったのである。
それだけではない。「希望の党」の出現は「リベラル潰し」にもつながっ
た。同類のアンチ・リベラル、安倍自民党は笑いが止まらないだろう。
「いやいや、希望の党が票を取れば、それだけ自民党は票を食われること
になり、痛手をこうむるではないか」と言う人がいるかも知れない。しか
し、多数の有権者が「希望の党」に票を入れるなどということが、あるだ
ろうか。
この党の政策を考えてみればよい。「原発ゼロ」や「花粉症ゼロ」や「消費
増税の凍結」など、自民党との差異を出すために無理やり捻出した政策は、
どれも出来っこない(実現不可能だ)とだれもが考える。
他方、改憲や安保法制の堅持など、実現が見込める政策は、自民党の政策と
瓜二つだ。
こうしたことを考えるなら、従来の自民党支持者がわざわざ「希望の党」に
乗り換えるなど、想定しにくい状況であることが分かろうというものだ。
「希望の党」には、有権者に「希望」をいだかせる要素が、まったく見当た
らないのだ。
とはいえ、政界は一寸先が闇。この先、どんなサプライズが飛び出さないと
も限らない。浮動票、とりわけ女性票は、秋の空にも似て、ややもすれば想
定外の動きを示すことがある。さて何が飛び出すかーー。10月22日がとても
楽しみな天邪鬼の爺である。