ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

希望の党とは何か

2017-10-08 11:03:41 | 日記
衆院選の投票日が近づいている。安倍首相が衆院の解散を表明してから、話
題の中心はもっぱら小池都知事ひきいる「希望の党」。えたいの知れないこ
の党はいったい何だったのか。この問いに向き合うべく、この党によってだ
れが「得」をしたのか、だれが喜んだのかを考えてみた。

深く考えるまでもない。この党の結成が安倍自民党を利し、安倍自民党を喜
ばせたことは、言うまでもない。安倍首相が解散の挙に打って出たのは、
「モリカケ疑惑」の追及を逃れるためだが、「希望の党」の出現によって、
この問題は選挙の争点にすらならなくなってしまった。マスメディアも世論
も、「希望の党」の出現で生じた政界再編の、そのスペクタクルにごっそり
目を奪われ、「モリカケ疑惑」などという問題があったことなど、すっかり
忘れてしまった。

この問題がフェードアウトした原因は、それだけではない。この問題はもと
もと安倍政権の独裁的−マフィア的体質を問う重大な問題であったのに、
(小池代表が「しがらみのない政治」というスローガンを打ち出したことで)
「しがらみの有無」というちっぽけな問題へと矮小化され、どうでもよい問
題だと見なされることになったのである。

それだけではない。「希望の党」の出現は「リベラル潰し」にもつながっ
た。同類のアンチ・リベラル、安倍自民党は笑いが止まらないだろう。

「いやいや、希望の党が票を取れば、それだけ自民党は票を食われること
になり、痛手をこうむるではないか」と言う人がいるかも知れない。しか
し、多数の有権者が「希望の党」に票を入れるなどということが、あるだ
ろうか。

この党の政策を考えてみればよい。「原発ゼロ」や「花粉症ゼロ」や「消費
増税の凍結」など、自民党との差異を出すために無理やり捻出した政策は、
どれも出来っこない(実現不可能だ)とだれもが考える。
他方、改憲や安保法制の堅持など、実現が見込める政策は、自民党の政策と
瓜二つだ。

こうしたことを考えるなら、従来の自民党支持者がわざわざ「希望の党」に
乗り換えるなど、想定しにくい状況であることが分かろうというものだ。
「希望の党」には、有権者に「希望」をいだかせる要素が、まったく見当た
らないのだ。

とはいえ、政界は一寸先が闇。この先、どんなサプライズが飛び出さないと
も限らない。浮動票、とりわけ女性票は、秋の空にも似て、ややもすれば想
定外の動きを示すことがある。さて何が飛び出すかーー。10月22日がとても
楽しみな天邪鬼の爺である。
コメント
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