YS Journal アメリカからの雑感

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2012-12-14 21:46:39 | アメリカ政治
Fiscal Cliff から落っこちてしまうのか未だに予断を許さない。自分の税金が上がるのは嫌だが、自動的に政府の拡大に歯止めが掛かるなら悪くないかとも思う。

妥協が成立しなくて年を越しても、急に景気が悪くはならないと思う。

連邦議会予算局は、Fiscal Cliff から落っこちた場合(このまま自動的に Bush 減税と予算化カット(と言っても増え無い訳ではなく、ほぼ横ばいになるだけ)、2013年は、GDPはマイナス 1.5%、失業率は 9.1% と予想している。

そして財政赤字が半分(と言っても$641B!!(約52兆円))だけしか増えないらしい。(オバマ政権は毎年 $1T 近く(約100兆)の財政赤字を続けている)

一方でメジャーな福祉政策 (Medicare, Social Security) 改革は手付かずとなる。

真綿で首を絞められるように、嫌な感じで不況に突入するのだ。

これまでの様に、土壇場で奇妙な妥協がオバマ政権と共和党の間で成立する気がしていたが、今回はちょっと違うようだ。

オバマ政権は、常に金持ち層を目の敵し、今回もブッシュ減税を延長するがトップ 2% の納税者の税率はアップさせたいと大統領選挙戦でも公約していた。また、現在キャピタル・ゲインに対する課税は一律 15% であるが、キャピタル・ゲインを所得と計上とする事で実質増税、それも金持ちにより重くなる。

Caterpillar, Wal-Mart 等が年明けに予定していた配当を今年中に繰上げたり、年内に特別配当を出す事を決定している。Fiscal Cliff が避けられない場合、少しでも株主にメリットを出そうとしているのだ。

お金を追いかければ、何が起こっているのか見えてくる。


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