これは本のタイトルではなく「暮しの手帖」に掲載された若松英輔さんのエッセイです。
今年読んだ中でのマイ・ベスト・エッセイです。
ページをコピーして時折読み返しています。
8ページにわたって詩についての若松さんの考察と関連する以下の引用が記載されています。
− 茨木のり子の最後の詩集『歳月』から「夢」
− 白川静の『初期万葉論』
− 小林秀雄の『考えるヒント』から「言葉」、『モオツァルト・無常という事』
− 『新約聖書』から「ヨハネによる福音書」(四章13-14節)
− 『旧約聖書』から「詩編」(12編6節)
− 中原中也の詩集『山羊の歌』から「帰郷」
最後に引用されているのは
− 塔和子の詩集『希望よ あなたに』から「かずならぬ日に」
これらの引用のリストを見るだけでも若松さんの計り知れない知識量と
このエッセイの質の高さがお分かりいただけるでしょう。
最後は次の文章で締めくくられています。
「忘れる、それは悲しみが愛しみへと新生する道行きで経験される出来事にほかならない」
余談ですが、先日学友が紹介してくれた母校の企画イベントで
ロシア、フランスの詩歌についての講義をYouTubeで視聴しました。
(イタリアの詩は時間の関係で聴けませんでした)
昔は詩歌にほとんど興味がありませんでしたが、このところ詩歌に触れる機会が多くなっています。