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ゲルハルト・リヒター 『ろうそく』

2020-04-18 18:10:00 | 日記
今日地元紙にケルン在住の世界的画家ゲルハルト・リヒターの『ろうそく』が日付けと署名入りで掲載されました。



リヒターの『ろうそくシリーズ』の一枚は5年ほど前に約55億円という高価格で落札されています→55億円というのは別の作品で、『ろうそく』は12億円位だったと思います。訂正します(5月3日)。
ケルン市の名誉市民ともなっているリヒターの絵はケルン大聖堂のステンドグラスにもなっています。
リヒターさんとは以前、芸術新潮の仕事でお会いしたことがあります。




今回新聞に『ろうそく』の絵が掲載されたのは、辛い時は音楽同様、芸術作品も慰めになるというモットーのもと、
リヒターと共に40人以上のアーティストが今回のコロナ禍で窮地に陥っている社会的弱者救済のための募金キャンペーンを開始したからです。
今回の義援金はホームレスの人たちの集会施設の建設資金にあてられるということです。

このキャンペーンに関する記事の中ではイタリアの絵本作家レオ=レオニの『フレデリック』が紹介されていました。


ドイツ語版を試し読みしました。
仲間の野ネズミが冬に備えて食料を蓄えている間、フレデリックは光と色と言葉を集めます。


暗くて寒い冬が長い間続き、食料は底をつき、皆寒さに震えています。
その時、フレデリックは集めた言葉で作った詩を読んで聞かせ、集めた光で冷えきったハートを温めてあげます。
集めた色で灰色だった部屋は明るくなり、沈んでいた皆の気持ちも明るくなります。



フレデリックが集めた光はリヒターのろうそくの灯と同じく希望の象徴でもあります。

今日は私がドイツに初めて降り立ってから40年目でした。
花屋さんが閉まっているので、「花束がなくてスミマセン」と夫は言っていますが、
私はリヒターの『ろうそく』を「これまで40年間頑張ったで賞」として、
自分へのはなむけにしたいと思います。






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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
記念日 (hibari)
2020-04-19 11:39:19
今日でドイツ在住40周年でいらっしゃいますのね。
「花束がなくてスミマセン」なんて、羨ましいお言葉。そういえば、ドイツに行ったとき、駅中で花屋さんを何度か見かけました。
日本の男は花束なんか考えませんよ。情けないわ。

レオ・レオニーはよく知っていますが、フレデリックを読んだことはありませんでした。

詩と希望。
困難な時は大切なものです。
フレデリック、君のような存在に私もなりたい。
Unknown (yokodoitsu )
2020-04-19 20:31:18
hibari さんへ

レオ=レオニのこと、hibariさんはもうご存知だったのですね。
谷川俊太郎さん訳の『フレデリック』は今度日本に行く時に(いつになるかわかりませんが)購入したいと思っています。

ドイツでは(少なくとも私たちの周辺では)夕食にご招待された時にお礼に持っていくのは、奥様には花束、ご主人にはチョコレートとかシャンパンが定番です。

色々制約はありましたが40周年の記念日は結構ハッピーに過ごせました。
言葉の花束 (haru)
2020-04-21 16:07:33
こんにちは。

ドイツに在住40年、おめでとうございます。
いろいろなことがおありだったと推察します。
まわりの方々の支えが、言葉を紡ぐ光になったことでしょう。
そして何より、yokoさんご自身があたりをともす灯りであったと思います。
一方が輝くだけでは暗闇の中のダイヤモンドと同じ。光源と対象があってこそ光あうというもの。
ともされた灯りはまた、次のあかりとなって、道を照らす。
40年という年月はきっとそんな道だったのではないでしょうか。
Unknown (yokodoitsu )
2020-04-21 17:49:57
haruさんへ
言葉の花束、しっかりといただきました。 ありがとうございます。
在独40年目にして、haruさんやhibariさんのような素敵なブロガーさんに巡り会えたことに感謝しています。
これからも宜しくお願いします。
これまでの40年間でやはり一番辛かったのは東日本大震災の時、海外在住で何もお手伝い出来なかったことでした。
でもあの時は日本国民が一致団結して(「絆」のように)国難に立ち向かう姿に感動、感謝しました。
日本全国に緊急事態宣言が出されたということは、今回のコロナ禍は国難だと思うのですが、それを認識していない人が政治家を含め多いようで残念です。
先程、テレビの記者会見でバイエルン州の州大臣が今年の秋のビール祭り「オクトーバーフェスト」を中止すると発表しました。
その頃までにコロナ禍が終息すると予測できないことと、もし開催して第2次流行発生の感染源になるとしたら、ドイツの信頼失墜に繋がるというのが理由です。
ビール王国ドイツの「国民的伝統行事」とも言えるオクトーバーフェストを中止するにあたっては甚大な損害を被る関連業者との難しい話し合いが持たれたことでしょう。
「来年までにはワクチンも開発されているはずですから、来年は2倍大きなフェストにしましょう」と語る州大臣に頼もしさを感じました。

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