きょうはとうとう連休最後の日になった。結局、この5連休は家の周辺うろうろと義父の緊急入院のばたばたで終わっていく。
紅葉も今年は見に行ってなかったので、家事をさっさと片付けて、鴻巣山へ登ることにした。
10時に出発するつもりが、遅くなる。イヤフォンで音楽ききながら歩こうと思っていたのに、Bluetoothがつながらない。え、なんで??
スマホで検索していろいろ試みたけれど、どうもうまくいかない。こんなことで時間をとっていては、午前のきれいな秋の光が終わってしまう。
イヤフォンはあきらめて、歩き始めた。10時20分。
まずは水度神社にお参りする。石段の途中で、鳩に出会う。え・・・・! 灰色のほうでなく、茶色い山鳩。灰色よりはマシだけど、いずれにしても鳩は怖い。前を歩いていたおばあさんの後ろに隠れながら石段を上ることにする。かなりスローペースだけれど、やむをえない。幅の広い石段なのに、隅っこをゆらゆらのぼるおばあさんと、その真後ろにぴったりくっついていく私。へんな光景だろうけど、ほかに誰もいないのでそのままのぼる。
いつのまにか鳩はいなくなっていて、ほっとする。参拝したあと、鴻巣山へ。紅葉の盛りは終わっていたけれど、赤い落ち葉の道を歩くのは気持ちがよかった。ときどきまだきれいな樹も残っていて、赤やオレンジの葉っぱを見上げる。
桜見台も春とは違って、誰もいない。ベンチに座って、読みかけの歌集を読む。すると、家の近くでは聞けないような、いろんな鳥の声がする。鳴きながら飛び交っていたり、枝にとまって鳴いていたり。わぁ、すてきだなぁ。そして、ああ、そういうことか、と思った。
イヤフォンがつながらなかったのは、偶然ではなくて、山へ行くときはそういうものは置いて行け、ということだったのだ。天のお告げ。
空から降ってくる鳥の声。風もないのに、枝を離れて落ちてくる葉っぱ。マスクをはずしてお茶を飲み、読書を続ける。なんというすてきな時間だろう。1時間ほどを過ごして、いつもはそのまま山を下りるのだけど、元気がでたので展望台まで登ってみた。途中で、息子が小さいころに駆け回っていた道や秘密基地を作っていたと思われる場所も通る。ここはぜんぜん変わらないな。
展望台も誰もいなくて、広々とした景色を眺める。気持ちいいなぁ。
山を下りながら、昔、リスを見かけた場所まで行って、探してみたけれど、リスには出会えなかった。たぶん、遊歩道が整備されて、山が明るくなったせいかもしれない。
家に着いたら、ちょうど2時間経っていた。 気になっていたイヤフォン。もう一度繋いでみたら、すんなりつながった。
やっぱり。 すてきな時間をありがとう。