うざね博士のブログ

緑の仕事を営むかたわら、赤裸々、かつ言いたい放題のうざね博士の日記。ユニークなH・Pも開設。

ギボウシ«天竜»の繫殖形態と株分け

2023年05月10日 05時09分40秒 | 食用のギボウシ
食用ギボウシとしては、«天竜»が今一番もてはやされている。その繫殖形態と株分けについて、今回あらためて分かってきたことに写真を加えて記事としてまとめてみたい。
 ギボウシは単純に露地植えというよりも、故郷の知人によって他の野菜と同じように畝にて畑の農作物の扱いで育てた。途中からは微量元素を加えた窒素系の複合化成肥料を施す。この間、実に、足かけ10年の生育期間を経てきた。
 現地では、この期間に生長し繫殖した株数は3株から31株に増えた。植え付け直後畑替えをし2回株分けをしたとおもわれる。3回目にあたる今回の株分け作業によって鉢上げすると、結果的に1株あたり2~3芽立で45~50potが得られた。次いで、わたし個人としては岩手県一関市内の畑の別の1株を堀り上げて、千葉で、再度、株分けをした。写真ではその過程を詳細に掲載している。
 通常、ギボウシの品種によってもかなり異なるが、株分けは数年ごとにおこなうと良いとされていて今回の場合は繫殖形態についてかなり未知の部分があり悪戦苦闘した。どうやら、«天竜»の場合は鑑賞や繁殖させる目的であれば2~3年ごとが良いと言えそうだ。圃場では生産的に食用ギボウシとしては茎葉部が採取目的になるので、そのままでも大株になり良いことになるが多年生の特性があり栽培の連年的な面など栽培方法としては検討すべきであろう。 

⦿2013年6月 X日 岩手県一関市内の畑に定植
 全体量:3株(18cmVP)

⦿2016年6月 X日 生育状況(株分け後)
 現地株分け 3株⇒全体量: 18株
                    

⦿2022年7月3日 生育状況
          
          

⦿2022年8月6日 生育状況
          
          
 つぼみの状態で花茎の下部の根元からカットする
          
          

⦿2023年4月 9日 現地株分け完了後
 全体量: 計31株(ひと畝)
 株分け数量・形態:1株あたり2~3芽立 45pot(12cmVP)
          
  掘り取り予定株
                    

⦿2023年4月10日 生育状況(搬出のため車中積み置き状態)
          

⦿2023年4月15日 生育状況(搬出のため車中積み置き状態)
          

⦿2023年4月20日 千葉の圃場で株分け
 ここでは岩手から持ってきたギボウシ1株の株分け作業を実地におこなったので、その内容を記していく。
 分けつにより大きくなった1株の形状は直径60センチもあり、根系的にまるく広がりその元はボリュームある塊根になっている。株分け作業は剣先スコップと移植ごて、剪定鋏、それに根の水洗い用に水を張ったタライを準備した。株の切り分けに難儀する。繁殖は上下関係で親根に子根が潜りこむように(その逆もあり)発生するのは他の球根植物と似ているが、通常の状態では自然に分離せず人為的に切り離すことになる。力仕事にも似ていてこの分け方が難しい。その境い目付近を切り土をはだけて整理する。道具として当初はスコップで大株の上から徐々に力を入れて切り離していく。しかし、力加減がむずかしくて効率よくいかない。突き棒やタケノコ掘り、長芋掘りも考えられたが、手元にない。最後に大株を立て挽きで生木用(剪定用)の手鋸を利用することにしたが、意外にスムーズにいく。これは結果的に根株の土を切ることになるのでその都度水で洗う。(したがって、鋸はしまう時には泥をよく洗い落とし油差しでケアが必要、鋸の目立てとまでは言わない。)
 ただし、本来は切り口のギザギザを平らにをナイフ等で切り戻したり、雑菌侵入予防の為に癒合剤を塗るのが望ましいとされている。ここでは煩雑な作業のため省略する。
 この場合必ず根は多少でも残すことになるが、栄養分を貯めている塊根自体は自ら切断面を修復しここからも発根するものと思われる。写真で塊根の切断面を確認すると板状でありちょっと驚くかもしれない。
 なんだかこれは、植物の株分けというよりも魚や小動物の解体の状況に似ているのだ。わたし的には無残な解体現場である。
          
          
          
          
          
 食用として分別する。採取内容は、1株あたり株の根元の位置で茎数の1/2から 2/3を目安とする。なお、カット後、追肥をおこない灌水することが望ましい。
          
 
⦿2023年4月28日 株分け完了後
 樹木の場合は移植すると(植え付けの場合も)、 ‘葉を振るう'と言われ、自ら一部分の枝葉を枯らすという生理現象が見られる。これは植物自身が活着させようと、光合成という生存目的の為に根から肥料分を吸収するがそのバランスを取るためと考えられる。それがこのギボウシの株分けでも見られた。木本植物ではなく草本の植物でも同じメカニズムがはたらくのだろうと思う。
株分け数量・形態:1株あたり1~5芽立以上 計30pot
・1株あたり3~5芽立以上
 21cmVP-10,   21cmPP-2,   21cmPP樽鉢-1,  プランター寄せ植え-4
・1株あたり1~3芽立
 13,5cmVP-11,  12cmVP-2 
          
 千葉の圃場分の現在の生育状況
          
 株分け不良株として経過を観察する(右側3pot)
          
 調理用として台所にて洗った後に冷蔵庫に貯蔵する。収納は水分を含ませて密封したビニール袋に入れて野菜室に置く。
           

⦿2023年5月6日 生育状況  
          
 株分け不良株として経過を観察する
          

●ギボウシ本体の価格は今年も据え置きの予定ですが、ヤマト運輸の宅配便代が値上がりの模様ですのでお含み願います。
 各品種の単価一覧表は、R4/4/24付けのこのブログで公開しています。

 また、食用ギボウシで知られる(生け花の切り葉にも適している) “天竜” のロット販売を受け付けます。また、業務上の取り扱いもOK、その際のオーダーは調理のための収穫量を考えて5株単位でお願いします。
販売予定価格:
・1株あたり4~5芽立以上 18cmVP~¥1,650.
・1株あたり3~4芽立   15cmVP ¥1,350.
・1株あたり1~2芽立   13,5cmVP ¥1,050.
・1株あたり1芽立    10,5cmVP  ¥850.
 (送料別途)


 また、初夏からはギボウシの鑑賞するのに最大の季節ですので実地でご覧になりたい方は事前にメールでご連絡願います。
※ご注文、ご質問やお問い合わせは H・P有限会社グリーンワークスのお問い合わせフォームにてお願いいたします。サイトが展開しない場合は直接メールで  うざね博士 hah05551★ams.odn.ne.jp  にて受け付けます。(ご利用の際は★を@に変更してください)  
            
        
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