うまがスラムダンクの続き

うまがスラムダンクを勝手にアレンジ。
スラムダンクの続きを書かせていただいています。

#30 【復活の狼煙】

2008-12-30 | #02 翔陽 選抜編
翔陽 10
海南 8



試合開始 6分



『ピィーーー!』


「タイムアウト!青!」



花形の指示により、翔陽ベンチが早くもタイムアウトをとった。




「藤真は、牧に翻弄されているな。」

「あぁ。牧にだけ意識が偏り、周りが全く見えていない。
気持ちばかりが昂り、体と気持ちが上手くかみ合っていない状態だ。
まさしく、山王戦、対河田への過敏意識、赤木状態ってわけだな。」

「なにをーー!!たわけがぁ!!」

「本当のことだろ!?俺が気付かせたおかげで、山王に勝てたんだろう!?」

「ふんっ!お前の力など借りんでも、山王には勝てたわい!!」

「ふんっ!!」

赤木と魚住を無視するかのように、木暮がつぶやく。

「このタイムアウトで気持ちの整理がつけばいいんだが。」




ベンチに戻る両チーム。




「早いタイムアウトだが、悪いタイミングではない。花形の指示か?」

扇子を仰ぎながら、高頭がいう。


「藤真がおかしいっすね?」

清田が牧に問いかける。

「あぁ、試合に集中できていない様子だな。だが、相手のことは関係ない。俺たちは、全力で翔陽をつぶすのみ。」


「OK!そうだ!今の調子でいこう。高砂、武藤、ファウルをケアしていけ。お前らが抜けると、インサイドが辛くなる。」

「はい!」


「ここ1本で同点にして、一気に決めちゃいましょう!!」




「藤真!!!」


花形が藤真に向かって叫んだ。


「・・・。」

振り向く藤真。



「お前の相手は、牧じゃない!海南なんだ!!しっかり、周りを見ろ!!海南を倒すんだろ!?」


「・・・・・・。」

沈黙の藤真。


「藤真!」

「藤真さん!」

「キャプテン!!」

「仲間を信じろ!!」

翔陽の選手が、藤真に声をかける。



「・・・・・・。」

藤真は翔陽ベンチを見渡した。



「・・・・・・。」

(仲間!?牧!?海南!?)



「・・・・・・。」



「行こうぜ!全国!」



「・・・・・・。」

(そうだ。俺の相手は牧じゃない。海南なんだ!このチームで海南に勝つことなんだ!)


藤真は、再びベンチを見渡し、軽く微笑んだ。



「みんな、すまなかった・・・。牧に対して、意識しすぎてしまっていたようだ・・・。ありがとう、花形。」

「あぁ。まだ始まったばかりだ。海南を倒すことは、牧を倒すことと一緒だ。みんなで海南を倒そう。」


「あぁ。花形の言うとおりだ。よし!ここ1本とめるぞ!!」

「おう!!」




『ピィーーー!!』

「始めます!」



両メンバーがコートに足を運ぶ。



藤真が牧を見つめている。


(これからだ。翔陽の築き上げてきたものを見せてやる!)



対する牧は、藤真をちらっと見たあと、花形を見た。


(花形、精神力も、リーダーシップも一皮剥けたな。藤真まで復活させたか。倒しがいのあるやつらだぜ。)



海南のスローインから開始。

清田から牧へ、すばやく神にボールが渡る。


執拗に長谷川から攻める海南。

3Pライン1m手前。


(神にはこの位置からの3Pもありえる。)


腰をかがめ、重心を低く、鋭い眼差しで神を睨む長谷川。

大きな瞳で、長谷川をクールに見つめる神。



『キュ!』



パスフェイク。



シュートフェイク。



(!!!)



腰が上がる長谷川。



『スッ!』



長谷川を抜く神。




「神のドライブ!」

「高確率の3Pがあるがために、どうしてもシュートフェイクには、過剰に反応してしまうな。」

「神をとめるには、ドライブを捨て、外角1本に絞るか、神の倍の運動量が必要になる。」

(桜木のようにか・・・。)

赤木が桜木を思い出す。




『ダム!』



長谷川を抜いた神に、花形がヘルプディフェンス。



『キュ!』



ジャンプシュート体勢。

花形も大きく腕を伸ばし、ブロックに跳ぶ。


(この距離なら届く!)



『ヒョイ!』



(!!)


神は、跳んだ花形の横を通るパスを出した。



そこには、フリーで清田が走り込んでいる。



「さすが神さん!!」



だが。



『バン!』



「あ!!」

「藤真!!」



藤真がパスカット。



「さぁ、行くぞ!!」

「おう!!!」



『ダムダムダム!!』


一気に海南コートまでボールを運ぶ。

サイドを高野、永野が駆け上がってくる。


だが、海南の戻りも早い。

清田が藤真に並走。

牧、神が海南コートで迎え撃つ。




「3対3!」




高さでは翔陽、スピードでは海南。



『キュ!』


一瞬スピードを緩め、再び一気に加速。

藤真のチェンジオブペースで清田を振り切る。




「アウトナンバーーー!!」

「3対2!!」




(高野か?永野か?それとも自分で突っ込んでくるか?)


牧が藤真の動きに集中する。



『キュッ!』


藤真が急ストップ。

高野に目を向ける。



「神、永野につけ!」

「はい。」


牧は神に指示を出し、自身は藤真高野ラインのパスコースを塞ぐ。



にこりと笑う藤真。

高野の方向に伸ばした腕を戻す。


そして、静かにシュートを打った。



(パスフェイク!!スリーか!?)


完全に裏をつかれた牧は、フリーで3Pを打たせてしまった。



藤真の左腕は、綺麗に伸びていた。



『スポッ!』



速攻からの鮮やかな3Pが決まる。




「アウトナンバーで3Pを打ちやがったーー!!」

「きっちり決めてきた!すげーーぞ、藤真!!」




(藤真完全復活だな。)にこり。


センターライン付近で、藤真を見ている花形が笑う。



最強の挑戦者、藤真復活の狼煙が上がった。




翔陽 13
海南 8







続く。