トシコロのありのままの暮らし


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多くの人たちが経済自立できない経済構造X

2022-04-28 10:24:21 | 日記
           確かに、日本の1970年代の介護関係への行政援助は少なく、賃金はもともと低かったから、特に石油危機には対応できなかった。また、障碍者の福祉作業所はもっとそうで、かなりを国がお金を出す第三セクター方式を求める運動も起きていた。今はどちらにも国などがお金をつぎ込み、介護士の待遇も不十分とは言え、昔よりはよくなっている。とは言え、介護士、障碍者共、税金による点滴を受けて生きているようなものであり、一時しのぎの連続である。何も福祉関係だけでもない。

   農漁民もそうである。1975年ごろ、石油危機のあおりで農機具などが値上がりして赤字が農家に多くなり、「食える農業を」と農民たちが国会前で牛乳を撒き散らし、国に抗議する出来事があった。まともな農家収入ならば、例えば、キャベツが1個1000円くらいにしないといけないかも知れないが、そうはできないわけだし。農家は減る一方である。その後、それへの行政援助も増やした。中小企業も同じである。今回の戦争に伴う経済危機でも、岸田首相は中小企業への手厚い援助を述べているが、普段からもそうしないと経営が成り立たないわけである。

  実際はもっと例が多いだろうが、中小企業の場合は経営者と従業員も含まれるし、膨大な人数が行政点滴で生かされているわけである。学校関係も、私立校も同じだし。医者、ナース、教師も行政の後ろ盾がなければどうにもならない。

  日本国も赤字になり、小泉首相が支出を切り詰める改革したが、どうにもならなかった。ホームレスも出て、格差は広がった。イギリスのサッチャー改革も同じであった。更には、餓死者も出ている国もかなりある。

  日本に限らず、経済自立が本当にできている人は全体の10%かもしれない。そして、疫病や戦争の時にその矛盾が出るわけである。フランスのルペンや昔のナチスみたいに、短絡的に外国人労働者やユダヤ人のせいにして、国家権力を強める勢力を経済自立できない人違が支持する。あるいは、昭和初期の日本は、飢えた人たちが軍隊に入り、食べられ、多くの人に支持され、軍国主義になったわけである。

  しかし、計算上は、常に食べられるだけの食糧は地球に毎年作られ続けている。それで以上の格差がある。食の分配ルールが未確立である事と、本来は経済は食なのに、多くの人たちがお金だと誤解していることが原因だろう。孟子は食の大切さを王に進言したが、それに立ち返らないといけない。お金は単なる交換手段に過ぎないのに。

  人々が食が保証される社会ではあくせくGDPを追う事もないから社会構造も変わり、介護職でも教職や科学研究でも、自分に合うことをして、暮らせる。会社の形態も変わり、地域単位で作られ、遠くに通勤する事もない。通勤電車やバスがなければ、インフルエンザやコロナも流行らないわけである。ウィルス性の疫病も流行りにくくなる。コロナの前からインフルエンザも流行っていたわけだし。それらも今の経済構造Xが作り出したものだとも言える。無論、政治も、役所も教育も大きく変わるだろう。似ても焼いても食べられない紙幣や硬貨よりも、生きるためには欠かせない食べ物にこだわる方が利巧だとは思わないだろうか。...。

マルクスの経済の見方の根本的な欠陥

2022-04-27 09:56:16 | 日記
  資本家と労働者の問題にだけこだわり、消費者・利用者としての視点が欠落していた。資本論にも、前者を繰り返し書いてある。消費しない資本家や労働者はいないし、その面では両者は立場を共有さえしているのに。今は中学生たちでも判る事である。消費者はより良い製品を求め、心ある経営者や職人はそれに応じる。金ばかり追い、粗悪品ばかり作る企業は潰れる。大昔からの常識。資本家と労働者の問題は大切だが、それだけでもない。それだけを書く経済論文は失格になる。

  マルクスは一介の経済学者に過ぎなかった。でも、後継者たちが何故か彼の説を絶対視し、資本論をテキストにしての経済体制の国を作り上げた。学校や病院の普及などの評価すべき面はあったが、粗悪品ばかりが出回り、ソ連は早く潰れ、中国は資本主義化した。後継者たちはマルクスに救世主のイメージを投影したのではないかと思いたくなる。物不足では早く潰れたのも当然である。

  また、マルクス自身も後世に学校教師や福祉施設でストが行われるとは気が付かなかっただろう。

  とは言え、資本主義にはマルクスも気が付かなかった極めて大きい問題がある。それは旧ソ連が持っていた問題よりもはるかに大きい。それを次に書きます。


実録小説・シマハタの光と陰・第25章・パレスチナからの嵐

2022-04-25 10:27:14 | 日記
  1973年10月6日夕方、シマハタの身障室のテレビは子供向け番組を付けていたが、ニュース速報が入り、エジプト軍とシリアやヨルダン軍がイスラエルを奇襲攻撃して、戦争状態に入ったと告げた。それを見た職員たちや秦野、高田、野口は驚いた。

  「ベトナムはもうじき平和になりそうだというのに、今度は中東。爆撃もどちらも激しいから、そこに住んでいる人は大変ね。日本は平和だし、離れているから巻き込まれることもないわね。近くでなくて良かったわ」という会話が身障室や職員室で飛び交った。たしかに、中東は嵐である。だが、遠く離れているし、同情はしても、ほとんどの日本人は他人事と思い、シマハタの人たちもそうであった。

  

  戦闘は早く終えたが、「サウジアラビアなど、アラブの産油国が石油を武器として使うことを決め、日本も親イスラエルとみなされ、石油輸入は大きく減らされる事になりました」。そのニュースを聞き、林田博士は顔面蒼白になり、

「大変な事になる。日本も経済が崩れ、シマハタにも重大な影響が及ぶ。打つ手はないかもしれない」と職員たちの前で叫んだ。

 11月になり、物価は上がり始めた。砂糖、パン、野菜、肉、魚。なぜか、トイレットペーパーは主婦たちが大量に買い占めた。シマハタも食事係りでは、経費節減のため、お菓子と果物を減らし、野菜や肉、魚も安いものに切り替えたが、赤字になった。

 12月になり、新聞の見出しに「狂乱物価」という言葉も出るようになり、各世帯の家計も支出が大幅に増え、収入は変わらない。もともと収入の少ないシマハタの職員たちは赤字家計になる例も次々と出た。田中角栄首相は「総需要抑制」を指示し、物価の安定に努めたが、年が明けても上がり続けた。

 

 3月。次年度の職員の給料を巡り、1%アップに留めようとする林田博士以下の経営陣と、労組もこれから結成する職員たちは物価上昇に見合う10%を主張。

「シマハタの今の総収入から言って、1%アップでも能力を超えた、非常な努力です」

「われわれ職員も必要なお金をいただいて、食べたり、電気代などを払わなければ、生きていけないの。生きなければ、園児たちのお世話はできないの。芸能人みたいにぜいたくな暮らしは求めていないわ。憲法にも書かれている『最低限度の生活』、それをしなければ生きていけないと言っているだけよ。われわれが死んでもいいの。園児たちのお世話をする人がいなくなってもいいの?」

 会談は平行線のまま、ひと月過ぎた。労組の結成も兼ねた、日曜午後の会合。ストライキについて、激論が交わされた。

 「今のままの賃金ならば、生活はできない。ストしか手はない」

 「そうしたら、園児たちはどうなるの? 水さえ飲めないのよ...」

 「父母たちも怒る。われわれは工場の労働者とは違うんだよ」

 「とは言え、われわれが倒れたら、だれも園児たちの世話はできないんだよ。その辺のことを判ってくれたら、園長も必要な賃金を出すはずなのに出さない。出すまでストするしかない」



  意見は割れたが、最後は多数決でスト決行になった。パレスチナからの嵐がシマハタも襲っているわけである...。

経済グローバル化の果ての戦争

2022-04-21 13:17:31 | 日記
    昨夜(20日)のTBSニュース番組でイギリスの国民食のタラとジャガイモの揚げ物のジャガイモはかなりがロシア産で、今は品薄である事が紹介されていた。ジャガイモはイギリスの気候に合うため、近代以降は大量に作られ、もちろん、自給率は100%だった。でも、90年代からの経済グローバル化に押されて、安いロシアのジャガイモを買うようになったと思われる。日本で言えば、外国産のお米で寿司を食べるようなものだ。

  石油と天然ガスは元々グローバル貿易だったが、それも90年代からさらに進み、特にヨーロッパ諸国はロシアに依存すようになった。大量のお金がロシアに入った。ロシアの輸入額をはるかに上回るお金が。使い道はないため、軍需産業にロシア政府は投資するしかなく、また、国民が働かなくても外貨が入ってくるため、大統領以下の政治家や役人たちも今や未来の世界を見る事もなく、栄えたソ連時代回顧にもなり、大ロシア主義にもプーチンはなり、過去の因縁を持つウクライナを侵略した。これがいきさつだったかもしれない。「グローバル経済」を絡めると見えてくる。そして、外国の事は知らないが、日本の全マスコミは経済要因を伝えていない。国会議員たちも語っていない。おかしいわけである。

  やはり、イラクがそうだった。有り余る石油収入を軍備に使い、フセイン大統領以下の政治家たちも今と未来を見る事がなく、かつてのバビロン帝国回顧にもなり、歴史的因縁を持つクェートを侵略。サダム・フセインとプーチンは同じではないか。

  更に言うと、フセインとプーチンを戦争屋にしたのも、「資源グローバル化」である。「相互に経済依存すれば、戦争すればどちらも困るから戦争は起きない」が自由貿易主義者たちの言い分だが、石油や天然ガスみたいに地域偏在の強い物品と、生存に欠かせない食糧はグローバル化から除外すべきである。やはり、偏在しているウランも。日本はエネルギーと食を何としても自給しないといけない。それゆえ、17日の新聞に報じられていた「空気エネルギー」の早急な実用化を願う。

希望

2022-04-18 17:39:26 | 日記
  「空気からエネルギー」と昨日の新聞に書いてあった。可能だし、フリー・エネルギーよりも早くにできる。岸田首相の食糧自給アップ提唱と並んで明るいことだし、エネルギーも食べ物も自国でまかなわない限り、日本も、どの国も危ない。この2つは経済と生存の基盤だから。「足りないものを補い合う自由貿易論」には2つは当てはまらないはず。1973年の石油危機時から僕も思い続けている事です。
  スタートレックのように、将来的には空気から食べ物も科学的に作れると僕は見ています。とにかく、戦争とコロナの今だからこそ、明るい未来のために日本なども前進しなければなりません。食とエネルギーが全ての国々で自給できれば、経済利益争いは消え、差別やケンカは続いても、地域内の事になり、今みたいな戦争も起きなくなります。プーチンも、ゼレンスキーも述べず、マスコミも伝えませんが、裏にはものすごい経済問題があるに違いありません。昔の十字軍戦争も、根の一つはヨーロッパとインドとの貿易問題。宗教だけでもなかったわけです。歴史を見ることは大切です。