トシコロのありのままの暮らし


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にわか漢方医

2019-01-31 11:47:59 | 日記
  数年前、ある所で歩けない身障者が漢方薬の大柴胡湯を(かかりつけの医者の処方で)飲んでいるのを見た事がある。大柴胡湯は多数ある「柴胡」系統の一つで、先に述べた木下繁太郎著の「健康保険がきく漢方薬」によると、免疫力を高めるなどの効果があり、特に肝臓疾患関係の薬だが、副作用も強いため、虚弱体質や高齢者、妊婦には「用いてはならない」と書いてある。何分、1980年ごろに活躍した横綱・北の湖が飲んでいた薬だそうだ。肝臓を強化し、免疫力を高める柴胡系統の薬はいくらでもあり、その本には「体力に応じて与える柴胡薬」を6ランク書いてあり、更に柴胡も飲めないだけ大変虚弱な体質用の薬も2種類書かれてある。大柴胡湯は、最も体力のあるランクに書かれてあった。また、日本で比較的知られている小柴胡湯も、体力ランク3位である。


  身障者でもパラリンピックに出るような者は別かも知れないが、以上の人はそうではない訳だし、力士と同じ薬を飲ませるのは?と思い出し、首をかしげている。その身障者は僕の友人でもないし、医者でもない僕が薬の事でお節介をする事はできないが、見た当時も以上の事は知っていたから、変に思ったものだ。その医者は勉強不足でもある。「漢方薬は副作用がない」と日本人のかなりは思っているようだが、それは大間違い。一人一人の体質に細かく合わせて、処方するのが漢方薬である。体質に合わない漢方薬を飲めば、アスピリンなどの現代薬と同じだけ、又は、それ以上の副作用も出て、死ぬ事もあるわけである。

  漢方薬は複数の薬剤を微妙に加え合い、作っていくものである。同じ系統の薬でも、ある薬にはAという薬剤を多く加えるとか。別の薬には、新たにZという薬剤を入れるとか。非常に微妙なさじ加減で成り立っているし、又、それを飲む患者の体質判定もコツを必要とする。「虚弱体質」でも細かく分けられているわけだ。同じ肝臓の薬でも、体質により、効く・効かない・副作用の有無などが微妙に違う。

  でも、明治期にそれまでの漢方薬の伝統が廃れて、伝えられなくなった以上、漢方が見直された現代で、現代薬ばかり扱ってきた医者が漢方薬に取り組んでも微妙な事が判らず、結果的に体質に合わない漢方薬を患者に与える事もかなりあるようである。

  強いて言えば、漢方薬の伝統が続いている中国・台湾、韓国の医者に日本の医者は学び、微妙な薬のさじ加減も取り戻す努力をしてもらいたいし、患者側もせめて自分の飲む漢方薬くらいは効能や副作用を知って、勉強してもらいたい。日本の医療再生は政府任せだけでなく、大衆レベルでも行う必要があるように思われる。

未病の観念がなければ障碍者などはどのように見られるか

2019-01-30 11:34:50 | 日記
  まず、「未病」を検索しましたが、それは「約2000年前に中国で書かれた『黄帝内経』に出てくる言葉で、病気にかかる前に、未然に病気を防ぐ」という考え方から来ている言葉です。内輪の事になりますが、晩年期の父上は漢方薬に関心を持ち、明治以来、漢方が日本で切り捨てられた歴史を嘆き、黄帝内経も読んでいました。それはともかく、明治以降はその「未病」の観念も切り捨てられ、忘れられているわけです。そこからの弊害も色々出ています。未病の観念が切り捨てられると、人間は「健康な人」と「病人」の2種類に分けられるわけですね。実際は単純には分けられないわけですが。早い話、相撲取りでも持病を持つ方は多いですからね。単純に分けた場合、諸々の障碍者はどうなるのでしょうか。


  説明するまでもなく、障碍を持つ人や、ハンセン氏病元患者たちも「病人」に入れられてしまうわけです。実際には安静を要するような身体状態でもないのに、「病人」にされてしまう。その結果、色々とおかしなことが日本では起きてきた。

  その最も端的な例は、戦後の1960年代以降に多く作られた障碍者施設、及び、53年に作られたライ予防法でしょう。大体、その頃に作られた施設や、地方の全寮制の養護学校は病院を模して作られています。個室という発想すらなく、入居者は医師や職員の管理下に置かれる。外出も医師の許可次第。無論、個人のプライバシーも全く考慮されていない。結果的に社会からの隔離にもなっていたわけです。身体障碍も、知的障碍も治療しても治るようなものでもないため、ずっと病院暮らしみたいになる。それでは、障碍を持つ人たちはたまりませんね。かと言って、障碍を持つ者たちも日本の医学の歴史は知らない訳だから、因縁も判らず、反施設運動も起き、又、その延長で反養護学校運動も起きたわけです。

  それから、ライ予防法。戦後の非常に早い時期にプロミンという特効薬が開発され、ハンセン氏病自体は治ったのに、後遺症で諸々の障碍や神経痛が残るから、これも「病人」扱いされた。おかしかったわけです。

  世間も障碍を持つ者を病人扱いして、中には変に優しくしたり、ハンセン氏病療養所に慰問するような人たちも出たわけです。ハンセン氏病療養所慰問については、遠藤周作氏が諸々の小説の中に記録として書いています。そうした所で、元患者の為にもならないのに。

  また、身体障碍者ほど、本当は未病の観念で普段医療される必要がありますが、それもされない人たちが多いため、早くに何かの病気にかかり、死ぬ例もかなりあります。もっとも、それは健全者にも言える事ですが。かなり昔の事ですが、1972年に時の横綱玉の海が虫垂炎から腹膜炎を併発し、急死した事がありました。それらの病気も未病の観念で、常に普段医療を続けていれば防げたとも言われています。決して、障碍者だけの問題でもないわけです。

  以上、気が付いた事を書きました。明治以降の漢方切り捨ては、戦後の福祉にも影響を強く与えていると言えましょう。

医療は本来は二重構造

2019-01-29 11:40:04 | 日記
  普段の体調を整え、免疫力を高める医療と、ガンや腹膜炎などの大病になった場合の大病院で扱うような医療の両方が必要だし、ヨーロッパでは普段医療も脈々と受け継がれているようです。


  でも、明治以来の日本では、普段医療が切り捨てられたようです。ならば、常に体調を崩したり、風邪を引きやすくなる人たちも多くなる。そのような人たちは普段医療の薬を服用しない限りは体質も変わらず、大病院に行っても治るわけもなく、大病院を転々とするようにもなるわけです。その結果、病人が増え、健康保険も赤字が増える。また、普段医療の薬を服用しないと、医者からの健康に対する説明も聞けず、体に悪い食べ物も食べて、その面でも体を壊す面もあります。例えば、生ニンジン。ニンジンは加熱するか、酢漬けにしないといけないと、昔から日本でも、ヨーロッパでも言われています。近代になり確認された事ですが、生ニンジンにはビタミンBを破壊する酵素が含まれているから。その酵素は加熱するか、酢漬けにすれば消えるわけです。先人たちはその事を経験的に知っていて、ニンジンは生では食べませんでした。でも、今の日本では、当り前のようにそれも食べている。また、普段医療が廃れているから、医者自身も健康知識に疎くなっているのかもしれません。

  脳性まひも持ち、体も決して丈夫ではない僕ですが、普段医療として漢方薬を常に飲んでいるせいもありましょうか、風邪はほとんど僕は引きません。飲む漢方薬が免疫力を高める効果もあるからです。

  日本の医療は単に予算を多くつぎ込むだけでは解決できません。無論、医療予算も大事で削減はいけませんが、日本の医療には歴史的な歪みや欠陥があり、それを正さないと解決はできないもののようです。根は深いわけです。

明治期の日本医療の漢方切り捨て

2019-01-28 14:07:54 | 日記
  「健康保険が使える・漢方薬・処方と使い方(木下繁太郎著・新星出版社・1990年刊)」という漢方薬を判りやすく説明した本を持っており、時々目を通します。今回の冷え痛みで読む機会が更に増えました。木下繁太郎は1925年から94年。医学博士で、漢方薬の研究などに一生を捧げた方です。


  以上の本の前書き部分に、木下博士は明治期の日本でそれまで活発に用いられてきた漢方薬の切り捨てを批判しています。明治期、日本の医者のエリートたちは盛んにドイツに行き、当時の近代医学について学びました。確かに、当時のドイツの医学進歩は物凄かったですが、反面、古くからの医療法や薬も盛んに使われていました。木下博士によると、その薬は「漢方薬に似た植物療法」だそうです。そのような事を日本から視察した医者エリートたちは、気が付かなかったそうです。そして、日本古来からある漢方薬などの療法を「時代遅れ」だと思い、日本に帰り、そのように報告し、それで漢方薬は日本では切り捨てられ、今に至っているとの事。ドイツの以上の植物療法はその後も続けられ、「現在でもある」らしいです。そう言えば、ドイツに限らず、ヨーロッパでは、昔も、今も風邪を引くと、シナモンやショウガの入った紅茶を飲む事をよく聞きます。シナモンも、ショウガも体温を高め、その結果、免疫力を強め、ウィルスなどに打ち勝つようになり、軽い風邪ならば、それで治るわけです。また、シナモンは中国では「桂皮」と呼ばれ、漢方薬の一材料であるし、ショウガも同じです。僕が風邪予防のために冬季に飲んでいる漢方薬にも、その2つも含まれています。


  風邪に絞って述べると、日本などの東アジアでは、その他に葛も薬として用いられてきました。葛も体温を上げる効果があります。その他、梅実には抗ウィルス効果もあるわけです。とにかく、風邪を引くと体熱が上がるのは、免疫力を高めようとする体の作用ですね。頭部は脳の保護のために冷やす必要がありますが、体熱を下げてはいけません。下げると、免疫力も高まらず、そのまま体内でウィルスが増えてしまうわけで、逆効果です。でも、誰でも判りそうなそのような事を知らず、中には解熱剤を与えて、風邪を長引かせたり、悪化させるような医者もいる。そのような医者が増えた理由も、その医者の不勉強だけでもないでしょう。理由の一つは、明治初期まで「風邪には暖める」を基本とした伝統的な漢方医療を切り捨てた事にも原因があると僕は見ています。

   また漢方には「未病」という考え方があり、病気になる前に体内バランスを整えたり、免疫力を高めて病気を防ぐ発想があります。その為の漢方薬も多いです。僕も飲んでいます。でも、それが明治期にかなり切り捨てられたため、そのような薬は飲まず、早くに体内バランスが狂ったり、免疫力が衰えて、いきなり重い病気にかかるような人たちも増えているようで、問題になっているわけです。

  木下博士は以上の日本の状況も気に掛けられていました。いきなり重い病気になれば、本人は非常に辛いし、ご家族も苦労する。日本国の健保も赤字が増える。大変ですね。

  因みに、僕は思うのですが、シナモン・桂皮やショウガ、クズは食べ物でもあるように、漢方薬を多くの人が使えば、自然と体に良い食品の知識も人々に行き渡り、例えば、冬はそのような食べ物を多く飲食するとかすれば、その分、風邪などにかかる人たちも減り、医者にかかる率も減り、結果的に健保の赤字も減るのではないかと。

  木下博士が嘆いていたように、今の日本医療の狂いの根の一つは明治期にあったのかもしれません。病気にかからない人はいないように、それは全ての人の問題です。医者になれなくても、市民として関心くらいは持つようにしたいものです。

冷え痛みへの鍼効果

2019-01-28 11:52:26 | 日記
  昨日(27日)鍼灸師さんが家に来てくれました。あいにく、モグサを忘れたとかで、灸は中止でしたが、鍼を打ってくれ、また、左足全般をマッサージしてくれました。左腰も実際には治っていなかったようだし、僕の気が付かなかった所も相当の凝りがありました。


  左ひざ上の所を打ってくれましたが、昨日はよく効果は判らなかったですが、今はその所は逆に暖かく、血流と神経の流れがスムースになったようです。

  でも、まだまだ寒さは続きます。時間を掛けて、完治させたいと思っています。