澎湖島のニガウリ日誌

Nigauri Diary in Penghoo Islands 澎湖島のニガウリを育て、その成長過程を記録します。

竹田恆和(JOC)と舛添要一に見る「団塊の宿痾」

2016年05月24日 18時20分04秒 | 社会

 舛添要一・東京都知事があらゆる方面からバッシングされて、今やその座を守り続けることができるかどうか、不確実な情勢となってきた。
 一方、海外の報道から、東京五輪招致に当たって、JOC(日本オリンピック委員会)がIOCの幹部にヤミ献金をしていたことが明るみに出た。竹田 恆和(たけだ つねかず)JOC会長は、みずからそのヤミ献金支出を決裁していたことを認めた。

 舛添要一(1948.11生まれ)と竹田恆和(1947.11生)は、ともに団塊の世代の生まれ。まもなく70歳を迎えようとする団塊の世代の中では、両者とも典型的な「勝ち組」と言えるだろう。
 だが今、ともに問題を抱える両者ではあっても、「世間」の対応は鮮やかなほどの対比を見せている。舛添については、「公私混同」がキャッチコピーのようになって、あらゆる罵詈雑言、嘲笑が浴びせかけられているが、竹田の「ヤミ献金決済」については、五輪誘致のため必要悪だったという「世論」が形成されつつある。

 自らの能力だけで這い上がってきた舛添、一方、明治天皇の何とかという出自の竹田。舛添は奨学金を得て最優秀で東大法学部を卒業、フランス留学を経て、母校の助教授に就任したという輝かしい経歴を誇る、団塊の世代のかつてのホープ。対する竹田は、幼稚舎から大学まで慶応義塾、乗馬部の選手として五輪にまで出場している。ちなみに、乗馬は典型的なブルジョア・スポーツだ。知力、能力では、舛添の足元にも及ばない竹田には、庶民には太刀打ちできない「高貴な血」が流れている。似たような疑惑に包まれたとしても、「血筋」故に「世間」が批判を控えるというのでは、まさにこの国は民主主義国家ではない。

 竹田恆和は、「エルケーティー ライゼビューロー ジャパン」という旅行会社を経営している。そのHPには本人の写真入りで、「来たる2020年には東京オリンピックが開催されます。当社のグローバルな視点で「日本から海外へ」のみならず「海外から日本へ」のご旅行の一助となるべく、これからもお客様に寄り添ったサービスの提供を目指して参ります」と書かれている。
 旅行会社を経営する竹田JOC会長

 東京五輪が決まれば、旅行会社には多大な利益が見込まれる。JOC会長の会社ともなれば、なおさらのことだろう。東日本大震災・福島原発事故があってもなお、五輪招致運動をとりやめず、「復興」「絆」のためだと強弁したのは、実はこういうカラクリがあってのことではないのか。JOCの海外出張手続きが、この会社を通して行われているかどうか、情報開示が求められて然るべきだ

 竹田自身は、おそらく港、千代田区あたりの豪邸に住んでいるから、仮に首都圏直下地震が起きても、さしたる被害は受けずに済む。下町や環七沿いの「庶民」ばかりが悲惨な「被災者」となるのは目に見えている。にもかかわらず、国土強靭化、大震災対策という「公」よりも、私利私欲の「東京五輪」を選択してしまった。昭和天皇は、沖縄戦に敗北し、ヒロシマ・ナガサキに原爆が落とされてもなお、「三種の神器」の守護しか念頭になかったという。その昭和天皇の姿を思わずダブらせてしまうほどだ。

 このままでは、自業自得と叩かれる舛添が浮かばれない。三浦瑠麗(国際政治学)によれば、舛添には貴族趣味があって、大衆とは無縁の高貴なものに憧れが強い人だと言う。細川護熙を「バカ殿」と言い捨てた「天下の秀才」舛添には、半面、その出自に強いコンプレックスがあったに違いない。だが、それは舛添の責任ではないのだ。
 マスメディアは、舛添叩きに狂騒するだけでなく、JOC(日本オリンピック委員会)の闇、都民軽視の五輪誘致に鋭いメスを入れるべきだろう。いくら竹田が「高貴」なお方だとしても、法の下でのあまりの不平等は許されないはずだ。 

 



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