澎湖島のニガウリ日誌

Nigauri Diary in Penghoo Islands 澎湖島のニガウリを育て、その成長過程を記録します。

台湾人が見る八田與一~「世界ふしぎ発見!」

2009年02月15日 12時44分59秒 | マスメディア

TV番組「世界ふしぎ発見!」で「台湾縦断グルメ大紀行」が放送された。
その中で、旧台湾総督府の技術官僚・八田與一の業績が紹介されていた。
彼は、台湾南部の嘉義(かぎ)に烏山頭ダムを造り、周辺の荒野を肥沃な穀倉地帯に変えた人物である。今では、台湾の中学校教科書に功績が掲載され、台湾人は皆知っている人物でもある。

ところが、日本では、戦前の歴史がきちんと教えられていないので、知る人も少ない。それと、左翼気取りの歴史教師から「戦前の日本はすべて悪いことをした」というイメージが刷り込まれているためか、とにかくステレオタイプでしか物事を見られなくなっているようだ。
このブログでは、再三台湾について書いているが、私が尊敬する教養ある知人でさえ「日本帝国主義の植民地支配を反省することなく、日本もよいことをしたなどと言ってはいけない」とアドバイスをしてくれた。

しかしながら、先日「ディスカバリー・チャンネル」で放送されたシリーズ番組「知られざる台湾」(英国制作)を見ていたら、日本が台湾の社会開発に果たした役割を高く評価しているではないか。台湾の学者、企業家などにインタビューして、日本の植民地統治が収奪や抑圧といったものではなかったことを伝えていた。
欧米の言うことなら信じる方々は、ぜひ、この番組を見ていただきたいと思った次第だ。

「世界ふしぎ発見!」では、戦前「全国中等学校野球選手権全国大会」(現在の高校野球甲子園大会)に出場し、決勝まで残った「嘉義農林」のメンバーが出演していた。チームは、台湾人、日本人、先住の台湾人の混成チームだったそうで、現在の「嘉義大学」野球部もその伝統を引き継いでいるそうだ。メンバーはもう80歳半ばだが、皆、日本時代を誇りに思っているようだった。

台湾は長らく「ひとつの中国」というイデオロギーに翻弄されてきた。日本が台湾から去った後、台湾を支配したのは「大陸光復」を叫ぶ中国国民党独裁政権だった。彼らは大陸から敗走してきたにもかかわらず、「ひとつの中国」に固執し、日本統治時代を経験した台湾人を見下した。学校教育では「大中国主義」を教え、台湾の歴史や文化を教えることなどなかった。子供達は学校で「日本帝国主義はこんなわるいことをした」という授業を教わったのだが、家に帰ると両親が「そんなことは嘘だから、信じてはだめだよ」と諭したというエピソードが広く伝えられている。

1990年代、李登輝氏が民主選挙で総統に選ばれると、ようやく人々は「台湾人であること」のアイデンティティに触れることができるようになったのだ。国民党独裁時代には、地元の人によって匿われていた八田與一の記念碑が、再び飾られるようになったのもその頃である。

その台湾も、日本時代を知る人は年々少なくなり、大陸中国の影響はますます強まっている。大陸中国の「大中国主義」「中華愛国主義」が台湾を覆い尽くせば、再び八田與一までが「日本帝国主義の走狗」として罵られることになるだろう。
自分の都合で歴史解釈を曲げる人は、日本にも大陸中国にも大勢いるのだ。

現在の台湾人が持つ親日感情が損なわれるようなことがあれば、それは日本人にとってかけがえのない友邦を失うことなのだ

たかがクイズ番組といっても、上記のようなことを考えさせる、とってもいい番組だった。TBSが制作したとは思えないほどだった。

【ウィキペディア】より 「八田與一」について

日本よりも、彼が実際に業績を挙げた台湾での知名度のほうが高い。特に高齢者を中心に與一の業績を評価する人物が多く、烏山頭ダムでは與一の命日である5月8日には慰霊祭が行われている。また、現在烏山頭ダムにある與一の銅像はダムの完成後の昭和6年(1931年)に作られたものであるが、中華民国蒋介石時代に日本の残した建築物や顕彰碑の破壊がなされた際には、地元の有志によって隠され、昭和56年(1981年)になって再びダムに設置されるようになった。このように與一が顕彰される背景には、業績もさることながら、土木作業員の労働環境を適切なものにするため尽力したこと、危険な現場にも進んで足を踏み入れたこと、事故の慰霊事業では日本人も台湾人も分け隔てなく行ったことなど、彼の人柄によるところも大きく、エピソードも多く残されている。

現在でも中学生向け教科書『認識台湾 歴史篇』に八田與一の業績は詳しく紹介されている。平成16年(2004年)末に訪日した李登輝台湾総統は(農業経済学者でもある)、與一の故郷金沢へ訪問した。

2007年5月21日に陳水扁総統は八田與一に対して褒章令を出した。また馬英九次期総統も、2008年5月8日の烏山頭ダムでの八田與一氏の慰霊祭に参加した。

日本においては、土木・水利研究者を除いてあまり知られていないが、司馬遼太郎の『街道をゆく』や小林よしのりの『新ゴーマニズム宣言スペシャル・台湾論』などで取り上げられている



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。