宮坂幸恵の光と影

2016年12月02日 08時39分31秒 | 創作欄
★目的と使命を自覚すれば、自分たちが考えもしなかったような、大きな力が出せるだろう。
★過去にとらわれず、より高みを目指す執念を持つ人が、時代を超えた価値を生み出せる。
★新しいものを創造するには、時には、これまで作りあげてきたものへのこだわりを、躊躇なく捨てる勇気が必要。
★100冊読んで1冊の本を書けば。
「その圧縮比が高いほど、情報がたくさんつまったいいものが書ける」
★人生経験、苦労の多さ、歩んできた大きさに応じて、言葉の説得力も違ってくる。
★自分が苦労した分、他者にも尽くせるようになる。


------------------------------
優れた宗教指導者は、人生の達人であった。
如何に人を励ますのか、卓越した言動が人の心に火を付けた。
「仏と同じ生命を持っている自分自身に誇りをもちなさい。気高い心で、人生を勝ち抜くのです」
最の生命哲学を学び、実践する青春が、どれほど尊貴であるのか。
ゆえに、他人の言動に振り回され、自信をなくす必要などない。
---------------

宮坂幸恵は、赤坂のクラブ「プリンス」ナンバーワンと持て囃されていた園田文花(あやか)に妹のように可愛がられていた。
幸恵は憧れる思いで「アヤカ姉さん」と慕っていた。
文花は美貌であるばかりではなく、人の心を掌握する術に長けていた。
「幸恵さん、背伸びする必要はないのよ。ありのままでいることね。その方があなたの魅力がでるわ」
「ありのまま?」幸恵は自問自答した。
幸恵は「自分なんか」と自己卑下して生きてきた。
4歳年上の姉の典子は、学校の成績が優秀で国立大学医学部の4年生になっていた。
幸恵はどうしても勉強が好きになれず、高校も中退していた。
そして、取手の地元のスナックで働いていた時に、ゴルフ帰りのある企業の社長に言葉をかけられたことが契機となり、東京へ出た。
「取手にもこんな美人さんが居た。驚きだ。赤坂のナイトクラブでも通用するかもしらんね」
「社長はおだてがうまいんだから、口車に乗せられるなよ」ゴルフ仲間の一人が笑い飛ばすように言う。
幸恵はミス取手と男たちに言われた若い頃の母親の園子を彷彿させる美貌であったのだ。
「東京で働くなら紹介するよ」社長と呼ばれた50代の男に幸恵は色気を感じた。
中年太りであったが、精悍な感じでラフな服装がダンディーに映じのだ。
半年後、信じられなかったがスナックに社長の木村幸助から電話があり、赤坂のクラブ「プリンス」を紹介されたのだった。
コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« あらゆる苦難をも成長の糧に... | トップ | 「新聞の力」 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

創作欄」カテゴリの最新記事