鳥かごのような網に包まれた小船に乗って島へ渡っていた。
「もしも、この小舟が転覆したら、誰も脱出することはできないだろう」恐怖感がわいてきた。
小舟にはぎゅうぎゅう詰めの状態で10人ほどが乗ってっいた。
小船は5分ほどで島へ渡り、古代のギリシャ都市のような入り組んだ古道を登り、宿泊施設へ向かう。
迷路のような廊下には多くの小部屋があり、すでに人々が寛いでいた。
「イチゴ狩りは3時からです」と宿泊施設の従業員が各部屋を回り告げていた。
「高く高く 高く高く 飛ぶのよ」島影の方から誰かが歌う声が聞こえてきた。
「高く高く 高く高く 飛ぶのよ」1節だけの歌声の繰り返しだった。
「歌っているのは誰だろう?」皆が聞き耳を立てる。